CES2023取材終了、車とメタバースとサステナビリティー。注目スマホは?
1月3日から4日のメディアイベント、1月5日から1月8日の会期と、合計6日間のCES 2023取材が終わりました。例年はラスベガス入りに余裕を持たせたのですが、今回は1月2日入り。翌日から取材スタートということで、ラスベガスではCES取材以外のことはほとんどできていません。Best Buyやらショッピングモール、キャリアのお店に行く時間も無し。
唯一チャンスがあったのがラスベガス到着日にホテルまで行く途中にT-Mobileの店があり立ち寄りたかったのですが、「まずホテルに着いてから、あとで来よう」と思ったまま結局行きませんでした。まあBest Buyも最近はほとんど見るものが無く、以前なら何を買おうかとわくわくしていたプリペイドスマートフォンの在庫もあまりありません。2022年9月にラスベガスに来た時、Best Buyでがっかりしたものです。
今回はラスベガスの後、ニューヨークなのでそっちでお店巡りしようと考えています。
ラスベガスのホテルはここ数年、ずっとPolo Towers。まずぶっちゃけお値段は8泊で26万円。1泊あたり3万円強です。CES期間中はどこもホテルが高いものの、もっと安いホテルは探せばあります。特にモーテルですね。しかし多くの安いホテルは、部屋が暗くて机が小さかったりと、仕事ができる環境にありません。また一般的なホテルは1Fがカジノ場なのでフロントやエレベーターから外に出るまでの距離が遠い。カジノホテルの1Fには「出口」なんて案内も通常ありません。なぜならホテルから出れなくしてカジノをしてほしいから。火事でも起きたら大変だな、って思うくらい迷路。
Polo Towersはその点普通のホテルなので、入り口はいればフロント。サービスアパートタイプなのでキッチンあり。ベッドルームもあり。また洗濯も各フロアーに無料のランドリーコーナーがあります。なので長期滞在するのに便利なのです。また26万円も4人でシェアすれば1人7万円以下ですから高くない。ってことで毎年3-4名で借りています。唯一の誤算は隣のホテルから出ているCES会場までの無料シャトルバスが去年と今年は無くなっていたことで、会場まで行くのがちと面倒だったことくらいかなと。そのあたりの移動は10年以上CESでラスベガスに来ているのでなんとかなりました。
さてCES 2023ですがパンデミックの最中に開催された去年とは異なり、出展企業もほぼ戻って会場からは元気を感じられました。大手メーカーも去年はきちんと展示していたのはサムスンなど数社程度でしたが、今年は全復活。また新しくできた西ホールは自動車メーカー向けの出展エリアでしたが、去年はスカスカで現代とVin Smartくらいだけだったのが、今年は埋まっていました。おかげで会場を回る4日間は時間が足りないほどでした。
CESの本会場はラスベガスコンベンションセンター(LVCC)とベネチアン・コンベンション&エキスポセンターの2か所。両者はシャトルバスで15-20分くらいの距離。LVCCはさらに南、中央、北、西と4つのホールがあります。このうち南は西ホールの開業を受けて現在閉鎖中(改装中)。また西ホールだけ徒歩10分くらいとやや離れているものの、地下にトンネルを掘ってEVを走らせる公共交通機関「Vegas LOOP」が走っているので移動はほんの数分です。テスラが次々とやってきて発着する様は壮観。トンネルの中も結構飛ばします。
ベネチアン・コンベンション&エキスポセンターはホテルに併設された展示会場。こちらは1Fと2Fがあり、1Fはスタートアップが約1000社集まる「Eureka Park」ゾーンになっているのですが、今年の取材ではここはパスして2社だけを見てきました。Eureka Parkを全部回ったら(取材なので出展者に話を聞きますから)おそらく2日間はかかるんじゃないかというくらい広いんです。
例年は半日くらいここを取材したのですが、今年はそれをやめても全体の取材時間が足りなかったくらい。もはやCESは「全部をみて何かを探す」よりも「特定の分野の展示を見に行く」イベントになっているとおもいます。車に興味ある人なら西ホールと中央のソニー、TCL、サムスンあたりを見れば十分ですから。
全体的には車がらみの展示が急増していました。TCLって書きましたが、かれらも車載ディスプレイを展示しているわけです。今年はシャープも出展していましたが、やはり自動車関連のディスプレイ技術を展示。なおシャープ、HTC、Metaなどはベネチアンの向かいのWynnホテルの会議室ゾーンを借りて出展。ここもCES 2023のオフィシャルゾーンで、メタバース関連の企業がいくつかこのあたりに集まっていました。
メタバース・xR関係はHTCがVive XR Eliteを発表、シャープも軽量MRグラスの試作品を発表していましたね。でもそれ以外に目立った出展となると、LVCC中央ホールにはメタバースゾーンもあったのですが、あまり目立ってはいませんでした。メタバースはまだまだこれからで、コンシューマーレベルに落とし込めるものになっていないってことでしょう。
もう1つ目立っていたのがサステナビリティー。たとえばHTC Vive XR Eliteはパッケージに再生紙を使っていることも発表していました。製品とは関係ない部分でもそれを謳うってあたり、企業のモノづくりにその考え方が求められている時代になっているということです。
例年は黒モノ、白モノ、スマートフォンとあらゆる製品を並べるサムスンブースも、今年はサイズを半分にして(残りは絨毯を引いた空きスペース)、しかも入り口を入るとサステナビリティー。ブースの展示も生活シーンに応じてサムスンの製品がどうサポートするかといったもので、モノや技術ではなくスマートライフを展示。ちょっと期待外れでしたが、このサムスンの展示が今年のCES 2023の方向性を表していたのだと思います。
さて自分はスマートフォンと通信関連を特に重視して取材しました。記事はすでにいくつか公開されています。
ThinkPhoneはレノボブース(ベネチアンの会場のすぐそば、ベネチアンホテル内のレストラン)で見てきたのですが、写真や動画を撮っている間にも次々と記者がやってきて「ThinkPhoneはこれか」と、大人気。
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山根博士のスマホ取材の裏側
香港在住携帯電話研究家、山根康宏が記事に書けない取材の裏話やエピソード、香港生活のお話などを綴っていきます。基本更新は毎週2回(火・金)で…
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