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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #26

第13節 vsヴィアティン三重

GAME1
三重96-82山口
(28-18,20-27,21-17,27-20)

新年最初のゲームの相手は三重。今シーズンよりB3に参入した新興チームの一つである。

立ち上がりは三重のペース。チームとしてアウトサイドからのシュートを積極的にクリエイトするスタイルに見えたのだが、それが見事に嵌った。中でも1.ヘイモンドが得点を量産し、チームで28点を取った1Qだった。

山口は、11.山口のシュートタッチは良かったものの他の選手がなかなか追随できず、苦しい展開に。しかし、2Qの中盤以降はディフェンスが改善し24秒バイオレーションを取るなど三重のオフェンスを制限できるようになった。すると、持ち前の速いバスケを展開できるようになり、9.重冨が躍動。スリー2本をはじめとしてチームを勢いづけた。

3点差で迎えた3Qは三重がディフェンスからトラップを積極的に仕掛け、流れを掴みに行っていた。最初の波は何とか凌いだ山口だったが、チームファウルが溜まってフリースローで3ポゼッション差に広げられると、4Qの立ち上がりで数本のフリースローを決められずに流れを失った。

三重は4Qに34.高松がスリー2本を含む8得点で山口を突き放し勝利を決定づけた。1.ヘイモンドは33得点の大当たり。2.マーティンと5.アーティンソンも2桁得点と取るべき人がしっかりと得点を取り、新年最初のゲームを快勝で飾った。


GAME2
三重92-94山口
(29-23,18-28,15-28,30-15)

GAME2は三重のペースで始まった。積極的なディフェンスの仕掛けからコフィンコーナーでスティールして得点に繋げたり、オフェンスも1.ヘイモンド、9.溝口を中心にシュートタッチも好調だったり、一時は10点のリードを奪った。

山口は三重のディフェンスの仕掛けに対応できず、7.フィリップスも開始2分半でファウルが2つと厳しい立ち上がりになった。しかし、94.延原のリバウンドでの奮闘や11.山口のスリー、8.土居のアタックで被害を最小限に食い止め、6点差で1Qを乗り切った。

2QはTUBC戦でうまくいかなかったスモールラインナップがチームにテンポを生み出し、山口が試合をひっくり返すことに成功した。ここでも11.山口のスリーポイントシュートが要所で決まっていた。

3Qは三重のオフェンスの終わり方が悪く、ポゼッションを得た山口が切り替えで圧倒し効率良く得点を積み重ねていった。3Qの頭で0-12のランを作ってリードを広げ、そのまま勝ち切るかに思われたが、4Qに三重が巻き返し試合はどちらに転ぶか分からないものに。

三重はゾーンディフェンスで山口を苦しめ9.溝口をポイントゲッターに追い上げを見せ、2点差まで迫ったが、土俵際で山口が踏ん張った。踏ん張りの要因は、9.重冨のコントロールから時間を目一杯使って得点を挙げたことだったと思う。試合のクローズに成功した山口が1勝を返した。


第14節 vs横浜エクセレンス

GAME1
山口93-109横浜
(23-29,16-34,26-15,28-31)

B1の宇都宮でも活躍していた5.LJ・ピークが加入した横浜。山口はアウェイで叩きのめされた相手に対して、ホームでどのように対抗できるかが注目となった。

1Qから横浜が前に出る展開。7-7から5.ピークの得点やトランジションオフェンスで0-9のランを作りリードを奪った。中盤以降は21増子がスリーポイントを連発し得点を重ねた。しかし、山口も7.フィリップスがゴール下を支配しセカンドチャンスポイントなどで何とかつなぎ、6点差で1Qを凌ぐことに成功した。

2Qから3Qの終盤までは再び横浜のペース。4.塚本のスピードでオフェンスにアクセントがつくと5.ピークのところのミスマッチを生かし2ポイントを重ねリードを広げた。5.ピーク以外にも40.フェイゾンのゴール下や33.俊野のアウトサイドシュートも山口からすると厄介だった。

山口は3Qの残り3分から9.重冨を投入し32.吉川とのツーガードでディフェンスから圧力をかけることに成功。13-0のランで一気に点差を詰めて、11点差まで追い上げた。しかし、山口の戻りの遅さから横浜にアーリーオフェンスを許すと再び反撃する力は残されておらず、93-109で横浜が快勝となった。


GAME2
山口79-97横浜
(22-28,23-20,10-31,24-18)

GAME2は横浜のオフェンスの狙いが印象的だった。40.フェイゾンの強さを生かして押し込むのはもちろん、5.ピークもペイント内でボールを受けてゴール下の得点を重ねていた。1Q、2Qともに最初の得点はビックマンから5.ピークへのハイローだった。この点からもこの試合のオフェンスの意図が読み取れるように感じた。

前半は横浜にファウルトラブルやターンオーバーがあり、競った展開で進んでいった。山口はゾーンを活用しながら何とか横浜のアタックを止めてオフェンスにつなげることができていた。

試合が動いたのは3Q。山口のオフェンスが停滞し点差が広がっていった。オフェンスが99.リチャーズ中心となる中、ボールを預ける位置がリングから遠く、タフなシチュエーションを作ってしまっていた。そのような状況でもシュートを決めてしまうのが99.リチャーズではあるが、この試合ではそのシュートが決まらなかった。3Qだけで10-31のスコアとなり、ここで勝負が決まった。

横浜は8.西山のスリーやアーリーオフェンス、40.フェイゾンのインサイドなど、着実に得点を重ね、前日に続き快勝。上位のチームとして順当に連勝を飾った。


第15節 vs立川ダイス

GAME1
立川69-88山口
(22-20,7-27,28-16,12-25)

先月にホームで痛恨の連敗を喫した立川とのリベンジマッチ。負傷の3.コビーに代わり35.マンダーソンが加入しロスター入り。陣容が揃いここから反撃といきたいところだ。

立ち上がり11.山口と8.土居のコーナースリーで幸先の良いスタートを切った山口だったが、次第に立川のオフェンスに押され始める。ピックを使ってずれを生み出しリングへのアタックを繰り返す立川。また、99.リチャーズのポストアタックに対してのダブルチームも有効で22-20の1Qとなった。

2Qは立川が良い形で放ったスリーポイントシュートが悉く外れる中で、山口がペースを掴んでいく流れに。山口のスリーは絶好調で25.田中の2本、8.土居の3本、11.山口の2本とチームとして高確率で決めることができていた。中盤以降に0-19のビックランを作った山口が18点のリードを持って前半を折り返した。

後半は一転立川ペースに。エナジー全開のプレーで山口を混乱に陥れると2.酒井の連続スティールもあり流れは完全に立川へと渡った。一時は3点差まで詰め寄ったが、要所で25.田中と77.川上のスリーや99.リチャーズのミドルショットが決まり6点リードで勝負は4Qへ。

どちらに転ぶか分からない展開の中、4Qの頭に7.フィリップスのポストへの合わせとフックショットで4点を奪った32.吉川のプレーが勝負を分けたように思った。

それ以降もガード陣と99.リチャーズが続き、再び点差を広げた山口が69-88で快勝。立川に対する星を一つ返すことに成功した。


GAME2
立川83-82山口
(27-15,12-27,21-22,23-18)

GAME2は35.マンダーソンがスターティング5に。99.リチャーズはベンチからとなった。

試合の入りは立川がスリーポイント攻勢でリードを奪った。3.町井、32.秋山、14.ウォーリーがそれぞれ沈めて13-2の入りとなった。その後、立川のシュートが入らないうちに山口が0-9のランで追い上げを見せたが、1Qの終盤に18.森本が連続スリーで再びリードを広げた。

27-15とビハインドを背負った山口だったが、ディフェンスからリズムを作り、2Qのうちに逆転を果たした。この試合では山口の積極的なディフェンスが印象に残った。立川のピックを使ったツーメンゲームに対して山口のビックマンがブリッツ気味に前に出たり、スイッチしてそのままボールマンについたりしてズレを作らせないことに成功していた。特に7.フィリップスの機動力は立川を苦しめていた。

山口はオフェンスでも7.フィリップスのゴール下の強さと99.リチャーズのシュートタッチでディフェンスからの流れをスコアに結びつけていた。3Q終わって4点リードの展開だった。

しかし、4Qに立川が山口のディフェンスに対する回答を見せた。7.フィリップスに比べると機動力が落ちる99.リチャーズに照準を合わせてオフェンスを展開。3.町井と34.ブラクニーのツーメンゲームを中心にズレを生み出し得点を重ねていった。試合終盤は1ポゼッション差の接戦となり、山口が99.リチャーズの3.町井へのプレスから11.山口のスリーで逆転を果たしたが、14.ウォーリーのドライブアタックで立川が再逆転。残り9.8秒での山口オフェンスは99.リチャーズのポストアタック。ターンからのショットはリングに嫌われゲームセット。GAME2は立川が接戦を制した。

この連戦は1勝1敗。プレーオフを目指す両チームにとっては痛み分けの結果となった。


第16節 vs岩手ビッグブルズ

GAME1
岩手91-70山口
(18-17,20-17,30-24,23-12)

1月最後の相手は岩手。首位争いを繰り広げる強豪チーム。天皇杯ではB1の川崎と接戦を演じた。山口にとっては厳しいアウェイゲームになることが予想されるが、どのように抵抗を見せてくれるのかが楽しみだ。

山口は8.土居と31.富田がロスター外となり、77.川上がスタメンとなった。

GAME1はディフェンスゲームとなった印象だ。岩手は40分間強度を保ち、高い位置からプレスをかけ続けるスタイル。山口はマンツーマンとゾーンを使い分け、チェンジングで岩手を惑わせようとしていた。山口は岩手の圧力に押されながらも何とか前線にボールを運び得点を挙げていた。また32.吉川が持ち前のスティールで相手のオフェンスを封じ、山口の得点機会を作っていたのが印象的だった。前半は38-34で折り返すことになった。

後半もディフェンスゲームの流れは変わらず。ただ、両チームともアウトサイドからのシュート確率が向上し、ハイスコアゲームとなった。その中で先に岩手が7-0のランでリードを広げたが、山口も32.吉川、99.リチャーズ、11.山口などのスリーポイントで応戦する展開。

ポイントとなったのは3Q終盤から4Qのオフィシャルタイムアウトまでだった。岩手がダブルチームによるスティールをきっかけにアーリーオフェンスとリバウンドからのセカンドチャンスで一気に畳みかけていった。特に、このゲームでは岩手のオフェンスリバウンドが猛威を振るった。山口のディフェンスリバウンド21に対して岩手のオフェンスリバウンドが22と山口を圧倒。

ディフェンスゲームの中でセカンドチャンスからの得点で状況の打開を見せた岩手が結果的には91-70と大勝を飾った。


GAME2
岩手90-69山口
(28-16,21-18,21-19,20-16)

GAME2も立ち上がりから岩手が強烈なプレッシャーで山口を苦しめていた。岩手のディフェンスはB3の中でも特筆すべきものがあるように感じた。高い位置からのダブルチームの強度、その後のローテーションの速さ、そしてトランジションでの戻るスピードといずれも素晴らしかった。

1Qでは2.石川や30.横川のスリーも決まり28得点と大量得点を挙げた岩手だったが、2Q以降はシュートタッチに苦しむ展開に。しかし、前述したディフェンス力で山口の追い上げを許さず、少しずつ少しずつ点差を広げていった。

1Qで12点の差をつけた後は2Q〜4Qで7点しか広がっていないところからも分かるように、岩手の堅実さと試合巧者ぶりが光ったゲームだった。

山口は終始岩手のディフェンスに苦しめられ良いところがなかなか出ない展開だった。自分たちもディフェンスから仕掛けるなど積極性は見せたものの、それが得点に繋がらなかったのは痛かった。アウェイでの2試合は岩手に力の差を見せつけられる結果となった。


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