エネルギーハーベスティングって知ってますか?

 ここは初投稿のページとなります。下手くそな文章ですみません。ところでエネルギーハーベスティングって知ってますか?周囲の環境からエネルギーを収穫(ハーベスト)して電力に変換する技術、エネルギーをハーペストするので、エネルギーハーベスティングと言います。
 ただ単に電力に変換しても楽しくないので、センサの駆動や無線の送受信に必要な電力として利用できれば、
電池がいらない、ずっと使える
電気配線がいらないので設置コストが安くできる、どこでも設置できる
というメリットが期待できるため、2010年頃からIoT(当時はM2Mとかユビキタスとか言ってた)普及の切り札として注目されてきました。
 注目されてきたのですが、2021年現在、当初の期待通りには普及していません。なぜなんでしょうか。このブログの趣旨はここにあります。
 私事ですが筆者も2010年頃にこの技術に魅了されて飛びつき、当時の上司に直談判して開発を始めました。当初は一人プロジェクトとして、振動に対して発電するデバイスの材料組成の開発から着手。約2年かけておおよそベース技術が完成したので、開発メンバーを増やしてもらい、応用技術、事業化検討を進めたのですが、結局主たる成果を残すことができませんでした。別にその責任を取るためではありませんが、3年前に25年以上務めた会社を辞め、今は転職してIoT関連技術の開発を担当しています。
 エネルギーハーベスティング技術の分類にはエネルギー収穫源によって分けられることが多いです。
  1.振動
  2.温度差
  3.光
  4.電波
  5.その他(土中のバクテリア、水分など)
上にもちらっと書きましたが、前職では振動源からエネルギーを収穫して発電する「振動発電」の研究、開発をしていました。振動をどうやって電力に変換するかにもいろいろ方式があるのですが、少し専門的になるので後日ご説明できればと思いますが、以下のような記事をご記憶の方も多いのではないでしょうか?

 2008年の記事なのでもう13年にもなるのですね。時間がたつのは早いものです。若い方はもうご存じない方も多いかと。この記事の最後に

「今年1~3月に実施した実験では、改札を1人通過するごとの発電量は約1ワット秒。今回は10倍の約10ワット秒に引き上げ、試験終了時の発電量も開始時から9割程度までに持続させるのが目標。1日当たりの総発電量は1400キロワット秒を見込み、これはLED照明を約17時間点灯できる電力量に相当するとしている。」

とさらっと書いてあります。多くの方はこの発電床で自動改札の電源を賄おうと誤解されていたようですが、実はLED照明1個を17時間点灯するだけの電力しか得られていないのです。しかもこれは多分机上の計算に過ぎず、そんなに発電できていなかったと邪推します。
 この発電床を設置するのにどれだけのお金がかかるのか詳しくはわかりませんが、おそらく多額の費用がかかっているにもかかわらずLED照明1個を点灯するだけの電力しか得られない。そのように知ってしまうと幻滅して「エネルギーハーベスティングって使えない」と、関係者の方々はそう思ったに違いないです。
 この例はエネルギーハーベスティングがなかなか普及しない理由の一つではないかと考えています。
 夢のある技術として派手に宣伝した割りには結果がしょぼい
 ⇒ だまされた、もう二度と関わらない
実際私もいろいろなお客様と接してきましたが、このようなご意見を頂いたことがあります。誤解を解こうとして説明しようとしてもなかなか受け入れてくれない、のが現実でした。
 エネルギーハーベスティングは、夢のある技術に見えてしまう(見えていた時期があった)ので、クラウドファンディングなどでお金を集めるネタとして利用されてきたフシがあります(国内外とも、特にアメリカは酷い)。そう言う人たちは、とにかくお金を集めて儲かればトンズラすれば良いのですが、残された業界人としては、「荒らすだけ荒らして悪評だけ残しやがった」、口が悪いですがそのような印象を持っています。さすがに最近は「お金のにおい」がしないのか、そう言う人たちが参入してこなくなりましたが。。。それが良いのかどうか、ある意味複雑ですね。

 最初の投稿から愚痴大会になってしまいました。もちろんそれだけがエネルギーハーベスティングが普及しない理由ではなく、技術が未熟、コストが合わないなど、根本的な原因が解決できていないことが最大の理由です。
元業界人としてこれから広く普及していくことを願っています。
 このブログでは、実はもう普及しているエネルギーハーベスティング技術の紹介などをしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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