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山根博士の「スマホ取材の裏側」2017/08/18(vol.19)

《目次》
[1]ASUS ZenFone 4発表会
---妥当に進化するもイノベーションの欠如
[2]ガジェットフリマでWeChatPayで支払いを受けてみた
---お金の受け取りが楽々簡単
[3]釜山の駅と空港で執筆作業
---電源とWi-Fiのある国は最強
[4]IFA2017のスケジュールを調整中
---ニューヨークとMWCAも今年は絡む
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[1]ASUS ZenFone 4発表会
---妥当に進化するもイノベーションの欠如

8月17日はASUSのZenFone 4シリーズの発表会で台湾へ行ってきました。前日にもNDAベースの取材があったため、2日間の滞在。15日の深夜に到着してホテル入り、17日は発表会終了後に石川温氏のニコ生にゲスト出演してから空港へ向かい朝まで夜更し。18日の早朝に香港に戻ってきました。

ZenFone 4は事前情報からカメラを強化したモデルであることはわかっていましたが、まさか5機種が登場するとは思いませんでした。このうちZenFone 4と4 Proがリアカメラデュアルで強化、ZenFone 4 Selfieと4 Selfie Proがフロントデュアル。なおバッテリーを大容量化し省電力にも優れたZenFone 4 Max Proも発表されましたが、発表会では製品についての詳細説明は無し。

ZenFone 4はワイド+標準、ZenFone 4 Proは標準+望遠というカメラ構成。特に暗所での撮影を強化していますが、いわゆる光学「ズーム」という点では目新しさは無し。しばらく併売されるZenFone 3 Zoom / ZenFone Zoom Sの価格が下がれば、そちらも選択肢として悪くないかもしれません。

懸念を感じたのはZenFone 4のワイドが一般消費者にはわかりにくいかもしれない点。カメラを起動すると標準レンズで、画面タッチでワイドに切り替わります。でもワイドに切り替えるって発想を消費者が思いつくかどうか。画角に入らなければそのまま諦めてしまうのが一般的ではないでしょうか。また拡大しようとしてズームにするとデジタルなので画質が落ちてしまいます。カメラの画面にわかりやすく標準とワイドの切り替えを表示したほうがいいように思います。

結局はZenFone 4 Proが3つのカメラでワイド+標準+望遠、という組み合わせにすべきだったのではないかと思うわけです。但しSnapdragonもHelioもまだデュアルカメラしかコントロールできなかったような。でもVivoがトライカメラを開発中としていますから、3つの焦点距離のレンズの組み合わせはいずれ各社が手掛けるのかも。

そのZenFone 4 Proは、せっかくZenFone 4の背面がフラットになったのに対し、カメラ部分はでっぱりがあります。しかしどうせならがんばってこの2モデルはどちらもフラット、という仕上げにしてほしかった。またZenFone 4との質感の差があまり感じられません。対抗はOPPOのR11あたりなのでしょうが、もう少し上のプレミア感のようなものが欲しいところ。価格も599ドルしますから、質感も高めてほしいものです。

そして悩ましいのがSelfieの2モデル。なぜ2つも出したのか、これまた疑問です。おそらく新興国はZenFone 4 Selfie、先進国はZenFone 4 Selfie Proと出しわけるのでしょう。価格は279ドル、375ドル。Selfieはもう少しがんばって下げてほしいし、Selfie Proはビューティーモードの仕上げ具合が気になります。2400万画素DuoPixel(1200万画素x2)という高画質であっても、顔加工がダメでは元も子もありません。

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