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択び、選りすぐった2022。3つの角度で欲を観る2023。

ー社会の荒波に揉まれてきなさい。

誰もが想像に容易い、"ふつうの"大学生になることができず、両親がこれまで身を切り詰めて貯めてくれた学費を無駄にしてしまった背徳感に苛まれる一方、起業家として生きていく覚悟は煮え切らない。

そんな状態で父親に詰められ、号泣しながらも昨年の大晦日に下った休学の許し。楽しみにしていたRIZINの試合を顔も心もぐちゃぐちゃになりながら観戦し終え、始まった2022年。

振り返れば、自分の意思で登る木を択び、手や足をかける枝を選りすぐった1年だったと思います。きっと下した意思決定数は、人生最多でしょう。

択ぶということは他の選択肢を捨てること。

その儚さを感じながらも、「良禽択木」とはまさに言い得て妙だなと思いながら過ごした1年でした。

【熟語】良禽択木 【読み】りょうきんたくぼく
【意味】
賢い鳥は自分にふさわしい木を選んでとまる。立派な人物は、仕官する際には立派な主人を選ぶことのたとえ。

学研漢和大字典

なんだかんだで乗っかってきた優等生ルートの船から降り、荒波どころではない激浪に飲まれながらも、虚実の幸せを選りすぐって航りぬいた航海記をを2022年の総括として記しておきたいと思います。

さらば別府、満身創痍の"QWS大学"編入

別府は愛おしい町でした。

週6コマある英語の授業で仕事とバランスが取れなくなってしまったときに何度も助けてくれた同じクラスの友人や、寮の部屋に閉じこもりがちだった僕を見かね、温泉巡りに連れ出してくれた寮の友人、進路の決め手となった別府の大人たちと過ごした時間は、僅かな時間ではあったものの、この町に来て良かったと思える尊い時間でした。

その一方で、自分と同じ/似たアイデンティティを多く有する大学生たちと週100分×10コマ以上も教室/PCの前で拘束され、学びへの評価がレポートやテストという名の"努力値"で比較される環境への消耗感は隠しきれませんでした。

元々人見知りで、1人で行動することが好きな自分にとって、周りと同じ時間に、同じ場所で、同じように振る舞わなければ、評価対象にすら入らず、周囲から孤立してしまうコミュニティに生活の基盤を置くことに限界が来ていたのだと思います。

当時の居場所は、池尻大橋にあった"オフィス"という名の狭いマンションの一室だけ。

夢を大きく描くことができ、多くの人を惹きつける才能のある社長と、優秀という言葉では表しきれない賢さと鬼の継続力を持つ副社長。

少し歳上の2人と寝ても覚めても事業のことを考え、深夜に近くのドン・キホーテで1人1つお菓子を買うことを最大の楽しみとする、生活圏内100m以内の日々も愛しくはありましたが、あまりの生活水準の低さに自ずと体が言うことを聞かなくなっていました。

おしどり夫婦な2人

大分にも長野にも戻れない、かといって東京での生活には早くも疲弊し始めている。
そんな瀕死の状態で迎えた2月朔日。

「凄い人がいっぱいいそうだから自分も仲間になりたい!」という薄っぺらい動機で応募し、昨年別のプログラムでお世話になった横石崇さんが奇跡的に救い手を差し伸べてくださり、入ることができた「渋谷キューズ」(以下QWS)がこれまでの人生で最も大好きな居場所となり、ずっと追い求めていた理想の学校的存在になるとは思いもしませんでした。

QWS入会初日に立てた問い

淡々と殴り、殴られる毎日

QWSへの溢れんばかりの愛といつもお世話になっている会員さん・運営の皆さんへの感謝は到底ここには書ききれそうにないので、然るべきときに書くとしますが、実は入会してすぐにQWSライフを楽しめたわけではありませんでした。

例のごとく人見知りが発動し、某ギャル総長に「なんでいつも1人なの?QWSはそういう場所じゃないよ」と諭されて一瞬だけ居心地が悪くなったこともありました。(※そもそもQWSを見学できたのは総長のおかげだし、今は心の底から尊敬してます🫡)

そこに追い打ちをかけるかのごとく、入会後まもなく始めたクラウドファンディングのプレッシャーがのしかかりました。他にも選択肢はあったのかもしれませんが、どうにかしてお金を作らないと事業はおろか、自分の生活すらも満足に送れない状況まで追い込まれていたための苦肉の策でした。

高校時代にお世話になった皆さんにDMで支援をお願いしたり、Twitterで少しでも関心を持っていただけそうな方にひたすらDMを送ったり。

お金のために自分の感情を押し殺し、様々な場で綺麗事を嘯く自分に何度も嫌気が差しました。

しかし、そんな自分に対して支援者の皆さんは本当に温かく、いつ見返しても勇気の出る応援コメントを送ってくださりました。

もちろん軍資金として3,424,000円の支援を頂戴できたのも有り難いですが、これだけの大応援団に背中を押してもらって事業を本格始動できることが何より幸せでした。

心が沈んだとき、定期的に頂いた応援コメントを読み返して元気をもらっています

クラファン終了後、急ピッチで5月3日(ゴミの日)の渋谷編開催に向けた準備をはじめましたが、学生団体気分が抜けきっていなかったことに加え、チームが様々な事情で瓦解していたこともあり、当日は大混乱の嵐。

200人の参加者、20人の運営スタッフ、大量のイベント備品、その全てをうまく動かすことができず、これほど早く時間が過ぎ去ってほしいと思ったのはイベントを運営していて初めてでした。

もはや渋谷編の記憶はトラウマ

そこからの1ヶ月、もう二度とあんな辛い時間を味わいたくない、その一心でこれまで避けてきたエナジードリンクを大量注入し、再起戦と銘打って開催した清走中大崎上島編は手前味噌ながら大成功。

このイベント以降、運営のクオリティは上げつつも、仕組み化が進み、どんどんチームの負担を減らすことができるようになっていきました。

こんな具合にかなりの頻度で立ちはだかる(=正確に言うと自分で課しているのかもしれない)高い壁に阻まれる度に弱音を吐きながらも、チームメンバーやQWSの皆さんに全力で頼って難題と正面から殴り合い続けてきました。

日々現れる大量のタスクと淡々と闘い、ときに傷つきながらも一つ一つなぎ倒していく。ほぼ毎日朝から晩までQWSに籠もり、1人タスクトーナメントに臨んでいたらいつの間にか3ヶ月に一度の成果発表の場「QWSステージ」では3連続防衛を果たし、全国の企業さん、自治体さんからも開催依頼が来るようになっていました。

いつだって重要なのは"How"じゃない、"Why"だろ?

ご依頼が舞い込むようになって以降、自分より数十年社会人経験のあるクライアントの皆さまに必死に食らいつき、いかにご要望に答え、関わってくださる方々に喜んでもらえるイベントを作るか、どうしたら資金繰りを安定させられるだろうか、いわば"How"にあたることをずっと問い続けていました。

「いつだって重要なのは"How"じゃない、"Why"だろ?」

Black Panther: Wakanda Forever

先日鑑賞した「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」に登場する海底帝国の王・ネイモアが放ったセリフです。

これまで無心でHowを突き詰めたことで精神的・経済的な余裕ができ、Whyを問うことでより思考が深くなる実感を得ることが出来ているため、全面的にネイモアのセリフを支持するわけではありませんが、

「清走中をどう展開していくか」→「そもそもなぜ清走中をやりたいのか」

こう問いの角度を変えてみるだけで、一歩深い境地で自分と向き合える心地がして。これまで支配されていた承認欲求を俯瞰し、自分の根源的なエゴを見つけられるような気がしています。

2つの”W”を探していきたい

なお、このnoteの構成は、QWSの仲良し会員さんのお一人であり、事業や人生との向き合い方が素敵だな〜と尊敬している黛純太さんが毎年書かれている1年の振り返りnoteに憧れて着想したものなのですが、そんな黛さんに先日人生相談に乗っていただいた際にこの考えはさらに深堀られました。

今年参加した経産省主催「始動 Next Innovator」の講義内で、

「can」(できる)
「will」(やりたい)
「need」(社会が求めてる)

の3つの要素で事業を見てみよう、というお話がありました。

will、つまりやりたい方向に向かう中で、ドライバーとしての技量や性能の良いタイヤ(=can)を装備し、"wakuwaku"というガソリン(エネルギー)を積むことができるか。ワクワクが一時的な幻想によるものなのか、心の底から湧いてくる根源的なものなのかを見極めた上で、それらが社会の求めるneedと重なった時、きっとそれが宿命に変わるんだろうな〜と。

僕は有り難いことに高校生の頃から長野の皆さんの温かい応援を受け、「海洋ゴミ問題」というwillに対し、「ゴミ拾いにゲーム要素を融合する」というcanを使い、「ゴミ拾いが楽しい!」という純粋な気持ち半分、承認欲求に裏打ちされる「自分凄いことしてるぞ感」半分の不純なガソリンを積んで進んできました。

来年は、目的地を設定しなおすのか、装備を整えるのか、はたまた違う種類のガソリンを入れ直すのかはわかりませんが、2つの"W"を探し求める年になると思うのです。

習慣の複利で余白を生み、問いの感性を磨いていく

これらを探していく上で必要になるだろう、と最近意識して過ごしているのが、「習慣の複利」「余白」です。

前者、「習慣の複利」は我が師・渋川駿伍さんから学んだ概念で、

「大抵の困難は、習慣が生む慣性でリズミカルに乗り越えていける」

という渋川さんご自身のご経験も踏まえたお言葉。

この言葉を聞く直前にQWSで、「結局ちゃんと結果出してる人って毎日確実に仕事に時間かけてるよね〜」みたいな話をした直後だったので余計ぶっ刺さったんですが、先週から毎朝5時30分に起きてホットサンドメーカーで美味しい朝食を食べてから7時〜9時はQWS最寄りのスタバで頭の整理→一定のタスク処理をしてからQWSに向かうようにしています。

後者、「余白」はポケモン御三家で同じナエトル派だったことから意気投合し、なんだか自然と周波数が合う櫻井竹琉くんと最近月に一度同じ本を読んで感想会をしており、その中で凄く良いな〜と思った概念です。

余裕と余白の違いを完全に腹落ちさせられているわけではないけど、自分の中では↓のように整理しています。

やるべきことの進捗における空白が余裕、やれることに占めるやるべきこと以外の空白が余白?
余白にはワクワクの種が転がっているイメージ。

2つのW、つまり自分のアンテナに引っかかるワクワクの種を見つけるには今まで触れてこなかったジャンルの事物を適度にインプットしていくべきだと思っていて、最近は映画・本・アート・ドキュメンタリーなどに多く触れるようにしています。

いずれの媒体も、ここ数年は受験やら仕事やらで全く触れることができていなかったこともあり、問いの感性が刺激される感覚があります。

習慣によって時間的余裕を生むことが、心に余白を生み、ワクワクの種を見つけることはもちろん、様々な面において複利的に作用してくれることを期待しています。

総括と抱負

ここまでつらつらと綴ってきましたが、総じて1年を振り返ると自分で道を選んだ分、沢山傷ついたけれど、19年間の人生で最も多くの大好きなひと、ばしょ、とき、ことに囲まれた1年であったなあと思います。

自分の好きなこと、得意なことがだいぶ分かるようになってきたし、苦手なこと、嫌いなこともだんだん見えてきて、それらを踏まえた上で心地よい生き方を選ぶことができています。

その心地よさに安住せず、フィリピンのような常識や想定が通用しない異国にも足を運びました。以前は溢れんばかりに旺盛だった承認欲求は減退しつつありますが、心地よさを守るために見栄を張ることもありました。

そんな中迎える来年のテーマは「3つの角度で欲を観る」

今年は結果を出すために自らの欲を封じ込んだ1年でもあります。

ときに不本意ながらも仕事を受けたり、承認欲求に左右された行動に幻滅したりと本能的に生ずる欲求の全容が見えないまま、振り回されてしまっていたようにも思えます。

そのため、来年は

①自分の欲を理解する
②欲の湧出元を探る
③人が抱く欲求を学び、俯瞰する

先述の「2つのW」も同様ですが、この3つの角度で欲求を深堀り、自分の人生観・人生哲学を深めていきたいと思います。

時代としても、自分のフェーズとしてもかなり不確実性が高いため、途中でテーマが変わる気もしますが、なかなか時間のかかる問いだと思うのでマイペースにじっくり向き合っていきたいと思います。

沢山の愛を注いでくださった皆さまへ

ここまで読んでくださった今年僕に沢山の愛を注いでくださった皆さま、ありがとうございました。

清走中に関わってくださったメンバーやクライアント様には、未熟さゆえに多方面でご迷惑をおかけしてしまうこともありましたが、一つずつ壁を乗り越えるときに手を貸してくださり、寛大に見守っていただけたおかげで着々と成長することができたと思います。

QWSでご一緒させていただいた皆さんには、ビジネス面ではもちろんですが、メンタル面で大きく支えてもらいました。仕事場の選択肢が自室かカフェの二択しかなく、交友関係も同世代の起業家くらいしかなかった昨年を踏まえると、作業に疲れたときや仕事がうまくいかないときに程よい距離感でお話できる属性を問わないお友達ができたのは今年を幸せに過ごすことができた大きな要因でした。

当初QWSは入会してから1年以内に卒業しようと思っていましたが、あまりにも居心地がよく、QWSに関わる皆さんのことが大好きになってしまったので来年も居座ってると思いますが、これからも仲良くしていただけると嬉しいです!

ちなみに来年3月24日で20歳を迎えるのでお酒解禁が近いんですが、子供の頃にお父さんのビールの泡を一度舐めたくらいしかお酒と関わっていないので、一点の汚れもない状態です!遺伝的に下戸確定な気はしていますが、ぜひお食事等お誘いいただけたら嬉しいです!

未年牡羊座、齢19の迷える子羊ですが、これからも人生楽しんでまいります!来年もよろしくお願いいたします!

2022.12.31 北村優斗

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