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香高堂近況=5割減の生き方と時代の潮目

コラム風英堂=香高堂近況報告「5割減の生き方と時代の潮目」

新型コロナの感染者が急増しているが、国レベルの指導者は方策を示さず、やり過ごすかのように沈黙を続けている。このままなら来年春までは自粛に近い生活が続くだろう。ならば、コロナ禍が収まっても元の生活に戻ることを期待しない方が良いだろう。生活の転換点に差し掛かり、今から「5割減の生き方」を模索しておいた方が良いだろう。「半分でも戻ったら良し、7割なら結構」と思うことが、次の時代に活きる糧になるだろう。その時は「物事、友人、客人の良きもの」だけが残り、不要なものだけが消え去っていくだろう。

ところで、香高堂の沈黙の時も長くなっているが、7年の海外生活ブランクはコロナ禍などもあり、3月帰国後の<生活事交渉>に何かと時間がかかる日々が続いている。やっと我が家の<リフォーム>の業者が決まったが、3社を比較の結果、当然料金面もあるのだが、やはり熱意が伝わる営業担当者に惹かれる。電機住宅系は自社製品に拘り、大手不動産系は若い女性担当者の資質に問題があり、結果的に丁寧な説明とアドバイスをしてくれた女性がいるマンション販売系にお願いした。床暖房と水回りが中心だが、内装知識があり、施工管理が出来る<建築士またはインテリアコーディネーター>はいなかった。

年明けから始めて2カ月半近くかかるようで、<仮住まい>のための<不動産屋探>しも始まった。だが<短期間、高齢者、ペット>3つを背負った苦行となり、さらにエレベーター無しの物件に惑わせられる。敷金礼金や割り増し料金もあり、結果は今の家から15分程度の近所の<マンスリーマンション>に落ち着くようだ。そして1月と3月の行き帰りの<引越し業者>の選択がある。アート、アリ、サカイなど有名引越し業者の話も聞いたが、誠意の感じられるスタートアップしたばかりの小さな引越し屋に決めた。そうそう、引越しサイトに登録すると頻繁な電話に悩まされるのでご注意を。

さて、12月は再度の断捨離と引越し準備に追われる。1年前もマルセイユで、帰国の引越し準備に追われていた。今年も仮住まい準備となり、これから日常品を<仮住まいでの使用><段ボール収納保存><不要物>に分ける作業が再度始まる。皿洗いのパート主夫や若者のサポート業務も少しばかり遅れるが、アドバイスはいつでも出来る。本当に丸1年掛かりの<新しい日常生活>づくりが始まる。

ところで、半年かかった<部分入れ歯>の治療も、作り直しをしてやっと終わりそうである。コロナ禍もあり、怒りを抑えて大声を出さずに歯科医との静かなる交渉であった。海外生活の中では歯周病との闘いで、抑えるのに追われていた。それにしても歯周病は歯の噛み合わせを狂わせ、さらには病原菌が膵臓に入ると癌を発症するなど怖いものだ。
身体の左右の歪みは毎朝の運動と平日のゴルフ練習で何と解消してきたが、精神の健全化に未だ腐心している。前向きに前が向けない、足元ばかり気にして歩いている。だが、冬を前にした秋空の中、やっと空を見ることが多くなってきた。肝臓がんなどの他の身体症状は改善している。

人間相手でないが、昨年秋から「ある訴訟」の準備を進めてきた。3月帰国後コロナ禍での弁護士の多忙や訴訟資料の手配が遅れ、11月半ばやっと裁判所に訴状の提出が出来た。後は厚労省との交渉だが、いつになったら和解協議に入れるのだろうか。虎ノ門ヒルズ近くにある弁護士事務所まで何度か通ったが、虎ノ門と神谷町の間は大規模開発の大きなビルの谷間に昭和時代の建物が残っている。

過日、コリドー街の立ち呑み屋マルギンに入ったが、相変わらず大声で話す人々がいる。電車などでの密集はある程度避けられないが、「マスク着用と大声会話禁止」である程度は感染拡大が防げるはずと思うのだが、もっとも飲食の際の「新しいマスクマナー」はもっての外である。トランプ政権の足掻き、アベノミクスの退場からパンケーキおじさんの藻掻きの中、何か時代の潮目を微かに感じるようになってきた。

潮目とは海面の温度の異なる海流がぶつかる場所の境目で、細長く伸びた筋に沿って藻、木片や泡などが集まり、さざ波も立つ。それを見続ける眼差しが必要になる。「潮目が変わる」には「物事の流れが変わる」という意味を持つ。世の中の情勢が変わるとき、様々な変化や変容が見えるのだが、あまりに暗く見えにくい。


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