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Clubuhouseで一人飲茶をオススメされた◆Vol.163

【今回の話は全文無料です】

最近はやりのClubhouse。自分の場合はたまーにどこかに参加するくらいで積極的に使ってはいません。というのも知り合いなどのRoomにはいっちゃうと呼ばれて雑談を始めちゃうので、あっという間に1時間くらい過ぎてしまうんですよね。ここ最近は仕事が忙しいので「軽く参加」しにくく、今のところ週に数時間くらいさんかするくらいです。

Clubhousの使い方は人それぞれですが、「ごはんに迷ったら聞くといいよ」と言われたので、先日本当に何を食べるか悩んでいたので質問してみました。もちろんRoomの大半の人が知り合いの部屋で、です。いきなり知らない人ばかりのRoomで手を挙げて「ごはん、なにがいいでしょう?」なんて聞くのは変ですからね。

そもそも自分は食に無頓着なので、香港にいても日々適当な物ばかり食べています。自分の住んでいる深水歩には有名なお店(高いお店じゃなくローカル)もたくさんありますから、それをはしごするだけでもいろいろなネタになります。でもとにかく一人で食べるときって「生きるために食べれればいいや」ってくらい食のことを考えないのですよ。そもそも食べる時間が勿体ないと思ってしまうのです。その時間を他のことに費やしたいわけです。

友人などとの食事は「一緒に話をする」時間なので有意義だと思いますし、それで時間が勿体ない、と思うことはありません。しかし一人での食事は「できれば時間をゼロにしたい」と思うくらい、何も考えていないのです。

とはいえおいしいご飯を食べれば幸せですし楽しい時間になります。ただ、そのためにお店を調べたり、遠くまで出かけるって気力がわかないのです。これが中古のスマートフォン屋さんならバスに乗って遠くまで(例えば香港島の湾仔まで)でかけたり、あるいはレア品が売っているお店をネットで検索したりするのですが、、、ま、それだけ自分の興味の対象に「食」が入っていないってことなのでしょう。

最近は我が家の裏手側にある大規模マンション(香港だとどこも「アパート」って呼ぶんですが)、Metro Habour View Plazaのショッピングモールにある茶餐店などのお店に行くようにして、食事する場所も新規開拓しています。でも香港は今、18時以降レストラン内での飲食は禁止。仕事しているとだいたい終わるのが17:30くらい。それから出かけるとギリギリ間に合わず、そうなると夜は「テキトーに買って食べる」になっちゃうわけ。テキトーはどんなものかはさておき、あまりおいしくないものだったりとかで、どんどん食が面倒になっちゃうという悪循環が続いていました。

さて、そんなこんなで2月上旬のある日、お昼過ぎに大きな仕事が終わったので、遅めの昼食(兼朝食)を取ろうと思いました。普段なら部屋で一休みしてから続けて仕事をするのですが、この日は午後&夜は予定を入れていなかったのです。ならば出かけて何か食べよう、、、でも、、、あれ、何を食べていいかわからないな、となったわけです。

そこでClubhouseへ。1月末から続いている「チル部屋」というのがあり、これが日本でどうやら一番長く続いているRoomのせいか、Clubhouseに入ったらここが真っ先に出てくる、という不思議な状況になっていますが、そもそもはITジャーナリストの富永彩乃氏( @ayantdo )がとある雑談で始めた部屋。なので意識高いとか何かしようとかじゃなく、雑談する場所なんです。いまや参加者も多くて私の知らない人ばかりですが、時間によっては参加者のほとんどが知り合いなので気軽に雑談できます。

ということでその日は参加して軽く挨拶してから「お昼何食べたらいいですかね?」と質問。まあここは香港なので、リアルな知り合いかつ香港に来たことのある人以外は答えにくいのですけどね、、、でもすぐに富永氏とiPhoneカード入れ付きケースのRAKUNIの社長、東智美氏( @pichikyo )から「飲茶なんていいんじゃないの?」と。飲茶ね、、、いやー思い浮かばなかったけど名案!

香港に住んでいますから飲茶はよくします。でも普段は友人や(しばらくないけど)日本などから来た来客と一緒。つまり数名でわいわい話しながら点心をつまむわけです。なので飲茶って誰かと一緒に行くものっていう固定観念が頭の中にずーっと出来上がっていました。

でも飲茶って1人でも行けるんですよ。朝からやっているお店もあるし、さくっと3品くらいたべて朝ごはん、なんてのもあり。そして実は自分だって香港に慣れてきたころ、駐在員のころはよく一人飲茶をしていたんです。

香港に来たのは1998年。しばらくは生活になかなか慣れず大変でしたが、半年もすればだんだんと勇気もでてきて一人でいろいろとやるようになりました。一人飲茶もそのころ覚えたもの。そもそもは毎週末、当時の香港事務所の総経理が、自分が家族もなく一人で香港に来ていることを不憫に思い、よく飲茶に誘ってくれていたんです。その時飲茶屋に行くとおじさんとかが一人でまったりと新聞読みながら飲茶をしているわけです。日曜日だとそのあとから家族がわーっとやってきて全員で飲茶、なんてことになります。

とまあそのように「一人で午前中飲茶する」のが当たり前とわかれば試そうじゃないか、ってことで、当時住んでいた太古城のショッピングモールのレストランに土曜日の朝9時くらいに一人で行くことが多かったんです。手には香港のその日の朝刊と日本の新聞(これは会社で取っていたもので、前日までのものを2-3部)。この土曜の午前中に普洱茶(広東語は「ぽうれいちゃ」)を飲みつつ点心と菜心をつまむ、というのが意外と心地よく、そんな週末を過ごしているうちに「香港にいるんだから、香港の生活スタイルにしたほうが身体にもあうなあ」と思うようになっていったのでした。

ちなみに自分は駐在員でしたから、給料のほかに駐在員手当をもらいます。これは「日本と変わらない生活を送るための追加費用」なわけ。日本の米や食材を買い、日本食レストランに行く、そのためのもの。「海外行くんだから甘えるな」とかいう意見がでるかもしれませんが、会社の命令で仕事をしに行くのですから、甘え以前にこれは「業務命令」。自分の意志や遊びにいくわけじゃありません。そして食事をまともにできず仕事に支障がでたら現地にいる意味がありません。ということで日本と変わらぬ生活を海外でも送れるようにというのが駐在員手当というわけです。

駐在員手当は会社によって規則はまちまちでしょうけど、自分の場合は先に書いたように「飲茶生活もいいな」と、平日も週末も香港式のごはんを食べるようになっていきましたから、すぐに給料だけで生活でき、駐在員手当はまるまる使わなくなっていきました。また駐在員中に結婚しましたが、奥さんは韓国人で香港には自分よりずーっと長くいるので彼女も「韓国レストランで韓国料理」という人ではありません。さらに自分は飲まない・打たない・買わないなのでw、夜もお金を使うこと無し。ちなみに日本の居酒屋もありますが20年前でも1回1万円くらい、日本人クラブとかだと3-4万円くらいかかったかなあと(こっちはよく知らないw)

ということで自分が会社を辞めて独立できたのも、駐在員手当がたまってある程度の貯金があったというのも大きな後押しになりました。お金なかったら会社辞めるなんて(しかも駐在先の海外で)できなかっただろうなあ。

ちなみに「駐在員って楽でいいよね」とか言われることがありますが、好きでもないのに海外に赴任してきた人には苦痛でしょうね。自分は幸いにして香港に慣れましたが、海外に住むのって楽じゃないですよw ま、最近の日本はかなりおかしな国になってきているので日本も大変だなって、日本に行くたびに思ますが。

まあそんなわけで、週末に優雅に一人飲茶をするような生活は結婚するまででしたが、会社を辞めた後は夫婦で生活していたこともあってか一人飲茶なんてずーっとやっていませんでした。奥さんと飲茶はたまにしましたけどね。なので10年以上も「一人で飲茶をしにいく」っていう概念が頭の中から抜け去っていたわけです。

Clubhouseで「飲茶は?」そして「腸粉がいい」ってことで近所の飲茶屋「粵廚點心專門店」へ行ってみました。時間は15時くらい。この時間にそもそも飲茶しにいくってことがないのと、このお店は昼や夕方は混んでいるので「一人で行く」っていう考えも全くありませんでした。ちなみに香港に何店舗かあるチェーン店です。

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ここは友人と何回かきたことがあるので慣れたものです。店内は半分くらいしか席が埋まっておらず、悠々と座ることができました。普洱茶を頼んでから、朝ごはんも食べていなかったので野菜も含めて4品オーダー。もちろん腸粉も。5分くらい待ってその腸粉が真っ先に来たので待ちきれず一口食べちゃいました。

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さらに数分ですべてがそろいました。一人飲茶は本当に久しぶりでしたが、時間的にお客さんが後から入ってくることもなく、新聞じゃなくスマートフォンでしたがニュースをみたりとのんびり食事。いいものです。

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これでHK$84=1100円。まあ1人の昼食にしては高いものの(観光なら安いんでしょうけど)、たまにはいいでしょう。朝食抜きでしたしね。

これに味を占めてまた一人飲茶をしようと思っていますが、あっという間に旧正月になってしまったので次回は2月の下旬かなと。深水歩の街を歩いていると、他にも軽い飲茶屋があったので今度はそっちに行ってみようかなとも思います。

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今回のお話は以上です。以下に文章はありません。

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