見出し画像

ほくとの部屋 第5回 赤単ペインター回 前編

0.イントロ

みなさんこんにちは
ほくとの部屋の神原北斗です。

この企画は関西版のぶおの部屋ということで、レガシーの各アーキタイプに関して関西圏のプレイヤーの中から達人をお呼びして、デッキについて掘り下げるというものです。

基本的にKMC(月1で開催されている関西最大規模のレガシー草の根大会)直後にインタビューをおこなっています。

1.ゲスト紹介

前回の予告

関西レガシーきっての赤単の使い手


ー今回は第5回目赤単ペインター回ということで、ゲストとして小平 昇太さんをお呼びしました

小平 昇太さん

ー小平さんはKMCに初期からいる古豪で歴戦の先輩です

ー関西きっての赤単の使い手で、現在赤単ペインターを使っているとのこと

ーさっそくお話を伺ってみましょう

1.1つかっている期間と理由

小平「初めて使ったときの話であれば、2013年くらいですね」

ー10年前くらいなんですね!

ーそれから使い続けている??

小平「いや、もともとレガシーというフォーマットの中で、赤単色だったり赤が濃いデッキ、あとは古の墳墓をつかったデッキをずっと使いづけている中で、一つ派生形として使ってみようと思ったのが10年前という感じです」

小平「そこから度々使っていて現環境でも使用しています」

ー丸砥石は1マナじゃないですか、チャリスが使えなくなると思うんです。なぜチャリスを使わずにペインターなのでしょう?

小平「まず一つとして、なぜチャリスを使うのかと言う話になるんですけど、もともとレガシー環境で理不尽は動きをとがめる方法が2種類あります」

小平「一つが意志の力に代表されるピッチカウンターで出鼻をくじくこと、もう一つが虚空の杯みたいにそもそも1マナを否定する動きのどちらか、このどちらかをとらなければいけない状態だったんです」


ーなるほど

小平「それに対して昨今の環境は、1マナのスペルのやり取りではなくもう少し重いマナ域で、タップアウトしてくる環境のイメージがすごい強いです

ーミッドレンジ同士でお互いタップアウトしていく環境になっているわけですね

小平「そうです。それで虚空の杯を使うというのは、それを置ければ環境の大半のデッキの動きを封じれるからそれを使うのであって、もしそれができないなら、使う価値がないんですよね」

ーうんうん

小平「具体的に今の環境でいうのであれば、昔はデルバー相手にチャリスはすごく強いカードだったんですね」

小平「おおむね1マナしかスペルが入っていないので置ければ勝てたんですけど、今ってどこまでいっても虚空の杯一枚置いたとしても、
てきとうにスペル連打されて出てきた濁浪の執政に殺されて終わりなんです」

ー確かに濁浪で逆転はありえますね!

小平「コンボデッキとかも、けっこうレンジが後ろに伸びてしまっているせいで、虚空の杯1枚置いたとしても勝てない試合がものすごく増えているんです」

小平「リアニメイトとかも結局今どういう動きが主流になるかと言われたら、こちらは先手とってチャリスを置かなければいけないんですけれど、それをやると相手はネタがわかってくるとナチュラルディスカードしてくるんです」

ーその通りですねw

小平「で、相手のキープ基準で、土地とペタルをもってナチュラルディスカードして次のターンに動いてきたら虚空の杯は存在を無視されているんですよね」

ーすいません(笑)

小平「実物提示教育とかもそうですし、結局1マナのスペル封じたところで試合に勝てるかというと、今勝てないんです」

小平「だったらもう使う価値なくないってなって、いったん赤単のデッキの中でもチャリスから離れてみようとなったんですよね」

ーなるほどそういうわけだったんですね

虚空の杯x=1で封殺できる環境ではなくなり各デッキがミッドレンジにシフトしていったため赤単デッキの中でも虚空の杯をやめてペインターを使用!!

2.デッキの動き


小平「現在ペインターというとペインターグラインドストーンのセットを指していて、丸砥石と絵描きの召使いのコンボデッキです」

小平「絵描きの召使いは出る際にすべての領域にあるカードの色が指定した色になるので、丸砥石を起動して、相手のライブラリーを全部吹き飛ばして勝つことができます」

小平「それをコンボとして内蔵しているコントロールに近いデッキになりますね」

ーコントロールということはつまり積極的にコンボは決めに行かない?

小平「そうですね。盤面をウルザの物語や鏡割りの寓話で対処をさせつつ、除去をゴブリンの溶接工やゴブリンの技師でかわしていきながら相手の一番嫌がるタイミングで、コンボをいかに決めるかを考えるということになります」

ー欠片の双子デッキみたいですね??

小平「感覚としてはある意味近いですね」

盤面をウルザの物語や鏡割りの寓話で対処しつつ、除去をゴブリンの溶接工やゴブリンの技師でかわしていきながら相手の一番嫌がるタイミングで、コンボを決めにかかるコンボコントロールデッキ!!

青単ペインターとの違い

ーコンボパーツ以外で必須パーツはありますか?

小平「正直に言いますとないです!」

ーない??

小平「ないからこそ青単ペインターができたと思っています」

ー8castにペインターを足した形になっているデッキですね?

小平「入れた形になっていますね」

小平「そもそもコンボパーツ2枚がアーティファクトで、どの色でもできるので、これがなければというのはなくて、そろえるためにどういうアプローチをするかの違いで赤と青が生まれたという認識です」

ーなるほど、それでは赤のアプローチはどういったものなのでしょうか?

小平「はい。やっぱりレガシー環境で青というカラーリングが頭一つ抜けて強いんです」

ーたしかに

小平「そこに対して、メインボードから、紅蓮破や赤霊破を入れることを絵描きの召使いが許容している」

ーうんうん

小平「なおかつ環境除去の中に、剣を鍬にや虹色の終焉といった追放除去のように再利用のしにくい除去がある中で、ゴブリンの溶接工やゴブリンの技師で墓地と盤面を追放されない状態で行き来することで、中長期戦を戦えるように作られている、それが赤単の強みです」

ーなるほど中長期戦を意識しているんですね。その場合新たな勝ち筋としてウルザの物語が入ったのは大きいでしょうか?

小平「そうですね、昔だったらペインターはどこまでいってもランデスデッキだったんですよね」

ーらんです??

小平「一番最初のときのペインターって、血染めの月がガン積みで紅蓮破や赤霊破も4枚ずつ入っていたんですよ」

ーそんな入ってたんだ!

小平「人の土地を全部縛り付けて、基本地形だけなんとしてでも絵描きの召使いからの紅蓮破や赤霊破で破壊して詰まっている間に、コンボを強引に決めにかかる、昔はそういうデッキでした、一時雪崩乗りも入っていたくらいです」

ーなるほど面白い

小平「ただそれだと周りのパワーが上がると限界もあるし、ウルザの物語は
デッキ構造上あっているカードなので、自分がプリズン戦略を捨ててでも取る価値のあるカードという感じです」

ー3章で丸砥石をとってこれるのがかみ合っている?

小平「それもそうですし、アーティファクトが多いデッキなので、8castのように中身ほぼアーティファクトみたいな極端なデッキを除けば、だいたいトークンのサイズで殴り勝てるんですよ、やってることがだいたいタルモなんです」

2体分出る

ーなるほど、青い環境で赤ブラがメインで使えるのも大きい?

小平「そうですね、これやってて思うんですけど、強いときは強いんですが、弱い時ものすごい弱いカードなんですね」

ーあーわかります

小平「それを6枚ないし7枚積んでいるというのは、ある種デッキの特殊性ではありますよね、いびつさの象徴ですし」

ーいびつさw

小平「そういうのを緩和してくれるという意味で、個人的にはウルザの物語より鏡割りの寓話の方が存在が大きいんですよね

ーそっちなんですね!

小平「ブレストや思案がないデッキなので、今の自分の手札で戦っていくしかないんですけど、手札に来てしまったいらないカードを変換できるかどうかでものすごく違ってくる、なおかつ墓地に落とすというのと釣り上げるという2回の挙動を経る都合上、墓地に落とせるカードは多いほうがいいんですよ」

小平「そしてトークンを出せる。トークンから出た宝物はアーティファクトでもあるし、マナベースの不安も解消できるしウェルダー等の入れ替えの種にもなる、第3章にいたってはそれだけで勝つこともできる」

ー確かに強そうです

小平「ウルザの物語は単品で強いんですけど、どうしても不毛の大地はレガシー環境を定義している1枚で、それに弱いものよりかは鏡割りの寓話、一枚で勝つ頻度どちらが高いかと言われれば後者だと思っています」

ーなるほど!

小平「鏡割りの寓話は基本的にどのデッキに対しても強いんです、」

ーペインターコンボを対策したら寓話二枚でてきてコピーしていって負けてしまうとかもあるので、

小平「ありますね」

8castではウルザの物語が一番強いカードだったのと対照的に赤単ペインターでは鏡割りの寓話が最強カード。
赤単独自の赤ブラ等のスペルは強さのムラが大きいが最悪鏡割りの寓話でルーティングできる。
白相手にゴブリンの溶接工やゴブリンの技師によって中長期戦を戦えるのも赤にしかないポイント!!

コンボに全つっぱするのは微妙

ー帝国の帳簿兵は最近みないのですが、どこに行ったんでしょう?

小平「ええと要らないです。」

ーw

小平「いらないです、リクルーターで探してくるカードが主に絵描きの召使いなので、だったらゴブリンの技師でやってること足りてますよね」

小平「あとは月の大魔術師とかもありますけど、今だったらウルザの物語の方が強いですし、同じ3マナ圏としてみても鏡割りの寓話の方がつよいんですよね」

ー積極的にコンボは決めに行かないとあったのですが、丸砥石が4投じゃないくて2なのもそれに関係してきますか?

小平「一つはウルザの物語でサーチできるようになったから、もう一つの理由は単純にこれ単体だと何にもつよくないんですよ」

ーそうですね

小平「唯一強いと思えるのが、ゴブリンの溶接工がアクティブな状態で自分に向けて起動するときだけなんですよ」

ー対象自分??

小平「対象自分であれば落ちたカードを優先権を渡さずに溶接工で釣り上げることができるんですよね」

ーはいはいはい

小平「だから例えば消耗戦の末盤面に溶接工しかいなくて、丸砥石がアクティブになっている状態というのは、エンドに対象自分で起動することの方が圧倒的に多いんですよ」

ーへー、知らなかったです!

小平「根本的に落ちちゃいけないカードが鏡割りの寓話くらいしかないんですよね、例えば墓地にケイオスディファイラー、であったりブレイヤの見習いとかが落ちると、それを釣り上げたらマウントがとれるんです」

小平「相手のライブラリー狙ってもいいんですけど、悪化することがあるんですよね」

ーレガシーだと多いですね

小平「丸砥石自身を強く使おうとするとコンボ全振りしたいといけないんですけど、今の環境でそれをやろうとすると、自分より早いコンボがあまりに多いので、その動きを許容されていないんですよね

小平「それで、最速の動きで決めようと思って丸砥石を増やすのは、あまりにも脆弱すぎるので、基本はミッドレンジ、ボードコントロールしながら必要なときにゴブリンの技師でサーチして釣り上げにかかるという動きが強いです。2枚というのは単純にあまり引きたくないからこの枚数と言う感じです。」

ー1枚だと確かに追放されたら嫌な感じがしますね

小平「そうですね、カーンがいたら違う理由もつけれるんですけど。
ただあのカード何回使っても好きになれなくて。」

ー使いにくい理由とかあるんですか?

小平「あれ置いてから勝つまでに時間がかかるというのと、どこまでいっても強い相手と弱い相手がはっきりしているカードなので」

小平「個人的にしばらくペインター回してた感想なんですけど、カーンがクリティカルに効く相手はウルザの物語と鏡割りの寓話でだいたい勝てるんです」
ーフェアデッキ全般??

小平「そうですね、そういったデッキは手札をなるべく消費せずに圧をかけていくようにすれば勝手に相手が動いてくれるので、そこをこちらがかぶせるように動いていけばだいたい勝てるなって」

小平「サイド後のサージカルでコンボ全部抜かれたときの保険としてのカーンであったり、中速以降のデッキに対して塗膜だったりマイコシンスだったりを使えるという強みはわかるんですけど、4マナ払ってまでやることか疑問なのと」


ーはいはい

小平「デッキ的にウルザの物語古の墳墓という、相手からしたら不毛の大地をきるべきくくりの土地が2種類あると、ストレートに4マナ到達することがほぼないんですよね」

ーたしかにそうかもです

小平「土地ソース20、オパモ、睡蓮の花びらで、23程度になっているんですけど、ウルザの物語はそのうち消えるので見た目より土地ソースとして考えにくいんですよね」

小平「やってみたらわかるんですけど、4マナはほいほい出せる領域ではないんですよ、そういうときに手札にたまって寓話で捨ててるのを見て、最初からこいついらないんじゃないかなって」

ー(笑)

小平「つきつめると、今の環境カーンが強いデッキって相手もカーンがはいっているんですよね」

ーカーンが入っていないデッキでカーンだしたら勝つデッキとしては土地単がありますね?

小平「勝てると思うんですけど、メインボードに忍耐が入っていないなら鼻ほじりながらコンボ決めたらいいだけの話なんで」

小平「そういう相手ってどこまでいってもペインターだして赤マナ立ててスペル弾いていけばそのうちかててしまう、遅いコンボは気にしなくていいなってなるんです」

小平「で、あとこれは個人的な感想なんですけど、カーンでサイドの枠が圧迫されるのがホントに嫌いなんですよ」

ーありますね

小平「だいたいマイコシンス、罠の橋、トーモッド、塗膜とかあって、必要枠5-6取られると、どうしても他の枠は圧迫されてしまって、自分の周りの環境に適応させていろいろ考えた結果カーンがお前イランってなって消えていきました」

ーなるほど。パイオニアの緑単は15枚全部つかいますね

小平「ニクソスとか狼の安息所とかで、マナを出せる算段があるからそれも許されると思うんですけど、どうしてもタイトなマナでやらないといけないとなると、そのときに例えばカーンでマイナスしてカードをもってきて返しでカーン割られたら、持ってきたカードが使えるかわからないんですよ」

小平「とくにMOとかTC東京とかそうだとおもうんですけど、デルバーデッキが一定数いるとなると、マイナスして忠誠値が3になると、もう稲妻圏内じゃないですか、もういてもいなくてもかわらなくなってしまうんですよね」

ーたしかにデルバー相手だと弱めな感じしてしまいますね

小平「だからもう初手にきるだけでイライラするし、一回でもマリガンしたらもうカーンは初手にいらなくなるんですよ、それで結局いらんなって」

ー(笑)

今の環境でコンボ全つっぱは、自分より早いコンボがあまりに多いので、あまりにも脆弱。
基本はミッドレンジ、ボードコントロールしながら必要なときにゴブリンの技師でサーチして釣り上げにかかるという動きが板!!

(中編へ続く)













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?