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活気の戻った香港、レストラン内食事は22時までOKに◆Vol.165

2月12日からの旧正月4連休も終わり、香港は新年気分で再び始動しています。2月16日には防疫措置が緩和され、2月18日からはレストラン内での食事可能時間が22時までとなりました。また同一テーブルでの食事も4人までOKに。それまでは店内飲食18時、テーブル2人まで。ただし公共施設での集団規制は2人までです(公園など含む)。

この帰省緩和と正月明けということもあり、香港の夜の街は活気がだいぶ戻って気ました。また同時にレストランに入るときはQRコードによる行動記録アプリ「LeaveHomeSafe」の利用も義務付けられました。

店に掲示してあるQRコードをスマートフォンのアプリで読み、出る時はアプリで退出を記録。2週間以内に訪れた場所で感染者がいたら(感染した場合、位置・場所情報がアプリで共有される)通知されるというもの。実際の使い方はケータイWatchに過去に書いたのでそちらをどうぞ。

アプリ使うの面倒とか、意味あるのかとか、個人データ抜かれているのではないかとか(位置記録などはアプリが2週間記録し、政府には通知されないということになっている)いろいろな声も出ているのですが、SARSを経験した自分からすると、これくらいのことをやらないと四六時中動き回っている香港の人たちの行動を後から確認することは無理でしょう。SARSの時のあの無力感からくる恐怖を思い出すと、これくらいやってくれないとむしろ安心できません。

このLeaveHomeSafeは11月からサービスを始めましたが、使っている香港人は皆無でした。お店に入るたびにQRコードを読むなんて面倒ですから。店を出る時は「Leave」を押し忘れても、あとで時間を指定して退出記録を残せるものの、習慣になっていなかったら翌日まで忘れているでしょうね。

しかし今ではレストラン側にアプリ利用が義務付けられたため、食事に行くと「QRコード読んでね」と言われます。ファーストフード店や茶餐店によってはテーブルごとにQRコードを貼り付けています。なおQRコードは政府のWEBサイト経由で店情報を入れるとすぐにダウンロードできるので、それほどのコストはかかりません。そして香港人も素直に従ってQRコードを読んでから店に入ります。

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この手のサービスが始まると「スマホ持っていない人はどうする」とどこかの国では騒ぎ立てるでしょうけどw、電池切れていることもあるだろうし、年配者は操作が面倒というのもあるので、名前と電話番号を紙に記録でもOK。「俺はアプリはいやだ」って人がたまにいるみたいですが、他人の使ったペンで紙に名前書くほうが嫌だな自分は。それに書くのもめんどうだし。

このあたりは、IDカード制度があり何かあるときの本人確認でIDカードを出している香港なので、「俺は自分を特定されたくない」と騒ぎ立てるようなこともおきません。

さて香港は外食の国で、香港映画を見ていても夕食は外で買ってきたものを自宅で食べる、なんてことが良く出てきます。「仕事終わったお母さんが夜は自宅で料理」なんて姿は皆無。フィリピン人メイドを雇っている家が大半ですから。自分は元々食事は無頓着だし、結婚するときに奥さんに料理を作ってほしいなんてこれっぽっちも思っていませんでした。なので香港のこの文化は自分にとてもあっています。

ということで多くのレストランはテイクアウトをやるのも昔から普通です。。レストラン内飲食が18時になった時も、18時以降営業禁止ではなく営業してもいいけどテイクアウトだけ、という状況だったわけ。なので香港の夕食時間、20時くらいになると結構お店の周りにテイクアウトをオーダーして持ち帰る人があふれていました。

でも今はFoodpandaなどデリバリーサービスもあるので自宅で注文する人も多く、結果として仕事が終わったら自宅に戻っちゃう人が多かったのです。なので20時くらいに繁華街に行っても人の数はまばら。シャオミの店も以前なら22時くらいまで人であふれていたのに、最近は数名しかいない、なんて感じだったのです。

しかし飲食が22時までOKになったことで、夜の繁華街は人の数がかなり増えました。お正月明けの週末はあちこちのレストランに行列ができていました。

外食文化ではない日本だと「夜=酒飲み」というイメージでしょうが、香港はお店の営業時間が22時が当たり前なので、23時くらいまでは普通にご飯を食べる時間です。

ひとまず18時すぎにお店の前を通ると店内で食事している人や外に並んでいる人がいて、それだけを見ても活気が戻ってきたなーと実感します。

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なお公共施設での2人規制、公共設備と交通機関のマスク義務は3月3日まで。感染者数が減れば3月4日以降に緩和される可能性があります。香港では規制開始や緩和が即日に近い速さで施行されますが、日々変わる状況に迅速に対応しています。

さて今回の規制緩和の前には、香港の一部地域でロックダウンが行われて大きな話題となりました。集団感染者が出たエリアやアパートを閉鎖し、居住者全員にPCR検査を受けさせるというもの。これはSARSの感染拡大の時に問題になりましたが、香港の古いアパートは下水管の構造上、ウィルスが拡散しやすいという可能性があります。集団で感染者が出たということは建物の構造上の問題に起因するかもしれないわけです。

自分もたまたま、2月2日に目の前でロックダウンが起こるシーンを目撃しました。思わずスマートフォンを使ってライブ配信しましたが、緊張感ありましたね。自分の家のすぐそば(露店街)です。

現在の香港は1日の感染者数が20名前後のようで、1月の50名前後から減っています。これが一けたになれば広東省やマカオへの渡航が解禁になりそう、そして香港に戻ってきてからの強制隔離も「ホテル3週間」から「自宅2週間」に緩和されるかもしれません。

まずは22時までのレストラン内飲食緩和で感染者が増えなければ、政府の対策が効果あるものであり、今後の感染者増加減少につながるなと期待しています。

今回はここまで。今回は全文無料です。以下に文章はありません。

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香港在住携帯電話研究家、山根康宏が記事に書けない取材の裏話やエピソード、香港生活のお話などを綴っていきます。基本更新は毎週2回(火・金)で…

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