読書メモ

老いてきたけど、まぁ~いっか。

・ダイヤモンド社
・野沢直子
・2022年10月

 人生100年時代。人間関係、家族とのかかわり方、少しずつ衰えていく体。50を過ぎて、これからの人生をいかにして楽しんで過ごすか、自分はどうあるべきなのか、明るいタッチであるものの、しっかりと老いについて考察された指南書と言える。
 「自分を喜ばせるために時間を使うべきである」、「無限に広がるヒトの輪」、「あっという間に子育ては終わりを告げる」など、豊かに自分らしく生きるためのヒントが満載だ。
 また、距離を置いていた父が病に倒れたときは「理屈でなく死なないで欲しい」と思ったという正直な心情描写にはとても親近感が持てた。日頃の話題にはなりにくい家族、結婚あるある話も実に軽妙なタッチで描かれている。
 子どもたちに介護してもらいたくないので足腰を鍛えるようにしていること、臨終前の脳内モルヒネの話など、列記したらキリがないが野沢さんが感じていることに触れることができ、不思議と元気がわいてくる作品だった。


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