リードとフォロー

よく、社交ダンスで「フォローが上手い(下手)」という言葉を耳にするんだけど、それについてちゃんと考えたことあるところを書いてみたい。

私のフォローを構成する要素は、大きく分けて3つあると思う。ラテン知識はないから、あくまでスタンダードの話だけれど。

【その1】 フィガーの知識量

簡単に言うと「予測能力」である。大体このステップの後はこれやりがちだな、クイックのハイホバーのあとスリースウェーチェンジやりがちだな、みたいなそういった膨大なフィガーの組み合わせを選択肢として2〜3個にピックアップののち、リードのアクションによってどれかを選択するというもの。リード側の癖(この人はコントラの後はPPじゃなくてドラック組み合わせることが多いよな、みたいな)を熟知すればするほど選択肢は狭まる。

この方法の欠点は、選択肢A50% 選択肢B50%で、どっちをやるか本当にわからないときに失敗するということと、重心のバランスが(どちらの選択肢でも踊れるようにするために)曖昧になり本当に正確なポジションやステップを踏むことは難しいということである。どちらかというとパーティ向けなフォローの仕方である(失敗してもいいから)

【その2】 あくまでも「リード」される

いくら決まったルーティンを競技会や練習会で練習していたとしても、フォロー側がステップを「先行、または同時に動くことは(でき)ない」ということ。相手の重心、2人の間にある体同士のバランス、踏み込む歩幅、そして体重のリリース、そのすべての動きはリード側に決定権があり、フォローはそれをより効率的に力を使い、且つ正しいポジションで動かなければならない。例えば(あぁあぁカウントずれてるぅうぅ)とフォロー側が思っていたとしてもそれをフォロー側に正す機会はほぼ無い。カウントを口に出したり、フォロー側ホールドの左手でリズムを刻んであげたりする他、肉体の動かし方においてはリードに委ねるしかない。

つまるところこの欠点はリードが得意でない人と踊るのは不向きな方法ということ。リード側が必ず的確なリードを行うことのできる環境にいるとは限らない。ただし、固定の相手と確定されたルーティンを踊る場合、相手のリードを正確にする作業と自分のフォローを正確にする作業(つまり個人レッスンとか)を行う事により、より効率よく正しいフォームで踊れるようになるのはいうまでもない。

【その3】 リードの中にある「自由」を楽しむ

その2ではまるでフォロー側はリードの言いなりで全て従えみたいな言い方になってしまったけれど、それはあくまでより効率化された時の話であって、100%ではない。実際リードをするにあたって、フォローは最大出力を決める大きな一つの決定権があるとも言える。

ただただ「自分はリードされたことしかできません」と冷凍マグロのように出力を最小にすることもできれば、「自分はもっとできる、もっといける」と、リードへアプローチするような最大出力で挑むこともできるのである。ほんの少しのリードでも、そのリードが正しくなくても、リードの中に許された自由でネックアクションを生んだり、より効率のよいアプローチによってリード側がリフォローし易い力を与えたりする事もできる。

その自由度は、リード側の経験値に比例する。リードに長けていて、より複雑な微調整ができるのであれば、自分の生み出すリードをフォローされ、それによってより強くなる力を出来るだけ殺さずにリフォロー&次のリードに展開することができる。


【まとめ】 ひーこのリードフォロー

もし、フォロー力身につけたい!と考えるのであればまずは自分ができるフィガー数を増やすこと、正しいポジションと重心移動を心がけること、そして2人のバランスを崩さないよう調整しつつ表現を行うこと。この三つでひーこはリードフォローというものを理解したと思うし、踊り方が変わった。

まあこれは本当に個人の知識で考えられることの詰め合わせで、実際のプロの先生に、こんなの全部外れてるのに、なんて言われるかもしれない。

でももし「考えてもわかんねーよ!」っていう方がいたら、一度私の意識していることを意識してみて欲しいなって思います。

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