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5Gだらけのアメリカの展示会でiPhone XS/XRの存在を忘れる

すっかり更新が遅れています。山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.68(2018年9月30日)、2週間開いてしまいました。
今回はIFA2018のあとのMWCA2018の取材ネタです。

[1]MWC Americas 2018取材---5Gで盛り上がる
[2]初めてのロサンゼルス滞在---スマホのお店は不調
[3]大西洋横断は今回もLCC---セブンイレブンピザとM&S助かる

仕事情報などは公式サイトからどうぞ:山根康宏のモバイルネタ

[1]MWC Americas 2018取材---5Gで盛り上がる

2018年9月12日から14日はロサンゼルスでMWC Amercias (MWCA)2018の取材でした。また11日はインテルがプライベートイベントを実施。MWCAはベライゾンの5G開始を前に5Gの話題で大いに盛り上がり、この週は世の中が5G中心の話題で動いていると錯覚してしまうほどでした。もっともMWCAの会場を出れば世の中の話題はiPhone XS/XR一色でしたけどね。

MWCAはCTIAとGSMAのコラボイベントですが、おととしまでの数年間はIFA+CTIAでした。家電のICT化を進めるヨーロッパの家電メーカーが出展するIFAと、モバイルをベースにサービスを広げるアメリカ企業を集めるCTIAとのコラボレーションは相乗効果を生むはずでした。しかし家電とIoTの融合は実は今年のIFA2018でようやく現実の姿が見えてきた状態。おととしまでのコラボは技術が追い付かず、空回りでした。

そして昨年からMWCAとなったわけですが、昨年のイベント内容は旧来のCTIA時代と変わらずぱっとしたものはありませんでした。ところが今年は一転して「5G先進国・アメリカ」を意識させるものとなり、見ごたえ十分だったのです。5Gのライブデモはもちろん、Massive MIMOなど5G技術の実展示は2月のMWC2018でも見られないものもありました。

私はゴルフは興味ないのですが、大石選手が優勝した先日のUSオープンで実はAT&Tとエリクソン、Fox Sportsが協業して5Gを使ったカメラからのライブ映像配信を行ったのです。MWCA会場ではエリクソンブースでその状況がデモされていました。

ネットワーク関連ではエリクソンの他にノキアも出店していましたがブースは会場の隅で、5Gインフラの中心はエリクソン、てな印象を受けました。なにせアメリカは今、中国のネットワーク機器に対しての安全性の懸念を示していることからファーウェイやZTE、大唐電信などおなじみの企業の展示がなかったのです。またクアルコムは5GよりIoT寄りの展示、インテルは会期前日に自社イベントをやり、エリクソンブースにネットワーク関連製品を展示するなど自社出展は行っていませんでした。

エリクソンは39GHzを使った実証デモや、LTEによる2Gbpsの高速通信や、NB-IoTやプライベートLTEソリューションなどを展示。5G対応のハードウェアの展示、さらにベライゾンブースと28GHzの電波を使ったホログラム通信など盛りだくさんの展示。来場者も最も多かったようです。

5Gは「高速・多接続・低遅延」が3つの特徴ですが、最近はそれと同時に「ネットワークスライシング」と「エッジコンピューティング」が必須技術として必ずセットで紹介されます。IoTのみならず動画配信などにスライシングはネットワークを効率的に利用でき、データ解析をクラウドではなくエッジで行うことでさらなる高レスポンスを図るわけです。そして処理の高速化・効率化のためそこにAIが加わるわけです。

端末があまり目立った展示がなかったのが残念でしたが、勉強を兼ねての取材としてはなかなかいいイベントでした。2019年は10月になるので日本からの取材陣も再び増えるかも。1日で回るのはぎりぎりですが、メジャーメーカーの取材だけならなんとか。とはいえ今回のように話を聞きまくっていると3日でも全然足りなくなりそう。

[2]初めてのロサンゼルス滞在---スマホのお店は不調

これだけアメリカに何度も行っているのに、実はロサンゼルスに泊まるのは今回が初めて。空港横のホテルに泊まったことは1回ありますが、街に滞在したことはなかったのです。そもそもロサンゼルスに用事があったことがなく、またアメリカに入る際も西海岸なら空いているサンフランシスコが好き。そしてロサンゼルスは車がないと何もできないと思っていたのです。

ところがダウンタウンを中心にそれなりに電車・地下鉄が走っていて、車が無くてもなんとかなりそうということがわかりました。そもそもMWCAが開催されるわけですから、コンベンションセンター付近の交通は悪くないはず。これが中東・ドーハのカタールなら車あって当たり前ですから、コンベンションセンターに行くのも一苦労でした。

とはいえロサンゼルスのダウンタウン周辺は調べてみるとあまりIT系のお店はありません。BestBuyもないし、携帯屋さんがあるイメージはゼロ。車を借りればBestBuyへ行けそうですがそこまでしていくほどでもありません。サンフランシスコならまだダウンタウンですべて済ませられますがロサンゼルスはだめ。ま、取材で行っているのでお店巡りする時間はほとんどないのですが、それでも街中を歩いていたら掘り出し物がみつかった、なんてことでもあったら楽しいのですけどね(サンフランシスコはそれがあった)。

さてロサンゼルスの空港からダウンタウンはFlyawayバスで10ドル弱。30分ちょいでつくので悪くありません。支払いはダウンタウンのUnion駅でカード払い。乗る時もここで払うという、アメリカらしい合理性(進んでいるというより無駄を省く)で楽ですね。そこから地下鉄に乗ってホテルへ数駅移動。ICカードは3ドル、あとは1回1.75ドルをチャージ。これもクレジットカードOKなのは当然。昼間なら電車も危険ではありません。

今回は9月10日にロサンジェルス到着。9月11日がインテルのイベント、9月12日からMWCA取材、14日の取材終了後そのまま空港へ、というスケジュールでした。11日はいったんUnion駅まで出てホテルへ。そのあとホテルのある7th Streetを中心に軽く探索してみましたが、キャリアのお店はいくつかあるものの中古店のような店は無し。ニューヨークと違い都会ではないため、やはり繁華街の規模は大きくありません。

お昼はインテルの方々とコリアタウンの韓国料理店へ。途中やばそうなエリアがあるなど、適当にふらつくのは危険。でも携帯関係の怪しそうなお店が車で移動中に見えたりと、ちょっと気になります。また昼食後は展示会場まで20分くらいかけて歩きましたが、街中はサンフランシスコ同様にあまりきれいではありません。車いすにすわったまま、そこから「体内の排出物(水)を前に放出する人」がいるなど(笑)、街のにおいはサンフランシスコと似たものがあります。アップルストアなどは海側のサクラメントへ行かねばならずで、モバイル関連の探索ができないのがやや不満。

ホテルのそばにはスーパーのターゲットなどが入っている小規模なショッピングモールがありました。併設のCSVで一通り食料は購入可能、フードコートもあるので会期中はインド料理を食べました。またターゲットの携帯電話売り場は端末がほとんどないものの、ショーケースの奥にアルカテルの合体式スマートフォン「PULSEMIX」のスピーカー付きモデルを発見。70ドルでしたが、いまになってなぜ買わなかったのか後悔。ってことで滞在中にちょっと興奮したのはそれを見つけた時くらいでした。

シェアサイクルもあり、地下鉄・バスとLACMTA経営のようで、同じMETROのロゴが付いていました。30分1.95ドルと交通機関と料金は同じ。クレジットカード払いなのでアプリは不要です。ただし一度借りたときパンクしていて、こぎながら体力を消耗してしまいました。借りる前にタイヤの状態は確認しておいたほうがいいですね。

観光らしいものは、ファーマーズマーケットへ行って食事したのみ。まあほかに近場で見るところはないでしょうね。若干アジアっぽい雰囲気なので悪くはないですが、夜は遅くまでやっていないので展示会の後に行くのは向いていないかも。

土地勘が多少つかめたので、来年のMWCA取材のときは泊まるホテルの場所を考えてもうちょっと滞在を楽しみたいと思います。まあ仕事でこもりっぱなしになるのは目に見えているのですが、電車や自転車で動けることがわかったのでそれだけでも収穫でした。行く前は毎日Lift呼ばなくちゃならないのかな、なんて思っていましたから。

なお帰りはコンベンションセンターから電車乗り継ぎ&無料バスで空港へ。これはいまいちでした。Union駅まで出て帰りもバスに乗ったほうが楽かも。電車が時間かかりすぎるのですよ。シャトルバスはすぐ来るし駅のすぐ下なので乗り間違えはないですけど。鉄道で接続されるようになったら、もうちょっと便利かな。

[3]大西洋横断は今回もLCC---セブンイレブンピザとM&S助かる

実は大西洋横断チケットを1か月前に調べていたところ、ユナイテッドで5万円前後という格安運賃が出ていたのです。マイルもつくしラウンジも使える。これをとっとと買っておけばよかったのに、ぼやぼやしていたらいきなり消滅してしまいました。来年からは見つけたら即押さえないとなあ。

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