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香港で増えてる「ネオ冰室」、「元朗冰室」のポークがうまい◆Vol.116

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香港は世界で最も外食回数が多いところと、昔何かで読んだのですが、実際に朝・昼・夜すべて外食で済ませられるほど食事をするところは多くあります。その中でも香港独特の食堂が「茶餐廳(チャーチャンテン)」。街中どこにでもあります。茶餐廳は一言でいえば大衆食堂ですが、カフェでもあるのでちょっと休憩がてら飲み物を飲む、というのもOK。ただしそれを昼食時間にやるとあまりいい顔をされません。なお混んでいるときは4人掛けの席でも相席が普通です。

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そもそも香港人は店が混んでいるときに隣の椅子にカバンを置いて他人を座らせない、なんてことはしません。混んでいるときに4人掛けの1席だけが開いていれば、「ここ、人いますか?」と聞けば大抵首を横に振ってくれます(いないの意味)。ちなみに日本だと「空いていますか?」と聞くから、回答側は席があれば首を縦に振りますよね。こんな小さい文化の違いも面白いところ。ソーシャルディスタンスが日本よりはるかに短いのは、狭い土地に多数の人間が住んでいるからでしょう。

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この茶餐廳は外国人にはちょっと敷居が高い。まず基本は広東語。英語は通じない、というかお店の人は忙しいので、「Excuse me」と言ったところで無言で近寄ってくるけど、こっちがすぐオーダーしないとすぐいなくなります。まあメニュー決めてから店員さん呼びましょう。

さてこれが台湾ならば、外国人がローカルなお店に入って言葉やメニューがわからなければ店のおばちゃんが結構親切に教えてくれることが多いかと。自分の経験ではほぼそんな感じでした。一方香港では、店の人は「客に任せる」スタイルが基本。だから客が自発的に動かないとだめ。店が暇なら店員さんはスマホいじってのんびりしています(まあそんな暇な店ならつぶれていますが)。台湾好きと香港好きの分かれるところがこのあたりにもあるかなと。

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茶餐廳の敷居の高さはメニューが多いこともあります。一般的な中華系だけじゃなく洋食もあり(ステーキなど。味付けは香港風)。似たようなメニューが並ぶのは味付けだけを変えたり、おかずの組み合わせを変えたものもあったりするから。加えてサンドイッチなどの軽食もありますが、その種類も多彩。要するに「店にある食材でできるものは、なんでもメニューにある」わけです。

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そして一番の難関はオプションの選択が多いこと。たとえばステーキ定食を頼むと、酒食をご飯にするかパスタにするか、というオプションがたいていあります。そして香港ならどこでも定番、飲み物の選択が「コーラ」「コーヒー」「紅茶」「レモン水」「鴛鴦(インヨン・コーヒー紅茶)」とあり、アイスとホット、紅茶の場合はミルクかレモン。なお「他にもあるぞ」という香港通の人はとりあえずその通りなのでそう思ってくださいw まあとにかくセット・定食はおかずで選ぶだけじゃなく「主食」「飲み物」も決めなくちゃならないってことです。

この写真、お昼の定食。201、202、203、、、どれかを選べばいいですよね。しかし201と202はご飯かパスタどちらかを選ばなくてはなりません。そしてそれぞれ飲み物付きなので飲み物もオーダー(メニューの一番下にある)。番号だけ言えばいい、というわけじゃないのです。

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茶餐廳は大手のチェーン店もあって、「大家楽」「大快活」がメジャー。ここは壁にメニューがプレートでぶら下がっているので番号を言えば注文できます。ですがやっぱり「飲み物は?」って聞かれちゃう。また写真のような特別メニューは番号が無いので、スマートフォンで写真にとって店員さんに見せて注文。そしてこの手のは飲み物の選択があるので何かしら伝えなくてはなりません。

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ありがたいことにこの手のチェーン店は最近は自動オーダー機が設置されるようになったので、画面で文字や写真を見ながら選んで支払い、番号札をもらうところまで話をせずに注文できるところが増えています。自分も週に1回くらいはお世話になっています。

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とはいえ街中どこにでもあるのが茶餐廳なので食事するならわざわざチェーン店にいかずとも、「お腹減った→目の前の茶餐廳へ」と気軽に立ち寄れます。店構えは大衆食堂レベルなので、ローカル度満点です。

ところがこの茶餐廳が、数年くらい前からリニューアルオープンするお店が増えています。店構えをきれいにして、店内もカフェまではいかずとも小ぎれいな感じに。メニューの多さは相変わらずですが、チェーン店の茶餐廳のような清潔感があります。

そんなリニューアル茶餐廳は、お店の名前に「茶餐廳」ではなく「冰室(ビンサッ)」とつけるのが流行っています。もともとは冰室はカフェでしたが軽食も出しており、茶餐廳との区別はだんだんなくなっています。ここ数年は新しくなったお店に「XX茶餐廳」ではなく「XX冰室」と名付けるのがなぜかブーム。ちょっとレトロ感があるイメージをあえて新しい店につけることで目新しさをアピールしているのかもしれません。

本来の冰室はこんな感じ。昔ながらの店がまえですが、茶餐廳と出しているものはあまり変わりません。

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そして最近の新しい冰室がこんな感じ。だいぶあか抜けてます。そんなことから自分ではこの新しいタイプの店を「ネオ冰室」と呼んでいます。

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この冰室は店内も所狭しとテーブルが置かれていることも無く、メニューも壁にずらりと紙が貼られているだけなんてことはなく、テーブルごとに写真入りのものがあるなど注文もしやすい感じです。店員さんも若干やさしい感じw 香港在住20年の私でも、茶餐廳より冰室のほうが入りやすいかなと今も思うところです。

ここ2年くらい、よく行くのは元朗冰室で、香港各地にお店があります。前にも紹介したかもしれませんがここはポークステーキ(豬扒)が有名で、2枚とご飯と飲み物でHK$62だったか、900円くらい。今でも夕飯をどうするか悩んだ時は食べに行きます。我が家から近いのは太子駅・深セン皇岡行バス乗り場(バスは現在新型コロナウィルスの影響で運休中)近くの店。あるいは旺角店へよく行きます。

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24時間営業の店もあるので、夜中に仕事が終わって空腹な時は徒歩15分くらいかけて歩いて行って、食後は飲み物のみながら少しまったりして、満腹の胃袋の消化を助けるためにまた歩いて帰宅する、なんてこともよくやります。2枚が多い時は1枚+出前一丁セットがお気に入り。

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香港は食事に関して困ることは全くないほど食事するところが多いのですが、外国人が気軽に入れるお店となると減ってしまうのが難点かも。でも慣れれば家で空腹になったとき、Uber Eatsを頼むよりちょっと外に出てそのあたりある茶餐廳や冰室に入ったほうが早くて楽、しかも美味しい。ということで最近は香港にずっといるので新しいお店に行くようにしています。相変わらず適当な広東語で恐る恐る注文しているのですけどね。

今回のネタは以上です。以下に本文はありません。

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