プロダクトの中の言葉

はじめまして!はせがわです。

半年とすこし前にWebデザイナーから転身し、現在はプロダクトデザイナをしているものです。

この投稿は「Phone Appli Advent Calendar 2020」の20日目が空いていたので、すべりこみ寄稿です。

こういったところに文章を書いたことがないもので…手汗をにじませながら執筆しております…乾燥の季節なのでちょうどいいですね、ラッキー!

はじめに

半年やってみて思うのですが、
プロダクトデザイナって想像していたよりずっとずっと幅広い知識やスキルが必要なんですね…

プロダクトデザインとひとくちにいっても、
プロトタイプの作成スキル、Webブラウザ・iOS/Androidの特性、UIのトレンド、UXの知識、などなど…
わたしってこんなに学習意欲があったのか!と驚くほど、吸収しようともがき、没頭しています。伸びしろしかない!

勉強したい、身に付けたいこと盛りだくさん!のなかで、わたしが最近とくに課題感と興味を持っているものが「ライティング」です。

ライティングの価値

言葉をあやつる文字書きのお仕事もいろいろありますが、
わたしはコピーライターやWebライター、小説家、脚本家、詩人…などがぱっと思い浮かびます。

言葉自体に価値を生み出す、そんなお仕事ではないでしょうか。

実は、お恥ずかしながら、「UXライター」などという職業が存在することは、つい最近知りました!

Webやプロダクトのなかで使われている言葉はあくまで「UIの一部」と捉えていたため、以前はそれほど価値や重みを感じてはいませんでした。
言葉がなくたって、色やアイコンだけでも成立するUIはあります。

でも、だからこそ、「ライティング」が「UX」を冠していることに意味があるのかなあと。

それ以外のUIがどれだけわかりやすくても、
言葉だけがあいまいにふるまっていれば、途端にユーザは行動が選択できなくなってしまうかもしれない…

逆に、ユーザに寄り添ってより快適に目的に導くこともできるし、
言葉を介すことで、よりユーザをプロダクトに惹きつけることもできるはずです。

言葉が「UIの一部」であることには、表現のうえでは変わりありませんが、「UXライティング」を意識することがとても重要であると気づきました。

ライティングを考えるきっかけ

弊社にはライティングの専門家はおらず、プロダクトデザイナにおいても当事業部ではなんとわたしが唯一の存在…であるため、
デザインモックをつくるなかで、画面に使用される文言もいっしょに考えています。

まだ既存仕様のすべてを把握できていないため、新規画面を作るなかで、
「これって既存画面に意味が同一の別の文言があるけれど、どっちが正?」
という問合せをうけることもしばしば…いや、けっこうあるかも…

自身が新しい文言を作ろうにも、このプロダクトにおけるライティングの「正」がわからない…

これらを解決すべく、ルールやガイドを作成したい!しよう!と思ったのです。

ライティングルール/ガイドの礎

まずは世の理(?)を知ることから!

プロダクトデザイナになってから度々確認するようにしている、
Googleの「Material Design」とAppleの「Interface Guidelines
それぞれにライティングについて書き示した部分があります。

これらを基本に考えていく方針です。

Writing - Material Design
適切な例と、そうでない例を並べてくれているのでわかりやすい!
これらに則って社内で必要な正誤表をつくるのがよさそう。

Terminology - Visual Design - iOS - Human Interface Guidelines
項目は8つでシンプル。なぜそう表現すべきかがわかる!
ライティングにおける人格のふるまいについても触れている。

いずれも英語なので翻訳しながら解釈していかなければいけないのはちょっと大変だけれど…英語文言の作成にもとっても助かる!

「Material Design」はルールとして、「Human Interface Guidelines」は(元の名の通り)ガイドとして活用していこうと思っています。

よりよいライティングのために

礎だけではやっていけないので…
よりライティングの質を高めるため、参考になりそうな記事や書籍、勉強会を漁る日々ですが、なかでも参考にしているものをここでご紹介します。

【書籍】新装版「分かりやすい表現」の技術 藤沢晃治 著
「分かりやすさ」についての本ですが、ライティングやUIを考えるうえで得るものが多い!
身近なわかりにくい/わかりやすい具体例とともに、その原因やルール、チェックポイントが明確にされており、納得感がスゴい。
あまり本を読むことが得意ではなかったけれど、あるある!なるほど!と頷きながらあっというまに読めてしまいました。
全人類におすすめしたい一冊です。

【書籍】技術者のためのテクニカルライティング入門講座 髙橋 慈子 著
ユーザマニュアルや提案書、技術ドキュメントに関わるものですが、基礎文法的におさえておきたいと思い手に取りました。
実はまだ読了しておらず…読みはじめたばかりなのですが、ご紹介。

【記事まとめ】UXライティングを学ぶ|平野太一|note
ライティングに関する記事、たくさんありすぎてどれを読めば…となっていたところ、良い記事をまとめられているものを発見!
「UXライティング」とはなんなのか、なぜ大切なのか、世の中の良いライティングとはどんなものか、実際にプロダクトのライティングをされている方々はどのようにライティングを行っているのか…
わたしも今やろうとしていることが形になったら、受け売りじゃないノウハウをこうやって形にしたいものです。

おわりに

まだあまり造詣の深くない分野に関してのお話を無茶して書いてしまったので、わたしの気づきと今後の方針、受け売りのナレッジ共有記事となってしまいました…

言葉に触れることってわたしたちの日常であたりまえだから、わたし自身これまであまり注目したことがなくって、それがプロダクトデザイナになってはじめて気づくことができて、
視野が変わったのは結構2020年の衝撃だったので、このように残せたのはよかった!

でも、実はこの記事のタイトル、「プロダクトの中の言葉」としましたが、「プロダクトが話す言葉」にしたかったのです。
まだ、"話す"と表現するには相応しくないとおもったので…ライティングでプロダクトに命を吹き込めた!と思ったらそういう記事を書こうかな!

余談ですが、わたしの肩書きが「プロダクトデザイナー」じゃなくて「プロダクトデザイナ」なのは、社内では伸ばし棒なしが正だそうで…社会の気になる表記揺れですね。

わたしはプロダクトデザイナとして、UXライターもやってやる!

あ、「ライター」は伸ばしといていいですか?


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