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5Gスマホ14機種を見た!MWC19は5Gづくし: 山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.81

【携帯電話研究家・山根康宏の業界ネタと取材記録】
公式サイト:山根康宏のモバイルネタ
2019年3月17日更新

[1]5Gスマホ14機種を見た!MWC19は5Gづくし
[2]マドリードでカラマリサンド
[3]Galaxy S10販売初日にソウル訪問

[1]今年のMWC19は5Gづくし

気が付けばMWC19 Barcelonaが終わって2週間以上が過ぎました。毎年のことですが、MWCは「気が付いたら終わっていた」くらい充実した取材ができるので、その前後も含めると2週間くらいが一瞬で過ぎていきます。今年は原稿もかなり多くかけたのでアウトプットもよくできたほうでした。とはいえマイナー端末ネタや5Gモデムネタなどまだ書けていないものもあるのでこれから追々だしていきます。飛び出すカメラのネタもまとめないとなあ。

さて今年のMWC19は5Gの話題ばかりだったのも特徴。しかも端末も基地局もアンテナも実機が並んでいるし電波も飛んでいる、ってことで5Gの商用化開始直前の雰囲気を味わうことができました。中でもインフラ系の展示も5Gが中心。そしてブースには5Gスマートフォンやルーターが並び実際に電波を受けていました。手持ちに5G端末があったらネットワーク検索をして楽しみたい、そう思ったものです。

とはいえ5Gのサービスはまだ具体例があまりデモされず、LGブースのLG U+ががんばっていたくらい。キャリアブースではIoTがらみの展示のほうが目立っていて、コンシューマー向けサービスはこれから徐々にというところのよう。まあネットワークにお金かけるだけでは5Gの普及は難しく、5Gならではのコンテンツは当然リッチになるからお金もかかります。そこをどうペイしていくかが5G普及のステップとして重要になりそう。LG U+の2画面ストリーミング放送はカメラ16台が必要など、TV局側もコスト負担が必要になります。

このような状況だったので「5Gというわりには具体性に欠ける」という感想も聞かれます。でも実際に動くネットワークと端末が出てきたことだけでも新しいアプリケーションを考えさせてくれるものだと感じました。テレフォニカブースでは4Kカメラを5Gスマートフォンにつなぎ(Galaxy S10 5G。つまりスマートフォンはルーター代わり)その場でライブ配信をやっていましたが、実際に遅延がほとんどない放送を目の当たりにすると「5Gやっぱりすごいな」と実感できるわけです。

通信キャリアとしてはコンシューマー層の4Gから5Gへの乗り換えは当然もくろみますが、むしろ産業方面への展開で新たな収益を得たいと考えています。工場への5Gの展開は一時的にコストがかかるものの、人件費節約になる省力化が実現できます。ただし今はまだ回線を含めた総合的なソリューションを出せるところが少ないため、工場や倉庫への展開も本格化するのはあと2年後くらいからでしょう。

ちなみにドイツテレコムブースではIoTの総合ソリューションを展示。なんとIoT機器向けのバッテリー(電池ですよ)も用途に応じて複数のものを提案するとのこと。「LPWAなら10年間電池交換不要」とよく言われますが、設置するセンサーや場所ごとにバッテリーも最適なものがあるわけです。

てなことで情報収集や勉強も兼ね、出展していた大手キャリアは一通りまわって話を聞いてきました。

端末の展示はスペックがある程度わかるのでそれほど話を聞かなくてもよく、とはいえ実際の使い勝手などは実機を触らなくてはなりませんから、各ブースでじっくり触ってきました。今回は5G端末もかなり見ることができました。実物に触ることができたのは9機種(アルカテルは動きませんが)。

・Samsung Galaxy S10+
・LG V50 ThinQ
・ZTE Axon 10 Pro
・Xiaomi Mi MiX 3 5G
・Nuiba Mini 5G
・OPPO 試作モデル
・OnePlus 試作モデル
・Sony 試作モデル
・Alcatel A7(2019)(モック)

そしてショーケースに展示されていたのは、

・Huawei Mate X
・Orange自社ブランドモデル
・Hisense 試作モデル
・Konka 試作モデル(モック)
・Energizer Power Max P8100S

実に5Gスマートフォンだけで14モデルも見つけられたのです。これまではクアルコムのリファレンスモデル程度しか実働する製品も見られなかったので、MWC19は「5Gスマートフォンも豊作」と言えるわけ。なお5Gルーターもアスキーに記事を書きましたが4機種発見と、5G端末は当たり前のような存在だったわけ。こうなると6月のMWC Shanghaiや10月のMWC Americasはもっと5G端末の展示がありそうです。

[2]マドリードでカラマリサンド

MWC19 Barcelonaは2月22日にバルセロナ入りし、3月1日まで滞在しました。初日の夜はホテルでしたが翌日からは毎年同じアパート(Airbnb)へ。アスキーライター陣の宿への居候で、MWC19の記事はほぼアスキーへ執筆(Engadgetにも数本)。朝食は毎朝ライターの中山氏が作ってくれるものの、今年は朝から忙しく食べる日が少なかったのがちょっと残念。なお宿の付近はカフェやらマクドナルドもあるので気分転換に外で執筆もできるのですが、2年前にマクドナルドでGalaxy Note Edgeを盗まれてからは夜に出先で仕事は避けています。

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