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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #23

いよいよ、山口ペイトリオッツのB3参入2年目のシーズンが始まる。今シーズンはB3にもプレーオフが導入。まずは上位8チームに入ることが各チームの目指すところとなる。山口もプレーオフ進出に向けて最初の1ヶ月でスタートダッシュを決めたいところだ。

第1節 vs八王子ビートレインズ

待ちに待った新シーズンの開幕。開幕戦の相手は八王子ビートレインズ。昨シーズンの対戦成績は1勝3敗。負け越した相手に対してホームで挑む開幕戦となった

GAME1
山口89-85八王子
(18-20,23-16,21-21,27-28)

GAME1は一進一退の攻防が続くクロスゲームとなり、89-85で山口が制した。新加入の32.吉川、7.フィリップス、99.リチャーズがそれぞれ自分の良さを出し、8.土居、11.山口がチームを引っ張った。特に11.山口の大活躍がチームを引っ張り、苦しい試合展開の中で八王子の心を折るようなスリーポイントを連発してくれた。

スターティング5各々の良さが出た一方で、ベンチメンバーの活躍は少し物足りないものがあった。9.重冨は持ち味のスピードを生かしてチームを勢いづける場面もあったが、チーム全体としてベンチメンバーの得点が9.重冨の3点だけだったというのは今後に向けては課題となるポイントであろう。

八王子は1.フィールズのインサイド、32.ベイカーの内外からのシュート、7..大金のアタックなどで追いすがったが、最後は山口に及ばなかった。


GAME2
山口66-69八王子
(12-17,17-22,15-15,22-15)

GAME2は一転してロースコアのゲームに。山口はGAME1で活躍した11.山口と8.土居のアウトサイドシュートが沈黙。チームとしてもフリーで放つシュートも決まらないという難しい試合展開となった。

八王子は32.ベイカーが立ち上がりからスリーポイントシュートを連発。21得点10リバウンドのダブルダブルの活躍となった。また、GAME1に引き続き77.大金のチャンスメイクと要所での得点が印象的だった。

山口はディフェンスから八王子のターンオーバーを誘発して何とか離されずについていくことに成功。後半はオフェンスリバウンドを確保することでオフェンスを繋ぎ、残り13秒のマイボールで3点差という展開まで持っていくことができた。昨シーズンまでのチームはこのような粘りがなかなか見られなかった印象もあったため、最後のワンショットまで見せ場を作る展開となったことは良かったと言える。

1勝1敗の開幕節となったが、爆発力と粘りを見ることができたゲームだった。


第2節 vs岐阜スゥープス

第2節の相手は岐阜。昨シーズンの対戦は1勝3敗。ホームでの連戦となる山口は連勝を飾りたい2試合となった。

GAME1
山口71-90岐阜
(21-22,15-27,19-21,16-20)

GAME1は岐阜が終始リズムを握り快勝となった。岐阜はガード陣がアウトサイドから効果的にシュートを沈め、外国籍選手がインサイドで押し込み2点を重ねるという理想的なオフェンスを展開していた。

後半、山口に追い上げられる中で33.荒川と42.ダールメンの得点で流れを切っていたのが印象的だった。彼らの活躍が大きかったように思う。

山口はディフェンスで岐阜のリズムを壊すことができず、自由にやられた印象だった。特に岐阜のピックに対してのディフェンスが甘く、ボールハンドラーに自由にプレーをさせていたように見えた。そこからのドライブやアンダーに入ってしまってからのスリーポイントで得点を許していた。

その中で、山口は3.コビー・77.川上・41.鮫島がリーグ戦初出場となった。3.コビーと77.川上は26分の出場となり、チームの中心として考えられていることが分かるような起用だった。3.コビーは機動力もある選手のように見えたため、山口のスタイルにフィットしてくれるのではないだろうか。

兎にも角にもディフェンスからといった印象で、GAME2では激しいディフェンスからのファストブレイクという形で試合を進めていけるような展開になってくれればと思う。


GAME2
山口104-70岐阜
(30-16,22-14,27-21,25-19)

前日の試合から一転、終始山口ペースで進んだ。立ち上がりに32.吉川と11.山口が連続でスリーを決めてリズムに乗ることができたのか、シュートタッチが良かった山口。99.リチャーズのミドルショットも冴え渡り、1Qから30点を奪ってみせた。

一方の岐阜は、シュートタッチが悪くリズムに乗り切ることができなかった。それでも序盤はファストブレイクや33.荒川を起点にしたツーメンゲームで得点を挙げていたものの、33.荒川がベンチにいる時間帯でのオフェンスがうまくいかず大きなリードを許す展開にしてしまった。

大きなリードを奪ったリバウンドからのファストブレイク、32.吉川のスティールからのイージーバスケットなど、持ち前のスピードを存分に発揮した。後半は7.フィリップスの機動力、77.川上のスリーポイントと多くの選手の活躍もあり100点ゲームでの快勝となった。


第3節 vsさいたまブロンコス

今シーズン最初のアウェイ戦の相手はさいたまブロンコス。昨シーズンの対戦は4戦全敗、力の差を見せつけられた相手である。今シーズンのさいたまは昇格候補筆頭の岩手に1勝1敗、新規参入で話題をさらっている東京Uにアウェイで連勝と昇格候補の力を示す出だしとなっている。

GAME1
さいたま105-75山口
(22-28,24-17,27-10,32-20)

1Qから2Qの途中までは山口がリードを奪う展開となった。32.吉川の3つのスティールからのイージーバスケットでリードを奪ったような形だった。99.リチャーズのポストからのミドルショットやその99.リチャーズにダブルチームにくるさいたまの逆を取った77.川上のスリー、25.田中の積極的なアタック等々、山口の躍動が目を引いた。

しかし、山口は終始ファウルトラブルに苦しんだ。クウォーターの早い時間にチームファウルが4つに到達し、ファウル即フリースローになる中で、さいたまが追い上げを見せた。ファウルができない山口を尻目にペイントへのアタックを徹底するとインサイドを支配し、46-45と逆転して前半を折り返した。

後半もその流れは続き、山口がセットオフェンスで攻めあぐね、さいたまがインサイドへの圧力で点差を広げた。4Qには0.シットンを中心にアウトサイドからのシュートが全て入る勢いで勝負に蹴りをつけ、105-75での大勝となった。


GAME2
さいたま98-85山口
(36-15,17-18,27-19,18-33)

GAME2は山口がスターティング5を変更し、77.川上を起用した。ただ、前日の流れを引き継いだか、立ち上がりからさいたまが山口を圧倒した。オフェンスリバウンド、シュートタッチ、ディフェンスとあらゆる局面で山口を上回り大きな差をつけた。山口はオフェンスの形が定まらず、ディフェンスでもフリーなシュートを許し厳しい戦いとなってしまった。

3Q以降は99.リチャーズにボールを預けるところからオフェンスをスタートさせることを徹底し、1Qからの修正を見せてくれた。しかし、1Qにつけられてしまった差は大きく、点差を詰めることができなかった。

4Qのオフィシャルタイムアウトの直前で29点差がつき勝負あり。タイムアウト明けはさいたまのアウトサイドシュートが全く入らず点差を詰めたものの大勢に影響はなく、さいたまがホームで連勝を飾った。


第4節 vsトライフープ岡山

今月最後はホームでの岡山戦。岡山は昨シーズン最後のB2昇格決定戦でアルティーリ千葉に敗れ、あと一歩のところで昇格を逃したチームだ。今シーズンこそ悲願の昇格を目指したいところである。今シーズンは岐阜、立川、三重を相手にここまで6戦全勝。山口としてはホームで一矢を報いたい試合となった。

GAME1
山口110-115岡山
(22-11,23-21,19-26,19-25,12-12,15-20)

GAME1は大接戦となった。立ち上がりにペースを掴んだのは山口。岡山のシュートタッチの悪さとターンオーバーにつけ込んでリードを広げていった。山口はガード陣のミドルショットの確率が好調だったのが印象的だった。

岡山は途中から14.マドゥアバムの強さを生かしてインサイドアタックから攻略の糸口を探る展開。それでも山口は9.重冨、25.田中、8.土居のユニットから機動力を生かしたオールコートディフェンスが機能して流れを渡さなかった。これはセカンドユニットのオプションとして、今後も重要なものとなるに違いない。

前半は山口が13点のリードを奪ったが、後半は岡山の追い上げが凄まじかった。4.パーマーから14.マドゥアバムのハイローが強力で山口はなかなか止めることができなかった。そして要所での0.ロビンソンを中心としたスリーポイント攻勢で同点に追いついた。試合は同点のまま終了。山口は今季初のオーバータイムへ。

オーバータイムは一進一退の展開。山口はオーバータイムの途中でビックマンが2名ともファウルアウトとなる厳しい展開。それでもオンザコート0で何とか粘りを見せた。32.吉川と11.山口を中心に得点を重ね、岡山のインサイドアタックに対抗。OT1では決着がつかずOT2への戦いとなった。

OT2は8.土居のスリーや9.重冨のアタックなどで一時は4点のリードを奪った。しかし、6点差にするフリースローのチャンスを逃すと、4.パーマーから14.マドゥアバムへのハイローと0.ロビンソンの連続スリーで逆転。最後は11.山口の同点を目指したスリーが外れ勝負あり。大熱戦を岡山が制した。


GAME2
山口73-100岡山
(24-23,16-25,19-31,14-21)

GAME2も立ち上がりは接戦となった。岡山のインサイドアタックに対してダブルチームで激しくディフェンスする山口。前日からの修正は見せてくれたと思う。そしてチームとしてスリーの確率は好調で、特に終盤の31.富田の連続スリーはお見事だった。

2Q以降は次第に岡山のリズムになった。この試合は何といっても山口のターンオーバーが目立った。1試合で24個のターンオーバーを出してしまい自分たちから流れを手放してしまったような格好となった。それでも3Qの立ち上がりは8.土居の大活躍もあって一時は同点に追いついたが、ここでもターンオーバーが足を引っ張り岡山に差をつけられてしまった。

岡山は激しいディフェンスから内外使い分けた柔軟なオフェンスを展開。強さを見せつけた試合となった。これで岡山は最初の1ヶ月を8戦全勝と見事なスタートダッシュを決めた。


最初の1ヶ月は2勝6敗となった。さいたまと岡山という上位が予想されるチームに対して惜しいところもありながら連敗となってしまった。11月は横浜、静岡とこちらも上位陣との連戦が待っている。バイウィークを挟んだ11月の戦いも注目したいところだ。

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