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いちばん好きな果物のこと

気づいたら、もうすぐそこには冬が。寒さが深まっているこの時期に。全然時期じゃないんだけどね、好きなのです。そう、桃が。
あの夏の始まりから食べられるあの果物が。
じゃあなんで桃の話をしようかと思ったのか。それは最近出会う本という本に桃が出てくるからです。

まず、なんというかあの色。淡いピンクに儚さを感じます。原色じゃなくて、ゆるい、淡い感じ。クリーム色から薄ピンク、ちょっと濃いめのコーラルピンク。濃すぎず、ちょうど良い。
そしてみずみずしさ。桃の時期は、水分大事な時期だと思ってます。重たいもの食べれなくても、適度に甘くて、水分あって、それだけで身体に染み渡っていく気がするのです。
あとは、そうだなぁ。桃の時期が自分の誕生日の時期だからっていう小さな共通点があるということくらい。
そうだ、もう一つありました。スタバの桃が出ると、テンション上がります。最近は新作のフラペチーノの系、美味しそうだなぁって思っても、甘さに負けてしまうことが多くて、飲みきれないことが多いです。桃のフラペチーノなら、さっぱりして飲めきれるし、なにより桃だという気持ちの高まりがあります。

もっともっと掘り下げたかったけど、意外と思いつかなかったです。ごめんなさい。桃そのものに対してはこんなイメージ。

続いては、桃が出てくるお話について考えてみます。くどうれいんさんの『桃を煮るひと』。ここには題名にある通り、桃が出てきます。

ふつふつ煮える桃をしばらく後ろで見ていた母は、おやすみの代わりに「桃を煮ているなぁ」と言って、寝室へ上がって行った。
ゆっくりと鍋底をかき混ぜていると、コーヒーを飲んでいた同居人がしずかにこちらへ歩いて来て言った。「桃を、煮ていますなぁ」
その次の日、何気なく訪れたパン屋で妙に嗅いだことのあるにおいがした。うっとりと凭れるような甘いにおい。桃だ。厨房のほうに目をやると、大きな鍋で桃を煮ているようだった。額に汗をかきながら、大きな鍋に大きなへらを差し込んで混ぜている。私はトングを持ったまま、桃を煮ているひとをじっと眺めてしまった。それで思ったのだ。(桃を煮ているなぁ)と。
桃を煮ているひおには抗えない魅力があるのかもしれない。桃を煮ているとこらに遭遇してしまったが最後、人は催眠術にかけられたようにそこに立ち止まってしまう。

と、このような感じで、食べ物の情景を思い起こせるくらいに丁寧に文章書いてる人って好き。わたしも食べてみたいとか、それ食べてる時ってそんな感じになるよね〜ってなれる文章を書ける人。おいしい食べ物って人を幸せにするよ。おいしいを共有できてる気がして、嬉しくなっちゃうから好きなんだと思うのです。そして、桃への熱い想いも感じるからきっと好きなのでしょう。

他にも桃が出てくる本あったはずなんだけど。なんだか思い出せずにいます。というか、これを書き始めたのは、10月始めくらいだったのに、書ききれず時が経ってしまったので、詰めが甘いのです。桃は適度に熟すとおいしいけど、文章はあたためておいても、熟したりはしないみたいです。これからちょっとずつでも文章書けるといいな。

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