武漢で行われていた悪魔の研究
8月3日、米上院で新型コロナウイルスの起源とウイルス機能獲得研究の規制についての公聴会が開かれた。証人はリチャード・イブライト、スティーブン・クウェイ、ケヴィン・エズベルトの3人である。
この3人のうち、イブライトとクウェイは新型コロナの起源を追う国際的研究者のネットワーク「パリグループ」のメンバーである。私もパリグループに属しているので、イブライト博士もクウェイ博士もネットを通じて面識がある(私は積極的に発言する方なので、先方も私の名前を覚えていると思う)。
英語のできる方は公聴会を是非聴いていただきたいが、それより優先して聴いていただきたいのが、公聴会の後クウェイ博士が登場したこのインタビューである。ここでクウェイ博士が非常に重要な発言を行っている。
クウェイ博士によるとウイルスの機能獲得研究は次の5種類に分けられる
① 違う動物に感染するようにウイルスを改変する研究
② 感染性を増すようにウイルスを改変する研究
③ 毒性を増すようにウイルスを改変する研究
④ 無症状感染するようにウイルスを改変する研究
⑤ 免疫逃避するようにウイルスを改変する研究
このうち、①~③の研究は治療法の開発に資する可能性があることから一般的にすることが許されている(もちろん、私を含め反対する研究者も多い)が、④、⑤は生物兵器にしか応用できない種の技術であり、絶対してはならない研究というコンセンサスがあった。しかし、中国の研究者はその掟を破っていたことが分かったのである。
これまでも新型コロナウイルスが研究所起源の可能性が高いと私は何度も書いてきたが、その根拠としてきたのが、ACE2受容体の変異とフーリン切断部位の挿入で、これらはいずれも上の機能獲得研究の①~③に分類される(詳しくは下記投稿を参照)。
ところが、クウェイ博士は、それ以外にもう一つ不自然な変異を見つけたのである。それがORF8と呼ばれる部位の変異である。ACE2受容体とフーリン切断部位はいずれもスパイク蛋白の変異で注目度が高かった。一方、ORF8の変異はあまり注目されていなかったが、ここにインターフェロンの分泌や免疫を抑制する効果のある変異が見出されたのである。これにより、感染初期の発熱等の反応を抑制したままウイルスを体内に増やすことが可能となり、無症状感染するウイルスになっているというわけである。
新型コロナウイルスの流行初期、米国のアンソニー・ファウチは、ウイルスが無症状感染することはありえないと語り、感染の抑制に失敗したことは記憶に新しいが、その常識外れのウイルスが生まれたのは、それが人工的改変だったからというのがクウェイ博士の説である。
ORF8の変異が人工であるという根拠をクウェイ博士は具体的に提示している。武漢ウイルス研究所で学んでいた学生2人が、ORF8を改変して無症状感染を可能にするための研究をしており、その研究成果を記した中国語の修士論文が見つかったのである。なお、この成果は、英語では発表されていないとのことである。つまり、武漢ウイルス研究所は、秘密裏に生物兵器にしか使えない機能獲得研究を実際に行っていたのである。
新型コロナウイルスが武漢研究所起源の可能性は高いが、彼らが情報を隠蔽するため、まだ決定的な証拠はない。一方、同研究所が生物兵器の研究を秘密裏にしていたことについては、クウェイ博士が動かぬ証拠を入手した。これを足掛かりに、今後中国を徹底追及しなければ、彼らの生物兵器研究は今後ますますエスカレートしていくだろう。