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般若のお面

今から30数年上前のお話になります
現在、鬼と言ったら鬼滅の刃の影響などで
『メジャー』ですが当時だと鬼と言ったら桃太郎に出てくる鬼くらいのイメージしか無い頃でした

当時、私は小学校の低学年だった頃に
平日の夕方に急用で
山を挟んだ隣の市内に有る、祖父の家に
母親と弟、私の3人で母親が運転する車に乗り
夕方、急遽向かう事になった

普段、祖父の家に行くのは家族が休みの日曜日に用事が有る時などに父親が運転する車で行く事がほとんどで
平日に行った事は無かったのですが、その日に限り何か急用があったのだろう。
【理由は忘れてしまいましたが】

私の住む町から山を挟んで反対側に有る隣の市なので山を走る峠道を通り山を越えて
祖父が住む隣の市内まで車で30分程の距離だった
(ちょうど山を挟んだ反対側の辺りだった)

この峠の山道は道路は当時は一部舗装されている場所とまだ砂利道が残っている山道で
当時は街頭がほとんど無く、しかも夜はほぼ交通量の無い闇に包まれているような道でした
祖父の家に午後6時30分頃には到着して、所用を20分程で終えて直ぐに家の帰路に着く為に3人で車に乗り込み出発しました

出発した時間は夜7時前近くだったので日は完全に沈んでいた
祖父の家から車で走り出て数分位、走行していると民家等も少なくなり街灯の無い山越えの峠道に入った。

【真っ暗だな】
と母親が運転する軽自動車の運転席の真後ろの席に私は座り車窓を見ていた
外は真っ暗なので車内が鏡のように車窓に写っていた

鏡がわりに自分の顔を見ていたらその奥に別の何かが見えた

目を凝らして、良く見てみたら
私の顔では無い
【鬼の顔😈】のような
いうなれば【般若のお面】みたいなものが
窓の外に写っていた(車🚙で時速30キロ位のスピードで走行しているのに)

私は見えた物を理解した瞬間に恐怖で
軽自動車の後部座席で一人、頭を膝に付けて
屈みながら
(当時はまだ後部座席のシートベルト着用義務は無かった時代)

ある事を思いだしました
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以前、母が仕事で居ないときに父親と弟の3人で祖父の家に行った帰り道に
この峠の山道(同じ場所)に差し掛かった頃に
車を運転しながら父親が私と弟に突然話した

※『鬼婆【おにばば】😈』のお話の事を※
 
父親が車を運転しながら
『昔、この辺りに鬼婆が住んでいて人を襲ったり悪さをしていたので村人達で集まり、その鬼婆の首を切り落として退治したという話が残っていて実際にこの近くのお寺に鬼婆の生首として祀らわれているんだぞ』
という話を聞いた事があったが
その時は
子供ながらに
(鬼婆なんているわけ無いでしょう)
と頭で思って、にやけて聞いていたのだが
父親が
『本当に昔からの言い伝えとしてこの辺りに残っているんだぞ』
と話していてくれた事を思い出した。
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私は頭を上げて再び、目の錯覚だろう?見間違い?だろうと思い
車窓を再び見たら
30キロ前後で走る車の右側の車窓には
やはり般若のお面【鬼の顔😈】が写っていた
『うわっ』
と声をあげそうになるのを口を押さえ堪えて
目を反らして、私は左隣に座る弟の右腕を私の左肘でこずき
更に1、2度と目と顔を右側の車窓に向けて動かしたら(外見るようにと)
それに釣られて弟も車窓に眼を向けたら
口を開けたまま、言葉を発せずに固まっていたので
多分見えたのだと思う(同じものが)

それから弟と目をあわせた後に二人とも下を向いていた(恐くて)

(母親には絶対に言えなかった
そんな事を伝えてこんな峠道で万が一事故でも起こされたら
もっととんでもない事になるだろうと
子供ながらに思ったので)

山の山頂に差し掛かった頃、今度は
登りから下り坂になった頃に再び、そうっと車窓を見たらもう般若のお面【鬼の顔】は無かった。
普段は車酔いしやすい峠道なのにその時は恐怖と驚きで車酔いもしなかった

そのあとは、何事もなく無事に家まで帰れました。

帰った後も母親には伝えず、弟にも見えたか?の確認もしなかった(母親に伝えて弟に確認してしまったら、もうあの道を怖くて2度と通れなかったと思い、見えた事を認めたくなかった為)

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あれ(鬼婆)を見た数年後に
家には隣の市(おじいちゃんの家が有る)の歴史書があった
(父親の生まれ育った土地なので父親が購入したものでずっとその本が有る事は知っていたが興味が一切無かった為に、見た事は一度も無い)
事を思い出し、もしかしたら鬼婆に関する記事が載っているかな?と
何気なく、本に目を通して見たら
あの峠の近くに有るお寺の記事が
記載されており、鬼婆の生首を
祀っていると記事にも書いて有り
実際に鬼婆の生首と言われている物の
写真も白黒だったが一緒に写っていた
【写真を見る感じだと牛の頭に見えない事もないなと感じたが】

父親から聞いた言い伝えは本当だったのだと確認出来ました

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その後は、しばらくしたら新しいトンネルの道(今までより速く行ける)が出来たのでその後にあの道を通る事は一切無くなりました。
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私が見たものは本当に鬼婆だったのか?

昔は本当に鬼というものが存在していたのか?(昔話に出てきた鬼ヶ島の鬼や各地伝わる鬼の言い伝え等)

現在でも起きうる当時の女性の殺人犯が
鬼婆と言われて村人達に断首されて裁かれた
怨霊だったのか?

解りませんが

私はそれを見た後に不幸にあうとか
怖い目に遭ったという事は無くて

今、思い出してみると
般若のお面のような鬼婆の顔色が
黄金色に近い色だったので
(あれが白い能面のような鬼の顔だったら叫ぶか、恐怖により気絶していたかもしれません💦)

それを見た事により実は何かしらのパワーをもらった(何かしらの)のではないか?
と感じる今日この頃です


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