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謎のQERTYキーボードスマホを見てカプセルホテルに泊まるためスイスに行った

MWCが終わった後は取材を1件いれていました。Punkt.というデザイン電子機器メーカーの幻のスマートフォンを見に行ってきたのです。Punkt.のプロダクトデザイナーはJasper Morrison氏、深澤直人氏とも親交の深い方です。携帯電話はフィーチャーフォンの「MP01」「MP02」を投入し、MP02はLTE対応であることから日本でも販売されました。

そのPunkt.が次のコミュニケーション端末として開発していたのがQWERTYキーボードを搭載したスマートフォンの「MC01」。結局発売には至りませんでしたが、モックアップを触ることができるっていうのでPunkt.の本社のあるスイスまで行ってきました。

スイスはアルプス山脈の麓に各都市があり、ジュネーブはフランスの隣、バーゼルはドイツとフランスの国境エリアに面しています。Punkt.のあるルガーノはというとイタリア国境からすぐ。なのでチューリッヒよりもミラノのほうが近いという場所です。そこでバルセロナからミラノに飛ぶことに。ミラノからは直通電車でルガーノへ行けます。

ミラノ・マルペンサ空港の鉄道駅からルガーノへはS50の近郊電車が1時間に1本の割合で出ています。9:25に到着して10:19の電車がギリギリかなと思い、スイス国鉄のアプリで11:19を買ったのですが、余裕で10:19に間に合いました。なおチケットはその日有効だったかな。所要時間は約90分。運賃は18ユーロくらいで、1等が23ユーロ(くらい)。この差なら確実に空いてる1等車にしましたが、電源もあってよかった。

さて人生初ルガーノですが、駅のだいぶ手前あたりからは車窓に湖が広がりいい雰囲気。バルセロナは「街」でしたがこちらは「避暑地」という感じ。今はオフシーズンってこともあり観光客はあまり多く内容ですが、それでも駅を降りると結構な人がいました。駅は高台にありますが湖畔までケーブルカーもあり(1ユーロ台)気軽に上り下りもできます。駅からの湖の眺めも絶景で、訪問日はもやがかかっていて湖面は見えなかったものの解放感がありとても気持ちいものでした。

お昼過ぎに到着したので、せっかくなので湖畔を散歩。1週間くらい滞在してのんびりしたいなあ。

空気もいいし水も綺麗。人もそれほど多く無い。一方でデザインとモノづくりの都市、ミラノには90分で行ける。こんな街にPunkt.の本社があるわけで、そりゃいい製品が作れるはずだよな、なんて思いました。以前初めてフィンランドに行った時が冬で、厳しい気候を体験してノキアの携帯電話、スマートフォンのユーザーインターフェースがどうやって生まれたのかを肌で理解したことがあります。Jasper Morrison氏とルガーノの地の組み合わせがPunkt.の製品を生み出してきたわけです。

見せていただいたMC01はモックアップですが、モックアップの出来もとてもよくキーボードもしっかりとした押し心地。このまま市場に出してほしいと強く思いました。自分は投資とか仮想通貨はやりませんが、1億円で製品化できるなら仮想通貨で一山あてるか!と思いたくなるほど美しい出来え。そしてこれがもし製品化されていたら今でも常用していただろうなあとも思います。

1時間近くじっくりと触らせていただいた後は、イタリアが近いってことでイタリアご飯=ピザ屋さんへ。ピザの種類が豊富で、せっかくならとカルツォーネに。大満足。

ルガーノは初めてでしたがここに滞在すればMWCの取材の疲れもとれるだろうなと思います。しかしこの日の夜はルガーノではなくチューリッヒ空港の宿へ。ルガーノで一番安い宿は100スイスフラン(=約100ユーロ)、約1万5000円がありましたが、チューリッヒ空港にはカプセルホテルがあって60スイスフラン、約1万円。しかも空港宿泊なら翌朝のロンドンへの移動も楽です。

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