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【地中海の北縁の旅と生活】第3章 サラエボ生活3年記②

【香高堂 地中海の北縁の旅と生活】第3章 サラエボ生活3年記

人生と引越荷物のトリセツ》
 マルセイユでの短期滞在アパートメント生活は1か月程度を想定している。衣料などその間の生活用品を手持ちしなければならないので、飛行機のエクセスチャージも馬鹿にならない。日本は引っ越し業者がしっかりと梱包までやってくれるが、途上国の人間にはきめ細かな作業は頼めない。

 荷物は大きく<食器類><台所用品><調味料等食材><本&資料類><衣類(夏物冬物><生活雑貨><寝具等>に分けられる。その他<車用品><電子電気機器類><猫関係><鉢植え><ゴルフ&スポーツ用品>もある。
 3年前、日本から持ち込んだ段ボールは50箱以上になっており、段ボールの大に中を入れ、さらに小を加えたもの。衣類の入るもの、小分け用段ボールを捨てずに取っておいたが、さらに梱包用の緩衝材もある。
 まず生活物資は<段ボールに入れるもの>と<直ぐに使いそうなもの>に仕分ける作業があるがこれが結構頭を使う。段ボールにはそれぞれNOを振っており、別に内容を書いたリストを作っておいた。これが引っ越し荷物の基本である。
 7月22日以降、まずは段ボールのNO毎に置く荒仕分けから始め、次にリストを見ながら<衣類、書籍、台所用品、雑貨等>リストに基づき振り分ける。中に入っていた小箱や緩衝材は取り出すが、食器は特に<箱と緩衝材>が大事で、この梱包には時間がかかる。
 
 各部屋に段ボールを置き、物品や衣類の取捨選択を行いながら不要なものを捨て、その大きさに合う内容物を入れ込む。その際に上部や横に隙間が出来るが、これにはタオルや割れない雑貨を入れ込む。故に大きなジャンルと中身が一意しないものが出て来るがしょうがないが、リストをきめ細かく書いておくことがコツである。
 衣類も3年前からかなり痩せたので、着られないものを捨てなければならないが、幸いこの地には引き取る場があるようだ。せっせと運んだ日本の食材や調味料は大切で、未使用のものは持っていくつもりであるが、使用中のものはサラエボ在住の日本人に残していく。
 
 この作業を基本的に9割方終えておかないと、8月28日の出発まで相当苦労することになる。一人暮らしになる14日の週は残り物整理に没頭し、21日の週は引っ越し荷物を完成させて業者に引き渡す。最低限の生活用品で暮らし、食事は外で食べることになるだろう。
 16日現在、引越準備は進んでいたが、台所用品の梱包が一時ストップしてしまった。いわゆる<プチプチ>がなくなり、食器や鍋などが包めなくなった。英語では<cushioning material>と言うのであろうか、正式な日本語は分からない。赴任日は変えられないが、幸い引越が遅れても荷物をサラエボで預かってくれるようで、家が決まり次第陸送してくれるようだ。

 引っ越しはモノだけでなく心も移動しなくてはならない。3年後か4年後に日本に戻る時は、断捨離どころか、すべてを捨てて身軽に戻りたい、人生もそうなればと思うのだ。

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