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【マッチレビュー】山口パッツファイブ 〜新たな航海〜 #11


GAME1
山口97-84八王子
(26-24,27-23,13-17,31-20)

2023年ホーム最終節となる山口。その対戦相手は八王子ビートレインズとなった。八王子は現在11勝9敗で9位につけており、プレーオフ圏内の8位とは勝敗で並んでいる。今節は79.森田と81.石川が欠場となった。
山口としては直接のライバルとなる相手に対してホームでの連勝が欲しいところだ。

立ち上がり、独りよがりなオフェンスが多く、ボールが回らない山口に対して、ピックアンドロールからのインサイド陣のダイブや13.東のアタックで得点をする八王子が先手を取った。
また、14.ジャクソンは31.ドブラスに対して序盤早々にファウルを3つ犯し、山口としては最悪の入り方となった。
しかし、八王子も山口にお付き合いする形でターンオーバーが増えると、32.吉川の投入で次第に山口のボールが回るようになった。その中で、3P攻勢により山口が逆転に成功。1.エイブラムが3本、チームとしては計6本の3Pシュートを決め、26-24と2点のリードを奪った。

2Qも77.川上の早いタイミングでの3Pシュートが決まると、山口が流れを掴むことに成功した。32.吉川のスティールから2.上松のシュートも決まり、9-0のランを作りリードを広げた。
八王子はオフィシャルタイムアウトの直前からビックラインナップで対抗を見せる。サイズの優位を活かし、インサイドで加点をしながら山口の焦りを誘発。途中得点が決まらない時間もあったが、山口のゲームコントロールの拙さにも助けられ、31.ドブラスが1.エイブラムへ3つ目のファウルをドローンしながらバスケットカウントを獲得し4点差まで追い上げる。
それでも31.ドブラスが個人3つ目のオフェンスファウルを犯し、返しのポゼッションで8.下山がこの日3本目の3Pシュートを沈め、山口が53-47と6点のリードで折り返すこととなった。
スタッツには残らないが、八王子最後の2つのポゼッションで2つのオフェンスファウルをドローンした23.石橋はチームを大きく救った。

3Qは序盤から山口のシュート確率が高く、1.エイブラム、11.山口に3Pシュートが生まれ、12-6のランでリードを再び10点に広げた。
しかし、その後は31.ドブラスの高さが気になったのか、ゴール下のシュートタッチが乱れ、じわりじわりと八王子のインサイドの得点で点差を詰められてしまう。
山口はフリースローが1/8しか成功せず、6分半以降は14.ジャクソンのフリースローの1得点にとどまった。それでもディフェンスリバウンドを確保したことによって、66-64と2点のリードを保った。

4Q立ち上がり、流れを変えたのは32.吉川だった。最初のポゼッションでチームが作ったアタックからレイアップシュートを決めると、4得点1アシスト2リバウンド1スティールの活躍で9-0のランを作り出す立役者となった。
その後も25.田中のディフェンス、アシストから1.エイブラムのシュートが決まり、この試合最大で16点のリードを奪った。
それでも、八王子も5.サリバンの3Pシュートとバスケットカウントで粘りを見せる。そして、オフィシャルタイムアウト明けには1.エイブラムの早いタイミングでの3Pシュートのリバウンドを拾うと、23.バンバの3Pシュートで12点差に追い上げ、あわやという流れを作り出す。
しかし、このポゼッションを受けて取ったタイムアウトでチームの意識を統一し、時間を使ったオフェンスから着実に得点を重ねることに成功した山口。ショットクロックの間際でオープンを作ると、そのシュートを確実に決め、最後は危なげなく逃げ切った。

外国籍が早々にファウルトラブルとなり、チームとして焦りのようなものが見える試合運びだったが、司令塔の32.吉川の活躍から、これまでの反省を活かしたクロージングで逃げ切りに成功。山口が大事なGAME1を先勝で飾った。

GAME2
山口81-125八王子
(20-37,16-30,21-23,24-35)

連敗を避けたい八王子。5.サリバンをスターターで起用するビックラインナップで試合に入った。
その八王子は30.髙橋のフローターと99.大城の3Pシュートを含む5得点で、いきなり0-7のランを作る。
タイムアウトで流れを切りたい山口だったが、打てば入る八王子のオフェンスに規制をかけることができず失点を重ねてしまった。八王子の3Pシュートの確率が5/7で71%、2Pシュートも10/17で大量37失点。オフェンス面でもシュートが入らず、14.ジャクソンの強引なインサイドアタックにかける形が多くなってしまった。
終盤は32.吉川や8.下山の3Pシュートも生まれたものの、20-37と大きなビハインドを背負う1Qとなった。

2Qは山口が八王子のインサイドアタックに対して厳しいチェックと全員でのリバウンドでディフェンスに成功する入りを見せた。その後のオフェンスでも、14.ジャクソンの強さを活かして31.ドブラスに3つ目のファウルをさせながら連続得点を挙げた。
しかし、その後の8.下山の2本の3Pシュートが落ちるのと対照に77.大金の3Pシュートが決まると、流れは再び八王子に。山口のオフェンスリバウンドへの意欲の裏側をつくタッチダウンパスで効果的に加点するシーンも多く、オフィシャルタイムアウトまでで21点の差がついた。
タイムアウト明けも止まらない八王子。5.サリバンのシュートタッチが好調で、彼自身の得点や彼を囮にした周りの選手の合わせで得点を積み重ねていく。1.エドギ、5.サリバン、30.髙橋の3人が2桁得点を挙げ、36-67と前半で勝負を決めたと言ってもいいほどの大量リードを奪った。

意地を見せたい山口は11.山口を先頭にディフェンスの強度を高めて八王子オフェンスの制限を図る。しかし、八王子は全く動じることなく、ビックラインナップによる高さのミスマッチを活かし、5.サリバンのポストアタックで得点を重ねた。また、要所で飛び出す30.髙橋のドライブアタックも高い確率で決まり、得点ペースが落ちることはなかった。
山口は前半よりも良いディフェンスとファストブレイクが飛び出していたが、八王子のリズムが狂わないのと、オフェンスリバウンドが取れないところで素早く攻められ、さらに点差を広げられてしまった。
3Qを終えて57-90と八王子が大きなリードを保った。

4Qは互いに早いトランジションから次々とシュートを放ち得点を重ねる展開となった。八王子は40分間オフェンスの精度が落ちず山口を圧倒。前日のリベンジを果たした。
このような展開になってしまうと、ポイントとなった部分は序盤に挙げざるを得ない。5.サリバンを起用しビックラインナップから高さのミスマッチを活かして、0-10のランを作り出した八王子の戦略が見事だった。
山口は7.ケンドリックが欠場だったが、悪い意味でそれを感じることなく、序盤でペースを掴まれてそのまま押し切られてしまった。早いタイミングでタイムアウトを使い切るなど、できることをやろうとする姿勢は感じ取れたものの、この試合に関してはなす術がなかった。

今週は両チームともに痛み分けの1勝1敗の形となった。


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