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山根博士の「スマホ取材の裏側」2017/08/04(vol.17)

《目次》
[1]無料携帯が登場するインドが気になる
---そろそろ訪問したいところ
[2]セーラームーンスマートフォンが香港で販売
---定価より高値の10万円、在庫は豊富か
[3]新たなVSIMが香港で発売、AirSIMは癖あり
---ローミングSIM市場は活況
[4]東京→香港、台北乗り継ぎで1泊のミス
---制限エリアに留まれず空港で1夜を明かす
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[1]無料携帯が登場するインドが気になる
---そろそろ訪問したいところ

インドの振興キャリア、リライアンス・ジオの無料携帯電話配布のニュースを聞いてから、インド熱が高まっています。最後にインドへ行ったのは2011年のTelecom Indiaの取材でデリーへ訪問した時なので、もう5年以上も行っていません。当時はまだノキアの全盛時代。Androidも出て来てはいるもののまだ低価格品は品質はイマイチで、100ドル以下の地元メーカー品もあるもののノキアでSMSを使いコミュニケーションを取り合うという時代でした。

ここ数年展示会などでファーウェイのインドの人に会うと「みんなスマートフォン使っているよ」と、まあ当たり前と言えば当たり前のことを言われるのですが、カレーを指先で食べるインドの方々、スマートフォンの画面をタッチするようになって、食後はより念入りに指先を綺麗にするようになったのかなあなど、レストランに行って様子も見てみたいものです。なにせ2011年の思い出として今でも覚えているのは、デリーの地下鉄車内でスマートフォンの画面を一生懸命拭いていた人がいたことなのです。

一時は地場メーカー、マイクロマックスなどがシェア上位を占めていたインド市場も、今やサムスン、オッポ、シャオミ、ジオニー、ビボと、海外勢がシェアの半数を握っている状況になっています。各社低価格モデルも持っているだけに、豊富なラインナップがインドの消費者の目を惹きつけているのでしょう。これに対して地場メーカーはミッドレンジ以下からエントリーに特化して競合を避けているようですが、買い替え時にまた自社品を買ってもらえるかどうかが勝負のしどころ。

マイクロマックスのプレスリリースによると、4G/VoLTE対応の「Bharat 2」が50日間で50万台売れたとのこと。チップセットはスプレッドトラムのSC9832(クアッドコア1.3Ghz)、RAM512MB、ROM4GB、4インチWVGAディスプレイに200万画素カメラ。完全なるエントリー、いわゆるアフォーダブルプライスと呼ばれるレンジの製品で、3499ルピー(約6100円)。

但しこれが売れているのが都市部なのか、地方なのか、そのあたりが気になります。中国でもオッポやビボは地方に強く、都市部ではiPhoneばかりを見かけます。デリーの繁華街を歩き回って、どんなスマートフォンが使われているかをこの目で見たいわけでです。

リライアンス・ジオのが8月に予約を開始するJio Phoneは4GでVoLTE対応ということからベースはAndroidでしょう。1500ルピー(約2300円)のデポジットを3年後に返却とのことですが、この価格でもようやく端末を購入できる層を本気で狙っているのか、あるいは台湾のPHSのように「安ければもう1台」と2台め需要を狙っているのか。

台湾のPHSは価格だけで勝負したために失敗しましたが、リライアンス・ジオは半年で1億ユーザーを集めています。Jio Phoneの投入で「もう1台」ユーザーが1億人増えれば、153ルピーの基本料金が1億ユーザー、すなわち153億ルピーの収入となるわけです。中国同様、薄利多売で十分利益がでそうです。それに加えてECサイトとの連携を進めれば、低所得者以外にも利用者は広がるでしょう。

なおJio Phoneの製造はフォックスコンのインド工場、500万台/週を生産するとのことで、毎月2000万台=年間1億2000万台。恐らくJio Phone 2など後継機・派生モデルも出してくるでしょう。すでに2回線持ちユーザーが3回線めにJio Phoneを持つ、なんてことにもなるのかも。

インドではセルフィーも流行していて、各社の広告はセルフィー一色だそう。ということでインドの熱い状況をそろそろ見に行かねばと思うところ。早ければ来年早々か、、、ウラジオストックにも行ってみたいところですが、市場の面白さを考えるとインドが先ですね。

[2]セーラームーンスマートフォンが香港で販売
---定価より高値の10万円、在庫は豊富か

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