投稿詩1

WEB応募のできる詩誌に送りつけている。他にもあれば教えていただきたいです。

日本現代詩人会 (応募済)

ペーターカーメンツィント
海の音を覚えていますか あの時あなたは蟹でしたね
はち切れそうなお腹 後ろから歩み寄る涼しさ
現在化する光景 踏み入りえぬ地平
その現前なのでしょう
郷愁とは危うきもの 今と記憶の確執
埋められぬそれがわたしを
港町へと向かわせるのでしょう

釣り
うにうに蠢く沙蚕
グサリと針を突き刺す
赤く濡れた魚をもう一度
海へと投げ込むと
大きな銀の煌めきが
翠の底に瞬いている
祖父との記憶
ソフトな記憶


君よ、音楽家でも芸大生でもなし
またどうして同じ曲を弾くんだい

朝起きて、伸びをして
少しだけ死にたくなるだろう
あれと一緒さ

教えが役に立たないときもある
お前をつくるのはお前で
人間をつくるのもまたお前なんだから

だから俺は笑う
恨めしげに冷たさを訴える
自分の足先を

唇の痛み、ケツふる電車
外したベルトが語るには、本当は行間にあるらしい
言葉じゃ足りないのなら、埋め尽くせばいいのだろうか
母語をなくした我々は、もう誰をも愛せない


ココア共和国 (予定)

私を月まで連れてって

蓋を開ければかなしみで埋まっていました
照らそうにもわたしには言葉がないから

親しみをなくした色の世界は
わたしにはただ眩しく
あなたには暗すぎるんでしょう?

マルクスの子供たち
彼らが雨に踊るから
沈んでしまうんだそうです
この街は海に

自由の亡霊画面の中で
艶かしい肢体を晒す

いつだったか柔らかい肩
感じた時思ったんです
遠さについて

言い換えるならば、手を握ってください
言い換えるならば、わたしはあなたを愛しています
大抵の歌がそういうように


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?