【大きな流れを掴み取る力】 〜24-25 B3 第1節 立川ダイスvs山口パッツファイブ マッチレポート〜
GAME1
立川90-83山口
(24-17,20-21,19-18,27-27)
スターティング5
立川:町井・イングラム・森本・フィッツジェラルド・秋山
山口:重冨・プレストン・パクセジン・マックスウェインJr.・川上
-1Q-
9.重冨のドリブルからのレイアップシュートで先制した山口だったが、その後は攻守に渡って主導権を握られリードを許す展開に。
天皇杯よりもアグレッシブに、トラップも頻繁に仕掛けてくる立川ディフェンスを前にズレを生み出すことができなかった。
ディフェンスでも21.フィッツジェラルドと9.重冨のマッチアップから4失点、15.イングラムの速攻を2度許し、後手を踏んだ。
ただ、ボールを回しアウトサイドのスペースが見られるようになると、オフェンスが改善。
77.川上、4.コラムの3Pシュートで反撃に転じる。
立川は終盤に再びディフェンスの強度を上げ、32.秋山、13.田中の連続スリーで流れを掴む。その後は3Pシュートを立て続けに落として、山口の追い上げを許すも、2.ブルーナーのミドルショットと13.田中の3Pシュートで突き放し、24-17とリードを奪う1Qとなった。
-2Q-
2Qは重い展開を予感させる出だしとなった。
立川はアウトサイドのシュートが決まり切らず、山口はオープンなシュートチャンスを作り出すことに苦労していた。
立川は15.イングラム、山口は21.マックスウェインJr.の得点が生まれるものの、流れはどちらにも渡っていないような展開だった。
その中で、先にペースを掴んだのは立川。15.イングラム、21.フィッツジェラルドのペイントへのアタックが山口をディフェンスを切り裂き、着実に加点をしていった。ディフェンスでも山口をペイント内から押し出し、厳しい体勢でのシュートを強いて、リバウンド確保につなげていた。
しかし、オフィシャルタイムアウト明けに山口も反撃。21.マックスウェインJr.の得点から77.川上、11.山口と連続で3Pシュートが決まり、一気に点差を詰める。
終盤は両チームとも得点を取り合い前半終了。
立川が44-38と6点のリードとなった。
-3Q-
後半立ち上がりは、山口がディフェンスで立川のペイント内への進入を防ぎ、ペースを掴みそうな雰囲気を感じさせる入りとなった。
しかし、速攻を繰り出そうとする中でのもったいないパスミスを3つ続けてしまうと、21.フィッツジェラルドの個人技、18.森本の3Pシュートで立川がリードを広げる形となった。
その後は山口もオープンな3Pシュートを確実に沈め、少しずつ点差を詰めにかかるが、立川も21.フィッツジェラルドのシュート力や13.田中の得点で流れを渡さずに進める。
終盤は32.吉川、31.富田を中心としたディフェンスで山口が優勢に進めるものの、21.マックスウェインJr.のダンクを14.佐藤がブロックして見せるなど、立川が寸前のところで山口の得点を防ぎ、63-56と点差をキープして乗り切った。
-4Q-
4Qは21.フィッツジェラルドの独壇場で立川がリードを広げる入りとなる。少々厳しい体勢でもいとも簡単に決める21.フィッツジェラルドの活躍によって、点差が10に広がった。
さらに、21.フィッツジェラルドの引力によって生まれたスペースに3.町井がドライブで進入し、連続得点。9-0のランで山口を一気に突き放した。
しかし、オフィシャルタイムアウト明けに、山口の必死のディフェンスが身を結び始める。21.フィッツジェラルドのシュートが落ち始めたこともあるが、高い位置からのプレスでボールを奪い、ブレイクに繋げることに成功。
8.末廣の3Pシュートも生まれ、5点差まで詰め寄った。
ただ、ペイント内のシュートを決め切れず、15.イングラムのドライブアタックを許し、3ポゼッション差となり勝負あり。
残り1分辺りからのファウルゲームも大逆転にはつながらず、立川がそのまま押し切り、試合終了。
ホームの大歓声を受けた立川が90-83で開幕戦の勝利を飾った。
-試合後の感想-
立川はアグレッシブなディフェンスやアウトサイドシュートの成功率など、天皇杯からきっちりギアを上げてきた印象を受けた。
そして、大事なところではやはり21.フィッツジェラルドだった。3Qの内容を考えると山口の猛反撃を食らってもおかしくない4Qだったが、そこで立て続けに得点を重ね勝利を引き寄せてみせた。
山口としては、前半にシュートの形を作ることに苦しんだところから、後半はディフェンスからの速攻も使いながら上手く立て直すことができたと感じる。
この試合の勝敗という面では3Qから4Qにかけて何度かあった大きな流れを掴めそうな局面をことごとくものにできなかったことが大きく響いてしまった。
もったいないパスミスの連続やシュートミス、立川の寸前のブロックショット…
この辺りのプレーで一つでも自分たちのものにできていれば結果が変わっていてもおかしくなかったように思う。
全体的なパフォーマンスは悪くなく、オープンなシュートは高い確率で決めることができていると思うため、いかにオープンなシュートを作り出せるのかが、シーズンを通してポイントとなるように感じた試合だった。
GAME2
立川68-84山口
(25-22,9-21,20-17,14-24)
スターティング5
立川:町井・イングラム・森本・フィッツジェラルド・秋山
山口:コラム・末廣・重冨・マックスウェインJr.・川上
-1Q-
立ち上がりは得点の取り合いとなる。
山口はオフェンスリバウンドから4.コラムのゴール下の4得点。
立川は21.フィッツジェラルドを囮に15.イングラム、3.町井が得点を挙げた。
ただ、点の取り合いから先に抜け出したのは立川だった。
速攻と遅攻を使い分け、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを含めて、開始から全てのポゼッションを成功させ、18-9とリードを奪った。
山口としては、ペイント内に入ってきてからどうするかというディフェンスになっており、後手後手に回り、立川に比較的簡単なシュートを許してしまっているように見えた。
ただ、32.吉川の投入と立川のシュートが落ち始めたことでオフェンスにテンポが生まれ反撃に転じる。
15.プレストンのインサイドの強さを生かしながら、21.マックスウェインJr.の3Pシュートなどで2点差まで迫る。
終盤も両者ともに点を取り合い、25-22と立川の3点リードとなった。
-2Q-
2Qは立川のアウトサイドシュートの成功率が上がらず、山口が優勢に進める展開となる。
山口のディフェンスが立川にアウトサイドシュートを強いているかどうかは難しいところだが、リバウンドはしっかり確保できており、そこからオフェンスにつなげられていた。
32.吉川のフローター、15.プレストンのオフェンスリバウンドなどで得点を挙げ、28-28の同点でオフィシャルタイムアウトとなった。
タイムアウト明けの山口はon3の布陣を敷き、21.マックスウェインJr.と53.森・10.福田のミスマッチを起点にしたオフェンスで10得点を挙げ、一歩抜け出すことに成功する。
最後までon3を突き通した山口は21.マックスウェインJr.の10得点2アシストの大暴れもあり、6-15とオフィシャルタイムアウト明けに大きな流れを掴んだ。
前半終わって34-43と山口のリードとなった。
-3Q-
3Qの立ち上がりは、両チーム点を取り合う展開。
立川は21.フィッツジェラルド、3.町井の2Pシュート、15.イングラムの3Pシュートでの得点。
山口は32.吉川のフローター、4.コラムのゴール下、11.山口の3Pシュートなどでの得点。
山口は11.山口の3Pシュートや再度のon3で流れを掴みにかかるが、13.田中の3Pシュートや21.フィッツジェラルドのフローターで立川も追い縋る流れとなった。
どちらも大きな流れを掴むことはなく、まさに一進一退の攻防が続き、クウォーターの最後まで試合が進んでいった。
クウォーターのスコアが立川の1点リードで迎えたラストポゼッションで8.藤井のプレスを感じた9.重冨が痛恨のターンオーバー。そして、返しのポゼッションで2.ブルーナーがミドルジャンパーを沈め、54-60と立川が点差を詰めるクウォーターとなった。
-4Q-
4Qの出だしは山口の流れ。
4.コラムが21.フィッツジェラルドとのマッチアップの中、ディフェンスで奮闘を見せ、チームとしてもペイント内のスペースを封殺。
32.吉川のテンポの速さを生かした31.富田の2本の3Pシュートで0-8のランを作る。
その後も良いディフェンスから4.コラムの3Pシュートで15点のリードを奪うも、77.川上やら4.コラムのオープンスリーが決まらない間に立川の反撃を許してしまう。
21.フィッツジェラルドのゴール下と13.田中の3Pシュートで立川が10点差に迫り、オフィシャルタイムアウトに突入する。
直後のオフェンスもピックを使ってフリーになった8.藤井が3Pシュートを沈め、8-0のランで追撃体勢を整えた立川。
しかし、ここで山口セカンドユニットのアウトサイドからのシュートが炸裂。
ショットクロック間際で31.富田がミドルショットを沈めると、11.山口、そして31.富田が3Pシュートで続き試合を決めた。
8.藤井の3Pシュートの後、ディフェンスの強度がさらに増し、立川に思い通りのシュートを打たせなかった山口。オフィシャルタイムアウト明けのスコアで7-13と上回り、最終スコア68-84と今シーズン初勝利を飾った。
-試合後の感想-
粘る立川を最後の最後で振り切った山口。
17.パクセジンをコートに送るビックラインナップがハマり、逆転を果たした前半の時間帯と、セカンドユニットを送って、32.吉川、11.山口、31.富田のガード陣で勝負を決めた4Q後半の時間帯。
昨日は掴むことができなかった大きな流れをこの2つの時間帯で掴み取れたことが勝因だった。
昨日苦しめられた21.フィッツジェラルドにも4.コラムが主にマッチアップしながらうまく守り、チームとしてもペイント内のスペースをできるだけ狭くすることができていたと思う。
今後に向けて気になることを挙げるとすれば、テンポを落とした際のセットオフェンスだ。
天皇杯から通して、セットオフェンスでオープンなシュートを生み出せている回数がそれほど多くないように感じている。
うまくいっている時間帯は32.吉川の判断力とテンポの速さで何とかしているように思う。この辺りがうまくクリエイトできるようになると、膠着する時間帯を少なくすることができると考えられるため、この後の試合のポイントとして注目していきたい。
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