山内志朗『小さな倫理学入門』より

「欲望こそ、悪に傾斜していく発条であるとしても、同時に道徳性、社会性の基礎でもあるのです。欲望がなくなればもう倫理的にはなりえません。欲望をなくすのではなく、黒部ダムのようにため込んで制御し、創造的に使用することが「道」ですし、これこそ禁欲なのだと思います。欲望を失った倫理学はミイラのようなものです。」

山内志朗『小さな倫理学入門』慶應義塾大学出版会、2015年、13〜14ページ。

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