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オークの弓使いがレガシーでいかに強いかについて



先日ツイッターでやらかしてしまいまして、オークの弓使いの効果を勘違いしてしまいました。

効果を複数もっているのはおかしい思ったのです(指摘していただいた方々ありがとうございます)。

正常性バイアスを失ってしまった神原

けれどもこれには理由があって、レガシーであまりにもカードパワーが強すぎると感じたからです。

このように感じた理由を順を追って説明していきたいと思います。

カードの説明


インスタントタイミングで出せる効果と、戦場に出たときに対象1つに1点を飛ばす効果と、相手が追加ドローするたびに対象に1点ダメージを与える効果を持っています。

しかもこれらの2つの誘発型能力にトークン1/1がついてきます(誘発ごとにトークンのサイズが1つずつ上がっていく)。

間違っても戦場に出たとき、かつ、相手が追加ドローしたときのみ誘発する効果ではありませんw。。

構築で使えるのはモダン以下なので、モダンから順番に見ていきましょう。

モダンではそこまで

まずモダンではけっこう微妙です。

なぜなら以下の3点があげられるからです。

・純粋に殴り主体のデッキにはあまり効かない。



オークの弓使いの弱点としては、サイズが弱いことがあげられます。

そのためバーンやマーフォークのようなドロースペルのないデッキで、サイズの大きい(けつが1でない)肉をたくさん出されるのが苦手で、モダンはそうしたデッキの割合がレガシーより多いです。

その場合トークンでお茶を濁せなくはないですが、やはり微妙と言えます。

・ドローがあまり強くない

一番強いドロソは表現の反復で、カードを引いていないためオークの弓使いは効きません。


またキャントリもせいぜい1ドローが限界なので咎める方も効果が薄いです。


・2ターン目のタフ1はすでに消される前提の環境


もともと禁止レーダーの外を飛行しているレン6が幅をきかせている環境なので、闇の腹心のような餌が2ターン目にでてくる頻度は高くないと言えます。

逆に言うとフラッシュを活かして疾駆してきたラガバンのキャッチはできるかもしれません。


レガシーではバケモン


ドロソが弱いうえにタフ1が割と淘汰されているビート環境と違い、レガシーはレン6のいない青環境です。

オークの弓使いはバケモンと言えるでしょう。

特に青いデッキなら必ずと言っていいほど採用されている渦巻く知識が3ドローなのです。

これに引っ掛けることができれば、3/3トークンと振り分け可能なボルトを打つことができます。


尖閣破りも同様強力なのですが、その場合2マナで構えられることは非常に大きな違いになります。

結論から言ってしまうと、どのデッキに対してもおおむね強く、裏目の少ないカードです。説明を以下にします。

アーキタイプごとの考察

せっかくなので金魚のメタを見ながら、各デッキごとに考えていきましょう。

いったんこちらが用いるデッキをURデルバーに黒でオークの弓使いのみをタッチしたグリクシスデルバーだとします。

ちょうど以下のティムールデルバーでタルモゴイフの枠をオークの弓使いにかえたものと仮定。

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-temur-delver#paper


金魚での6/2日現在のメタゲーム環境は以下のようになっています。

https://www.mtggoldfish.com/metagame/legacy#paper 2023/06/02


https://www.mtggoldfish.com/metagame/legacy#paper 2023/06/02

対リアニメイト

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-reanimator#paper

金魚では我らがリアニメイトの立ち位置が良いですね。

でっかい肉を手札(やライブラリー)から墓地に落として、釣り竿でつることで踏み倒すデッキ。

対コンボでは、安全に構えられるタイミングでクリーチャを出せるかどうかがデルバーの分岐点です。

もしタッチでタルモゴイフの場合には、後手では特にタップアウトで出したら返しで負けてしまう事案が多発するため、カウンター含めて土地は最低限3枚引き込まなければいけません。


けれどもデルバーの土地枚数からするとなかなか達成しにくいのと、土地を探すためにキャントリを打つと、スペルを探しにいけなくなってしまうため本末転倒感が出るところです。

オークの弓使いであれば、フラッシュがあるので、土地2でもしばらく戦えます。

こちらの土地2枚からのカウンター構えで相手をけん制して、動きが止まったタイミングでオークを出すことができます。

そうした場合、相手の方から動かざるを得なくなり、結局対抗策をキャントリで探させて、ライフを刺しに行けるようになります。

特に赤黒リアニメイトに関していえば、信仰無きものあさり以外キャントリップはありませんが、グリセルブランドを起動することはしにくくなります(やると7点ダメージと7/7トークンでやられてしまう)。

ただしアトラクサにはききません(アトラクサまじ最強)。

青黒リアニメイトに関していえば、ブレストが入っていて速度がさらに遅くなっているので、オークの弓使いが間に合う場面がさらに増えるだろうと思われます。

対URデルバー

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-izzet-delver#paper

環境の王者赤青純正2色のデルバー。

1マナのクロック2種類でカウンターしながらのライフレースもできるし、濁浪の執政によるサイズ強襲、アドバンテージ勝負。

すべてのデッキにすべての不利でない戦い方ができる器用なデッキ。

こちらが先手の場合、相手のデルバーチャネラーの返しにオークの弓使いが通ると、除去かつクロック2対残し、かつキャントリ制限の状態が作れるので爆アド太郎です。

目くらましされてしまうというのはまあそうなのですが、それは2マナのアクションすべてそうであり、レガシーの2マナのアクションすべての中で、対デルバーに関してオークの弓使いは上位の位置にいるという意味です。

しかも一度定着してしまえば、相手は除去を探すためにキャントリを打たなくてはいけなくなり、2回思案を打ってボルトを見つけたとしても、そのころには3/3と3点ダメージが出てしまっているため、ライフレースでおおきく後退するのを否めません(それでも濁浪の執政で逆転できるのでデルバー自体は良いデッキです)。

8cast

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-8-cast#paper

しのげんさん曰く「ウルザの物語をもっとも強く使えるデッキ」(第一回ほくとの部屋参考)。

アーティファクトをたくさん並べてエムリーや2ドローカードでアドを稼いで盤面を埋め尽くす。

もの読み、思考の監視者、ガラクタ2種と追加ドローのオンパレードで、かつ除去のないこのデッキに対しては、オークは非常に良い仕事をしてくれるのではないかなと思います。

ただ油断は禁物で、トークンのサイズが大きくなったとしても、相手の構築物のサイズの方が大きいことはざらにありえるので、単体で勝ち得る性能ではありません、要所要所濁浪でレースをさし切ったり影槍をうまくが必要になります。

死の影

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-death-s-shadow#paper

思考囲い、2点ランド、通りの悪霊、殺し等で自分のライフを削りながら早いターンに強い死の影を出すデッキ。

単純に相手の殺しでこちらのオークの弓使いが処理できなかったり、キャントリ多かったり、相手のライフはもとから低い水準だったりで、オークの弓使いは非常によく効いてくれるだろうと思います。

セファリッドブレックファースト

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-cephalid-breakfast#paper

セファリッドの幻術師とコーの遊牧民でセルフLOして勝つデッキ。

石鍛冶の神秘家や霊気の薬瓶、ウルザの物語の有無だったり、屈指の使い手によってデッキ構成が違う率を誇ります(神原主観)。

けれども統一していることは、青でありキャントリップを採用することと、1/1の生物を用いて除去でコンボが止まるデッキということ。

オークの弓使いはそうしたデッキには非常に強そうに見えます。

Doomsday

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-doomsday#paper

個人的に環境で一番早くて強いと思っているコンボデッキ。

最後の審判のみを唱える一枚コンボのデメリットとして、ライフが半分になり、パイルの裏目があると負けてしまいます。

Doomsdayの一番の弱点は序盤に生物でライフを詰めていくことです。

リアニメイトのときと同様なのですが、この点フラッシュにより構えながら出せるオークはかなり使いやすいと思われます。

またほかのデッキよりライフの比重が高いため、オークの弓使いに対して1ブレストでも致命的になりかねません。

パイルも同様で、仮に稲妻を警戒して5枚すべて掘り切るキャントリップパイル、すなわち、
通りの悪霊、通りの悪霊、秋の際、秋の際、タッサの神託者


だとすると、返しにオークの弓使いの場合ワンチャンを生み出すことができるでしょう。

ティムールデルバー

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-temur-delver#paper

タッチタルモのデルバーデッキ。

丁度今回仮想的に考えているタッチオークのグリクシスと対の立場になります。

デッキそのものはほぼ同型なので、タルモゴイフとオークの弓使いの比較になります。

散々オークの弓使いはどのデッキに対しても強いと言ってきていて、今その途中なのですが、タルモゴイフに対しては少々分が悪いかなという印象です。

相手がブレスト1回打ってようやく1タルモくらいなので、2回思案を打ってボルトでオークの弓使いがいかれてしまうと、相手のタルモをこちらのボルトで焼けない心元ない状態になってしまいます。

まあ黒が入ると殺しで耐えれると思っていますが、単純にタルモゴイフと単純比較すると目に見えて悪いわけではないですが、若干きつい気がします。

ペインター

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-painter#paper

小平先生をお迎えして、今月分ほくとの部屋で掲載予定のデッキです。

ゴブリンの溶接工やゴブリンの技師等でアーティファクトを展開していって、隙ができたタイミングで丸砥石+絵描きの召使でLOを狙うという動き。

タフ1がゴブリンの溶接工(とたまに飛行機械トークン)しかおらず、キャントリップも採用されていないため、オークの弓使いがなんにもしないフラッシュモブになる可能性が高いです。

相手のコンボも阻害できないのでクロックがはやいタルモゴイフの方がましな感じがします。

土地単

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-lands#paper

土地が半分くらい入っているデッキ。

20/20を降臨させたり、罰する火を回したり、ヴァラクートの探検や森の知恵を貼ってアド勝ちしたり、相手の土地を縛ったり多様な動きをしてきます。

フェア相手はおおむね無双することが多いです。

ドロー制限で効くカードが(壌土からの生命がない状態の)森の知恵しかなく、1/1も出てこない上に、色をタッチしたことにより土地嵌めされて負けるリスクをしょってしまう。

URから構成を比べるとオークの弓使いはいらない子になってしまいます。

スニークショウ


https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-sneak-and-show#paper

実物提示教育と騙し討ちによって肉を踏み倒すデッキ。

踏み倒し系2種類と肉3種類入っていて、動きが安定しています。

例によって安定している分1マナのキャントリップが多く、3種類目の定業までフル搭載されています。

そうなってくると1Tキャントリの返しでオークの弓使いを着地させれば、それ以降プレッシャーをかけられるので非常に良いカードと言えます。

鏡割りの寓話の入ったタイプもありますが、その場合2章で手札を2枚捨ててしまうとトークンがなくなってしまう状況にすることができます。

コンボであるので隙を見てインスタントタイミングで出せるのもやはり強いと言えます。


デスタク

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-death-and-taxes#paper

前回土井さんが紹介してくれたものがデスタクです。

ヘイトベアとミッドレンジを両立させたカウンターなしのフェアデッキ。

キャントリップがないためロランくらいしか追加ドローは発生しないものの、タフ1の数が多いので的には困りせん。

特にサリアの返しであったり、こちら先手でのルーンの母の返しのオークの弓使いは強力と言えます(オークにやられちゃうサリアちゃんのイラストに期待)。

しかもその場合に1/1のトークンもこちらの場に出るので盤面が非常によくなります。

エルフ

https://www.mtggoldfish.com/archetype/legacy-elves#paper

メタ順1ページ目の最後はエルフでした。

1/1のマナクリを大量展開してマナを生み出し、垣間見る自然で後続展開したり、自然の秩序で一発決めたり、足りないパーツ(アド源やマナ源やフィニッシャー等)を緑頂点でもってきたりする器用なビートコンボデッキ。

オークの弓使いがいるだけで、マナクリはしばかれるのみならず、エルフの幻想家もおちおち出せない状態になってしまいます。

垣間見る自然もほとんど盤面のマナクリを1対1でドローに変えるカードにしかなりません。

エルフに対してオークの弓使いは非常に良いカードと言えます。

その他

ランクインしなかったのでてきとうです。

・プリズン系
タルモゴイフの方が強いもののチャリスx=1を抜けられるクロックなので最低限カード。

・イニシアチブ
インスタントタイミングでクロック2体ばらまけるのでけっこうつよい。

結論

土地単とペインターに対してはダメでしたが、基本どのデッキタイプに対しても有効と言えます。

・コントロールに対しては即除去されても最低限トークンが残るし、生き残るとそれ以上のダメージ源を形成

・コンボにたいしては最低限フラッシュのクロックで、1-1交換していってキャントリを打たせれば、ライフを刺せるダメージ源に

・アグロに対しては、除去されても最低限トークンが残せる、1/1を焼いてこちらの盤面に2体残す強い動きができる

オークの弓使いはバケモンと言えるでしょう。

記事は全文無料で読めます。
また神原に効果を勘違いしてほしくない方がいれば、脳トレ本を買う足しとして、いただこうと思います。

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