まとめ(荒川氏のnoteについて)

これまで10回以上にわたって荒川氏と私のメールのやりとりを紹介してきた。これらのやりとりから、荒川氏の下記noteに多数の虚偽や印象操作が含まれていたことは明白である。今回はそれらを全てリストにまとめて示す。

この記事を見た筑波大学の掛谷英紀先生が2022年1月16日に私にコンタクトを取って来られました。

実際には12月27日に荒川氏から私宛に記事の紹介があり、それに対して掛谷が返信をしたというのが事実である。よって、荒川氏の上の記述は印象操作である。

そしてその掛谷先生自身の論文のために、私は掛谷先生に求められた全てのデータの解析をして渡したのです。事実上、彼の論文の「全データ」を出したのは私でした。

プレプリントとして公開し、その後学術誌に掲載された掛谷・松本論文には荒川氏のデータは一つも使われていない。すなわち、上の荒川氏の主張は虚偽である。

そして掛谷先生がその私のデータを元にした論文を私に送ってきたのが2022年3月12日。さらにそこに来て突然掛谷先生は今まで研究に一切参加していなかったM先生を連れて来て最終著者に置いたのです

荒川氏は自身の論文のcritical readingを誰かにお願いしたいと掛谷に依頼し、それに対して掛谷が松本氏(M先生)を候補として挙げ、荒川氏が承諾した。Critical readingをした松本氏は脱アミノ化変異の偏りに注目することで、変異か人工か天然かを評価できる可能性があるとの助言を行った。その助言をもとに掛谷と荒川氏は解析を行った。掛谷が草稿を送った日より前(3月6日)の時点において、松本氏を論文の共著者に加えることに荒川氏は同意していた。よって、荒川氏の上の主張は虚偽である。

私の論文も掛谷先生の論文も中心となる発見は「dN/dS (別名Ka/Ks) 解析による変異パターンの不自然さからオミクロン株は人工ウイルスである」です。

掛谷・松本論文はdN/dSではなく、変異の確率モデルを立ててN変異とS変異の偏りが生じる確率を計算するものであり、従来のdN/dS解析とは異なる。

掛谷先生が新型コロナウイルス起源に関するパリグループの学会(Evidence-based investigation of the proximal origin of SARS-CoV-2)で論文の内容について発表した際には、「自分の研究の趣旨に賛同さえしてくれれば誰でも論文の著者に加えるので、著者に入れて欲しい人は声をかけてください。」とも発言されました。200人程の参加者のうちその場で賛同した人は0でしたが、私は正直その発言に驚き呆れ、「この論文の全データを提供した私が、ここで名前だけを募っているその他大勢の一人と同等扱いなのか」と深く失望するとともに、これは著者の研究貢献度についてのモラルに違反する行為ではないかと感じました。

掛谷がパリグループで論文の内容について発表したとき、論文共著の呼びかけをした事実はない。また、パリグループの会合への参加者は30人程度である。パリグループへの共著呼びかけについては、荒川氏が著者から離脱した後に議論されている。よって、上の荒川氏の記述も虚偽である。

私が自分自身の論文で用いたのは多数のウイルス配列の比較から推定したそれぞれの変異株の祖先型です。実際、解析すべき配列さえ分かっていれば類似の配列をデータベースから検索する事自体は容易です。そしてその後、掛谷先生は私が渡したものと類似の変異パターンを持つ配列を検索で探し出し、同様のデータを再現しました。そして「これで荒川には迷惑はかからないだろう」と主張し、論文を修正したのです。

荒川氏はコンセンサス配列を最初の10個をもとに求めている。一般的にはもっと多くの配列の平均をとるので荒川氏の手法の信頼性は高くない。掛谷・松本論文は一般的にコンセンサス配列と同じであるとされる代表的な配列を使っている。荒川氏のコンセンサス配列と似た配列を検索して使ったというのは事実に反する。

さらには「真理の探究などは誰か別の人にでもやってもらえば良い。自分の論文発表はある意味政治的行為として正義のために行なっている」といった事もおっしゃっていました。

掛谷がそのような発言を行った証拠はなく、当時の状況からそうした発言をした蓋然性もない。

掛谷先生は自身の論文を投稿する雑誌について、「計算さえ合っていれば内容はさほど吟味されず採用される雑誌」だとも言われていました。

掛谷・松本論文はPLoS Comutational Biologyなどの比較的インパクトファクターの高い雑誌に最初は投稿している。さらに、最終的に採録されたIPSJ Transactions on Bioinformaticsの投稿規定についても『内容に本質的や誤りがないと思われ、新規性、もしくは、有用性が十分にあれば、採録します』と書かれており、荒川氏の上の記述は不正確かつ悪質である。

その論文で掛谷先生は私のプレプリントの図をそのまま自分自身の図表として使おうとした

論文初稿の図のキャプションには元データが荒川論文であることが明示されており、掛谷が荒川氏の図を自分自身の図表として使おうとした事実はない。

以上のことから

2) その後、掛谷先生が荒川の提供したデータで自前の別論文を書く。その際、全てのオリジナルデータは荒川由来にも関わらず、掛谷先生は荒川を貢献度の低いミドルオーサーとし、その時点での貢献がほぼ0のM先生を最終著者とした (掛谷先生とM先生は大学の同級生で友人)。これは荒川の貢献度を意図的に低く見せかけるためだと私は判断した。

3) 荒川の論文と掛谷先生の論文の骨子が被るために二重投稿禁止の規定への違反が濃厚。荒川がそれを容認できなかった結果、共同研究自体が決裂に至る。

4) 共同研究の決裂後、掛谷先生は類似の配列をデータベースから検索して微修正した上で論文を書き直して投稿。つまりは荒川を出し抜こうと画策していた。

との荒川氏の主張は全く根拠のない虚偽であり、荒川氏のnoteは虚偽の風説を流布し、偽計を用いて掛谷の信用を故意に毀損したものである。