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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #24


第5節 vs豊田合成スコーピオンズ

GAME1
豊田合成81-77山口
(22-20,12-18,22-22,25-17)

最初から最後まで拮抗したクロスゲームとなった。山口は99.リチャーズが復帰し、彼を中心にしたオフェンスによって、大崩れすることなく試合を運んでいくことができていた。彼を生かすガードとして32.吉川のプレーも好調で、8つのアシストを記録した。また、3.コビーの体のキレの良さも印象に残った。トランジション時に先頭で走ってオフェンスに絡む動き、ゴール下での強さ、ドライブからのアタックと攻守に効いていた。チームトップの19得点も納得のプレーだった。

一方、豊田合成は33.竹村のプレーが一際目を引いた。ベンチからの登場になっているのだが、出てくるなりまずはディフェンスで山口のガードに圧をかけ、ボールを持つと、コントロールもできるし、隙を逃さず素早くシュートチャンスを生み出すこともできるし、というプレーを披露していた。彼とインサイド陣のツーメンゲーム、3.ロスのスリーポイントに17.コロのインサイドアタックと幅広いオフェンスパターンを見せた。

試合は山口が長い時間リードを奪っていたが、4Qのオフィシャルタイムアウト付近で豊田合成が逆転。終盤には37.藤田の2本のミドルジャンパーが非常に重要な得点となり、81-77で先勝を飾った。


GAME2
豊田合成81-92山口
(18-23,29-16,17-24,17-29)

GAME2は再び99.リチャーズが欠場。2Qの途中には32.吉川も負傷してしまい、厳しい台所事情での戦いとなった。

試合の入りは山口のペース。速い展開から思い切りの良いシュートが決まり0-11のランでリードを奪う。ただ、次第にそのシュートセレクションが悪い方向に出て、豊田合成の流れになっていった。今度は豊田合成がスムーズなリバウンドの確保から速い展開に持ち込み逆転。前半を8点のリードで折り返した。

後半も立ち上がりはやや豊田合成の流れだった。その流れを変えたのはオールコートでのプレスだった。9.重冨と25.田中を中心に3.コビー、7.フィリップスも加わって敵陣から強烈なプレスを敢行するとそれが見事に嵌り点差を一気に詰めていった。

4Qの立ち上がりに0-13のランで試合をひっくり返すと、終盤までリードを保ち勝利を飾った。この試合は機動力を生かしたオールコートディフェンスが嵌った形となった。全員が良いプレーを見せてくれたが、中でも3.コビーと7.フィリップスは99.リチャーズ不在の中、ほぼ40分出づっぱりとなったが、最後まで足を止めずに走り続けてくれた。本当に素晴らしいプレーを見せてくれた。彼らのプレーに引き上げられガード陣も良いプレーができたのだと思う。

11月最初のアウェイゲームは1勝1敗と最低限の結果を得ることができた。


第6節 vsしながわシティBC

GAME1
山口88-78しながわ
(20-18,27-14,21-19,20-27)

前回の試合で負傷した32.吉川と前節に引き続き99.リチャーズが欠場となった。

立ち上がりは接戦の展開。互いにファウルが多くフリースローで加点をしていく。その中で山口はオールコートプレスや自陣でのゾーンとマンツーマンの併用など、ディフェンスでしながわのオフェンスを壊すように仕向けていたのが印象的だった。

それが実ったのが2Q以降だった。ハイテンポのトランジションゲームになったことで山口ペースになっていった。特に77.川上の要所でのシュートと25.田中のアシストが効いていた。3Qもその流れは継続し、68-51と大きなリードを保って最終クウォーターとなった。

最終クウォーターは山口はセカンドユニットで戦うことを選択した。41.鮫島、1.山下、31.富田、94.延原が長い時間プレーする中で、点差を多少は詰められたものの、31.富田が大事なところでスリーポイントを2本沈め、リードを守ることに成功した。最終スコアは88-78。山口が先勝となった。


GAME2
山口93-74しながわ
(19-15,24-15,23-23,27-21)

今季初の3連勝を目指す山口。この試合も99.リチャーズは欠場となった。

試合の入りはしながわがペースを掴んだ。山口はオフェンスの形が作れずに、アウトサイドからのシュートも落ちる中でなかなか得点ができなかった。しかし25.田中と3.コビーのピックアンドロールによる得点からきっかけを掴んだ。そこからは終始山口が試合を主導権を握っていた。

2Q以降は多くの選手の活躍が目立ち2桁点差を維持する展開に。2Qは9.重冨が1人で7-0のランを作り、31.富田がスリーを決める活躍。3Qは25.田中を中心として3.コビー,7.フィリップスの機動力が活きる展開。8.土居も連続スリーで続いた。77.川上も投入されてすぐにミドルジャンパーを沈めたり、4Qの終わりにとどめのスリーを決めたり要所で印象的な得点を挙げた。

終わってみれば93-74での快勝となり、ホームで連勝。今季初の3連勝を飾った。


第7節 vs横浜エクセレンス

GAME1
横浜95-85山口
(25-14,16-23,36-16,18-32)

立ち上がりから横浜の13.ステファンと40.フェイゾンが大活躍。13.ステファンはスリーポイント、40.フェイゾンはピックからのダイブを中心に、彼らのツーメンゲームも破壊力抜群だった。彼らは試合を通して山口のディフェンスを圧倒していた。

山口は2Qに0-6のランを作った後は、ゾーンディフェンスを突破口に粘り強く戦い、4点のビハインドで前半を折り返すことに成功。しかし、3Qで力尽きてしまった。横浜オフェンスに対するマンツーマンディフェンスが全く機能せず、ボールマンとピックのプレイヤーに対するマークの受け渡しもままならなければ、ヘルプポジションも適切な距離で取ることができておらず、自由にゴール下のダイブやポップからのスリーを許した。

3Qで36-16と大差をつけられてしまったところで勝負ありかと思われたが、4Qに9.重冨をPGとした山口が猛追を見せた。彼のプレーで3.コビー、7.フィリップスの足も動き出し、オールコートプレスから点差を詰めると、4Q残り6分ほどで13点差まで追いつくことに成功した。

しかし、ここで8.西山がスリーを沈め、結果的にはここで勝負が決まった。最終スコアは95-85。連勝は3でストップとなった。

それでも、3Qにプレータイムが与えられず4Qに自身のプレーでチームに喝を与えた9.重冨、最後の最後での起用できっちりスリーを沈めた31.富田はこの試合の希望であったと言えるのではないだろうか。


GAME2
横浜99-65山口
(24-17,21-15,33-11,21-22)

GAME2は11.山口が前日の試合での負傷の影響で欠場となった。

試合は出だしから横浜がペースを掴んだ。33.俊野や21.増子の得点も伸び、チームとしてアウトサイドシュートも好調だった。

山口はペイントアタックを積極的に行いファウルをもらっていたがアウトサイドシュートがなかなか決まらず横浜に対応される展開に。その中で1Q終盤から出場した31.富田の連続スリーで反撃の糸口を掴むことはできた。

しかし、後半は横浜に山口がやりたいバスケットを展開され気持ちがきれたようなプレーになってしまった。悪い流れを切るプレーやタイムアウトもなく、ターンオーバーから走られてイージーバスケットを許すシーンが目立った。

今季好調の横浜に対して厳しい台所事情ではあったものの、差を見せつけられての連敗となった。


第8節 vsベルテックス静岡

GAME1
山口62-83静岡
(14-24,16-23,14-19,18-17)

昇格候補筆頭の静岡とのホームゲーム。今シーズンの対戦はこの2戦だけとなっている。

立ち上がりは静岡ペース。持ち前のセットオフェンスからフリーマンを作り出し、ショットを決めていた。37.吉田を起点に7.エールセネルや0.山田、8.新川が絡んでいくオフェンスだ。

山口は2Qの開始、静岡がセカンドユニットでオフェンスがあまりうまくいっていない時間帯にディフェンスから仕掛けを見せ流れを掴んだ。しかし、静岡がタイムアウトで修正し、流れを切るとそこからは終始静岡ペースで進んでいった。

後半は互いにシュート精度に苦しむことになったが、静岡がリバウンドで山口を上回り、リードを保った。山口としては不用意なターンオーバーからの失点がややもったいなく感じた。これが少なければもう少し競り合いの展開に持ち込むことができたかもしれない。

初戦は順当に静岡が勝利を飾った。


GAME2
山口85-83静岡
(21-21,23-17,24-25,17-20)

前日の試合でコビーが負傷した山口はさらに厳しいロスターで第2戦を戦うことになった。ただしゲームの入りは山口が良く、積極的なスリーポイントのアテンプトが功を奏し序盤早々リードを奪った。静岡もリングへのアタックで着実に得点を重ねていたのだが、山口の入りが良かったことによって終始競り合いの展開になった。

山口は25.田中がスリーポイントにドライブに多彩なパターンから得点を挙げ、99.リチャーズもインサイドで奮闘しいつも通りに得点を重ねてくれた。そして41.鮫島が久しぶりに長いプレータイムとなったが、華麗なループパスからのアシストや粘り強いディフェンスで貢献してくれた。このように、多くの選手の活躍が見られたのだが、中でも輝きを放ったのは7.フィリップスと77.川上だったと言いたい。

7.フィリップスはここぞの場面でバスケットカウントをもらっての得点で流れを複数回切ってくれた部分が大きかった。77.川上は決意のスリーポイントアテンプト10本のうち6本成功の20得点と試合を決める活躍を見せた。

試合としては流れのつかみ合いでリードチェンジを繰り返す中、残り30秒同点の場面での静岡のファストブレイクを寸前でファウルで止めた77.川上が、その後のポゼッションでスリーポイント決めた一連の流れがハイライトだった。この最後のスリーポイントも77.川上には2人のマークがついていたが、それでも迷わずシュートを放ったところにこの試合への決意を感じた。

昇格候補筆頭の静岡相手に勝利を飾った山口。11月は5割の勝率で乗り切ることに成功した。


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