2019年を振り返ったらやっぱり展示会取材に明け暮れた1年だった
◆◆◆山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.103◆◆◆
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【1】2019年の毎月を振り返る。海外展示会は20回
今年は年末年始が香港(とはいえ、1月2日に明けたら夜行で韓国へ)。12月31日もお仕事しなくてはですが、打合せもあったりで九龍駅のスタバでのんびりしています。
てなことでちょっと1年を振り返ってみます。去年以上に海外出張の多い1年でしたが、来年は2-3割減らさないと体力も持たないかも。もうちょっと韓国でのんびりする時間を作りたいですね。なお今回は全文無料です。
【1月】
CESの取材とNAIAS(北米モーターショー)の取材。CESはRoyoleのプレスカンファレンスに行ったら日本人はわずか3名、モバイル的にも注目度は低かったのかなと思ったら、CESがはじまったらRoyoleブースに展示の折りたみスマートフォン、FlexPaiのコーナーは大盛況。まだ名前が知られてないので気にしていた人が少なかったようです。実機を触わると出来の甘さはさておき、未来を感じられまいしたね。
NAIASは規模が縮小傾向で1月の開催は今度が最後。屋外での走行デモ(自動運転なども)やるなら極寒で雪の降る1月はだめってことで来年から6月になります。6月にわざわざアメリカに行く予定はつくりにくく、しかも「アメリカ向けの新車」のイベント化しているので来年は悩ましいところ。自動運転を見るにしても、そこまで車にフォーカスはしていないのでCESで十分かなあと。いずれにせよ車が無ければデトロイトを探索もできないので(数年行きましたが展示会場付近しか歩いていない)、観光ついでって所でもないのですよね。
【2月】
沖縄で活動しているモバイルプリンス氏がやっているラジオに出ませんか、って話を受けたので人生初の沖縄滞在。マイル修行で空港へは2回行ったことがありましたが、街中に出てホテルに泊まるのは初めて。なかなかいいところでした。モノレールも乗れたし。合わせてイベント(CES報告会。1月は都内で開催)もやりましたが、年に数回日本各地でやれるといいなあ。
2月20日はサムスンの発表会でサンフランシスコへ。例年はバルセロナのMWCに合わせて会期前日にやっていたものを、今年からMWCと切り離しての開催です。欧米メディアは大西洋超えればいいだけだから楽でしょうが、アジアのメディアは大変だ。発表会そのものは相変わらずいいプレゼンで、端末の出来もよくいい取材ができました。ただしGalaxy Foldは実機に触れず欲求不満状態に、、
サムスンのあと、サンフランシスコ→ロンドン→バルセロナと移動してMWCの取材。こちらの目玉はファーウェイで、Pシリーズは発表せずに折りたたみのMate Xを発表。なんだかんだで実機も触ることができて大興奮。興奮しすぎてまともに取材できなかったといういつもの悪い癖がでちゃいましたが、前月にFlexPaiを触っており、Mate Xの完成度の高さにさらに感動したのでした。
【3月】
MWCから戻った後は、韓国と日本に行ってから上海で開催のAWEへ。中国の家電展示会。スマートホーム周りの取材ですが、意外とスマートフォンも見れたのは収穫。ハイセンスは携帯電話の歴史コーナーで5G端末も実機あり(MWCでは触れなかった)。他にも5G冷蔵庫があるなど、コネクテッド家電に関しては世界の中でもダントツに進んでいます。定点観測はし続けないといけません。
中旬は5G関連の勉強会に呼ばれて講演。今年は他にも数回行いましたが、自分の知識のまとめにもなっていいんですよね。講演はもっとやりたいところです。
そして下旬はファーウェイP30の発表会でパリ。Pシリーズはカメラ強化ってことで1年前に続いてのパリ開催。製品がいいと取材もはかどりますが、会場でちょっとトラブルがあり面倒でした(取材場所に関して)。中国のように指定席制にしてほしいところ、、、でも結局海外だと来ない人を見越しているから、そうもいかないのかなあ(受付で座席番号渡すとかね)。
【4月】
4月は左右の脳みそを思いっきり使う1か月です。まずはドイツのハノーバーメッセへ。産業関連の展示会で、インダストリー4.0、すなわちIoT関連の取材です。情報収集が主なので記事に書くことは無いというか、私の現時点の知識レベルとお付き合いしているメディアでは、お金をいただけるほどの記事が書けません。とはいえ、ファーウェイのオウンドメディア「HuaWave」ではIoT関連のコラムを書いていたのでそちらにアウトプット。残念ながらHuaWaveは4月からオンラインになったのに、8月で急に閉鎖になってしまいましたが(米中問題の影響もあるのでしょう)。
そのままミラノへ移動して、今度はミラノデザインウィーク(ミラノサローネ)。今年は宿はライターの方々とAirbnbでシェアしたため宿代が安く済みましたし、ロケーションもよく取材が楽でした。宿のすぐ下が地元のピザ屋さんで、めちゃくちゃうまかったのもポイント高い。ミラノはご飯がおいしいのがとにかくうれしいですねえ。なおデザインとなるとさらに私がかける記事は無いのでこれもアウトプットできず情報収集。でもね、「人が使う『物』はどんな形であるべきか」なんてことを感じるのに、いいイベントなのですよ。
下旬はサムスン本社からGalaxy Foldのグローバルサンプル利用者に選ばれ、なんと実機を手にすることができましたビデオを含む数本の記事も執筆。ところがディスプレイの不具合で全量回収になり、泣く泣く送り返したのでした。しかし実際に使ってみてGalaxy Foldとはどんな用途に使う製品なのかを実感できたのは良かったところです。
【5月】
日本のGWは毎週月曜日に日本にいるときに出演しているライブ情報番組「UstToday」のイベントで富山へ行かせていただきました。ほたるいかツアーなのですが、この日はシーズンの最終日で波が荒く、残念ながらイカ釣り漁を見ることはできず(漁はやっているものの、観光船が近づけない)。初めて北陸新幹線にも乗りました。来年個人的に見に行こうかなあ。
またソウルで青森大学教授の木暮氏と韓国の5Gテストも行いました。Global Wi-Fiのソウル支店の協力で3キャリアの回線を使ってテスト。実は4月下旬のソウルでも2キャリアを借りてテストしたのですが、そのときは初5Gだったため、「NSA」方式をよく理解していなかったのです。NSAですからコアネットワークは4Gそのもの。端末が5Gの表示でも4Gにしかつながっていない場合もあり、それを体で理解するのに時間がかかりました。木暮氏とのテストではそこをふまえてソウル市内の主要エリアを探索。歩くだけで5G→4G(eLTE)になってしまうなど不安定な状況でしたが、5Gの立ち上がりを体感で来たのはよかったですね。
5/16は前日にASUSがスペイン・バレンシアでZenFone 6を発表。翌日なので台湾で展示はじまっているかなと実質ほぼ日帰りで向かったのですが、展示などは一切なし。ちょっと勇み足でした。なお日本ではメディア向けに内覧会があったようで、素直に日本なら見れたのです。でもね、通常なら日本での披露は遅れますし、まっさきに現地に飛んで行ってみたいじゃないですか。
5月は香港から日本→韓国(→台北→釜山)→日本→台北で、香港にいたのは頭の数日のみ。
【6月】
5月末からComputex台北取材。意外と5Gの展示があり、5G CPEを複数社が出していました。また中華電信が5Gのライブデモも実施、通信関係でも収穫があったのは意外でした。Computexのメインと言える大手メーカーの展示はちょっと物足りなく、今年もフル日程で参加しましたが来年からはそれこそ1泊2日でもいいかもしれません。ご飯おいしいのですけどね。
台湾のあとは日本に1週間滞在して、そのまま上海へ。CES ASIAです。これもSuning(EC&量販)に新生RedMIなどがあるなど、モバイル成分も満たされました。ただ取材のメインはIoTとスマートシティー。ホテル代が安いから行くようなところもあります。
6月のメインイベントは下旬のMWC 上海でして、こちらは中国キャリアブースに5Gスマートフォンが大量展示。中国移動ブランドの5Gスマートフォンも触れたのは大収穫。ODMメーカーには開発中の中国移動向けの別の5G端末もありましたし。なお5GのライブデモはB2B関連ばかりなのでちょっと地味でしたが、中国の5G開始を実感できたイベントでした。
【7月】
7月2日は誕生日でしたが、なんとようやくシャオミの中国発表会を取材することができました!苦節何年だろう、、、しかも今回は新しいCCブランド端末で、Meituバージョンもあるというもの。これは行かねばなりませんよね。初めて見たシャオミの雷軍CEOは、ちょっとふっくらとしていました(笑)。また久しぶりに見たMeituの呉欣鴻CEOが元気そうで何より。Meituブランドの今後の見通しは不透明ですが、Meituの技術はシャオミにしっかりと引き継がれていくのでそれだけは安心でしょうか。
北京のあとは日本、OPPOのReno 10x Zoomイベントに登壇させていただきました。その流れで端末買っちゃいましたけど、いい製品ですよ。
そして韓国へ。ソウルでKITASの取材、なんかしらあるかなとあまり期待はしなかったものの、まさかのSkyのスマートフォンが展示されていました。パンテックですね。ちょうど日本語ができるスタッフがいたので話を聞くこともできたのはうれしい誤算。こうやって予期せぬものに出会えるから展示会は楽しいのです。ネットの検索では出てこない物だらけですから。
そのあとは台湾(なかなか香港に帰らない)。ASUS ROG Phone IIの取材。これ北京では中国向け発表会をやるのに、台湾のイベントは説明会で、グローバル発表会は9月というややこしいことに。出し惜しみはよくないけど、まずは中国に先に出して反応を伺いたかったんでしょう。
なお韓国滞在中にLG U+の5Gを契約。人生初5Gが韓国です。端末もLGのV50 ThinQ。回線も端末も満足しています。
【8月】
毎年恒例、サムスンGalaxy Noteの発表会でニューヨーク!今年はライター3名でトリプルルームをシェあしたので旅費が格安で費用面では楽でした。製品はGalaxy Note使いな私だけに大満足できる出来で、当然その後買ってます。なお今回から発表会はゆっくり行って、もう並ぶのをやめよう、なんて思っていたのですが、、、結局3時間前には会場に行ってしまいましたね。それに合わせて日本から来られたサムスンのPRの方も(気を利かせて)朝早くからお付き合いしていただきちょっと申し訳ない気も。でも毎回、私とライターの法林さんは早く並んでしまうのですよ。
その後はEngadget夏祭りがあり、フリマもできるっていうので富永彩乃氏と合同ブースでフリマを開催。あらかじめ深センで買ったおもちゃのクレーンゲームを持ち込んだりと、楽しめました。毎年やってほしいなあ。
そして日本のあとは韓国。2週間くらい滞在してのんびりするはずが、ASUSのZenFone 6日本発表会があるってんで2日だけ抜けて日本へ。さらに韓国の後はまた日本。旅費は安いものの移動しすぎです(笑)
【9月】
IFA取材でベルリンです。例年はIFAのあとにMWCアメリカ(昔はCTIA)だったので、ベルリン→アメリカという辛い予定でした。しかし今年はMWCアメリカが10月にずれて(それはそれでまた旅費がかかるけど)一安心。と思ったらブダペストでITUのTelecom Worldがあるってことで、合わせて立ち寄ることにしました。
IFAはF(x)tec Pro 1を見れたりとこれまたスマートフォンが意外と多く、Nokiaの4Gフィーチャーフォンなども合わせてモバイル的にはいい展示会でした。Telecom Worldはアフリカの状況を見る程度なので完全な視察。しかしドイツでGalaxy Note10+ 5Gを買おうと思ったら売っていなくて、確実に売っているイギリスに行こうと急遽決めたのでブダペストは宿泊無し。朝ついて取材4時間、中心地でSaturnなど家電量販店をさっと回ってロンドンへというあわただしいスケジュールでした。
なおブダペスト入り・帰りの航空券は捨てて取り直しです。実はIFAでベルリンに入る前、エーゲ航空のマイル修行でアテネへ行くはずでした。ところが香港から付いたアムステルダムの空港で財布を落としてしまい、見つけてくれたものの取りに行ったらアテネ行きのフライトに間に合わずそちらの航空券も破棄。余計な旅費がかかってしまった秋のヨーロッパ巡業だったのです。
しかしロンドンへGalaxy Note10+ 5Gが買えたのでとにかくよかった。14万円強ですがメイン機にしますし満足です。
9月はこれで終わりのはずが、ファーウェイがMate新製品の発表を例年の10月から繰り上げ、9月にしたので再びドイツ、ミュンヘンへ。IFA終わった後日程が近ければそのままドイツにいたんですけどね。
さらに直後に今度はサンディエゴ。クアルコムのイベントでご招待。9月は欧米に飛びまくるあわただしい1か月でした。
【10月】
10月4日はEngadgetのGalaxyイベント。Galaxy Harajukuでのイベントですが、ついにサムスンの本拠地で話ができるなんてこれはもう気合がはいりました。魅力を十分に伝えることができたんじゃないかなと思います。
中旬はドバイ、GITEX取材です。これもIoTがメインですが、ドバイのスマートシティー関連の状況も見ることができるのではずせません。またUAEキャリア、エティサラットブースが「世界のIoTの見本市」になっていて、これまで取材で見てきた最新のIoT製品やソリューションが目白押し。また空飛ぶバイクなど他の展示会でも見れないものなども実物を取材できました。ドバイは毎年いかなくてはなりませんねえ。
下旬はMWCアメリカでロサンゼルス。なぜかユナイテッドで往復4万5000円という激安チケットが見つかったおかげで無理せず行くことができました。なおドバイもロサンゼルスも時間がなくて、最終日は取材終わったらそのまま空港。せっかくいくなら街の探索もすべきなのですが、、、
【11月】
北京のPT Expoへ。例年は9月末でしたが、今年は中華人民共和国成立70周年で、10月1日の国慶節前からずらされました。さらには11月1日から中国で5Gが正式に開始、PT Expoで発表会も行ったのです。中国最大の通信関連イベントながら、あまり見るものは無かったのですが、おかげで今回は5Gの手人がもりだくさん。取材のしがいがありました。
11月の日本は八王子変態オフ、iPhoneケース展に参加。iPhoneケース展はいつものとおり富永彩乃氏とお店もだしました。また合わせて名古屋でプライベートイベントも開催。
【12月】
実は10月の時点で海外取材し過ぎでアウトプットもままならず、旅費が限界を超えていたので「10月11月は日本と韓国以外行かない」と決めていました(北京PT Expoは本当は10月末だけ行くはずだった)。12月は中国メーカーの発表会がたくさんあったのですが、どれも取材依頼は出さず。行きたかったんですけどね、、、
ということで12月はEngadgetのLGイベントに登壇。LGのイベントってなかなかないですし、LGの魅力を伝えることのできる人も自分以外にいないよな、と考えこれもがっちりと気合を入れて臨みました。LGの方々にもいい反応をいただきましたが、参加者の方々のLG G8X ThinQ購入を後押しできたのもよかったかなと。
後はプライベートイベントも1本。韓国にも滞在して休みましたが、比較的スケジュールに余裕があったので香港にも2週間おり、おかげで今度は深センに5回も行ってきました。ここまで深セン通いしたことも近年あまりなくて、中国市場の動きを見るにはやはり香港にいてマメに深センに行かないといけないなあと思うところです。
1年を振り返ると、やはり活動しすぎた感は否めません。とはいえモバイル業界がまだまだ先へと動いているので、どこで一休みしていいのかタイミングがなかなかつかめないところもありますね。ということで、2020年も引き続きよろしくお願いいたします。
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