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【地中海の北縁の旅と生活】第3章 サラエボ生活3年記⑦

【地中海の北縁の旅と生活】第3章 サラエボ生活3年記⑦《また旅猫、南仏マルセイユに到着
 
 マルセイユ行きの飛行機の中でサラエボ生活を思い出していた。そして、「また旅猫グリも着いたわよ!」とGRIS語りがまた始まる。
 
 サラエボからまた赤いケージに乗せられたのは2016年8月29日の午前11時半、病院かなと思ったのですが、ここ数週間何かが違っていたのね。サラエボの空港で、私の飛行機代やオーバーチャージで少し揉めたようで、ギリギリ搭乗時間になったの。私も床に置かれたままでヤキモキしたわよ。
 
 サラエボからミュンヘンの乗換えは1時間、ランチ代わりのお寿司を買って搭乗待ち。マルセイユ行きは小さな飛行機、私は膝の上にずっと乗せられていましたが、慣れたものよ、鳴かずにじっとしていたわ。でも香高堂のお父さんは乗務員に膝から腰までカップの水をこぼされ、ずっと濡れたままだった。可哀想だったけど、思わず笑いそうになったわ。
 
 7月2日から夏休みと称して二人で2週間もいなくなったから、どうしたのかしらと思ったら、私のために?マルセイユでアパートメント探しをしていたみたい。<第一主人の家のカミサマ>はどうやら最後の赴任地になるようで、フランス語圏を希望していたから念願が叶ったみたい。この前も電話でフランス語を話していたみたい。でも、サラエボでは通信と広報を兼務して多忙で、上司にも恵まれていなかったようで仕事は大変だったみたい。
 
 その代わり<第2主人の香高堂父>が昼間お相手をしてくれていたのですが、時折ふらりといなくなるのよ。肝臓がんや後背部の瘤も出来て治療に日本に戻っていたようなのね。テレビやインターネットの故障、不揃いの家具など住宅問題もあったみたいだけど、私が寂しくて壁に向かって吠え始めると「壁に何かいるのか? 悪魔の気配でもするのか?」などと頓珍漢なことを言っていたわ。
 
 マルセイユに着いたのは夕方、向かえの車に乗せられて、短期滞在用のアパートメントホテルに。ここでどのくらい過ごすのかしら。まあ、移動に慣れてきたので、トイレと水、あら食事は必須よ、カツオ節もね。
翌朝は海岸沿いのパン屋カフェでフランス式朝食を済ましてきたようだけど、カミサマお母さんは早速仕事に行き、香高堂お父さんと二人でまったり。でも、さすがに疲れて眠そう。

 でも、早速買い物を言い使っていたようなので、スーパーまで買い出しみたい。可哀想とおもうけど、私は昼の惰眠をむさぼるわあ。ではね、また出て来るわよ、宜しくね。そして、南仏マルセイユでの仮住まい生活が始まるわよ。

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