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建築学科出身の僕が就職にプラント業界(電力系)を選んだ理由

こんにちは、ヒヅメです。

プラント業界って知ってます?

石油精製、化学、製鉄、発電、ごみ処理場などのプラント(複数の設備によって構成される大型工場設備)の建設やメンテナンスなどをおこなう業界のことなんですよ。

僕は建築学科出身なのですが、学生時代は「建物」よりもそういったプラントに興味を持っていたんです。

けど、プラントって基本的に、機械、電気、制御の世界なんですよ。そこに設備によって熱力学とか原子力工学とかあるんだと思うんですけど。少なくとも建築物は入れ物であって、プラントの心臓部はそういった機械、電気類なのです。

じゃあなんでそんな、建築にとってメインストリームではないプラント業界に進んだのかというお話をしてみようと思います。

理由1:お給料が高いから

マジで身も蓋も無い話なんですけど、プラント業界って業界全体としてお給料が高い傾向があります。就職四季報(って今もあるの?)とか見れば一目瞭然です。

日本の一般的な企業に就業している人はご存じとは思いますが、お給料って能力給じゃないんですよね。僕がどんなに成績を上げてもその会社が決めたレンジ以上のお給料はもらえません。

つまり、お給料に恵まれたければ良いお給料を払ってくれる会社に勤めるしか手が無いのです。

それに、そもそも歩合制でもないエンジニアにとって同期と差がつくのは出世(役職、階級)に差がついた時くらいでしょう。

僕はまだ古臭さの残る時代の大学生でしたから「少なくとも僕一人が働けば妻や子供を養える程度には稼ぎたいな」と思ってて、平均年収の高いプラント業界は魅力的だったのです。

まあ問題は、僕が偏差値40台の工業高校出身のバカということで、入社にあたってはいろいろ頑張りましたけど、それはまた別の機会にでも。

理由2:海外駐在でさらに稼げそうだから

次も同じ理由かい! って感じなんですけど、ちょっと違うんですよ。

さっきも言った通り、お給料は業界や会社によるところが大きいというのが大前提。

ただ、例えば就職四季報で平均年収が高くてもそこには仕掛けがありまして。平均はあくまで平均なんですよ。

例えばですけど、勤務形態と残業次第では以下のように変わることだってあり得ます。

オフィス勤務+残業無し:
基本給 年550万円
合計年収 550万円

オフィス勤務+月に3~4回土日出勤:
基本給 年550万円
残業代 年200万円
合計年収 750万円

現場勤務+残業無し:
基本給 年550万円
現場手当 年200万円
合計年収 750万円

現場勤め+月45時間残業:
基本給 年550万円
現場手当 年200万円
残業代 年100万円
合計年収 850万円

平均年収何百万という表記に踊らされて入社して、オフィス勤務で残業も無いし最高!って思っていたら全然平均年収に足りないなんてことは現場系の会社ならよくあることです。

内勤よりは現場の方が手当てが出る分稼げます。さらにプラントは立地が僻地であることが多いため転勤を要する現場勤務も多く、その場合住居費は会社持ちですので、可処分所得はさらに上がります。

そして、給料アップの王様が海外勤務(海外駐在)なんです。

だいたい額面でも1.5~2倍に増えますし、現場勤務なら現場手当がさらに加わることもあるでしょう。もちろん残業代だって別途加わりますし、会社都合なので住居費も会社持ちです。そうなると可処分所得は2倍じゃきかなくなります。

そしてプラント業は世界に事業展開していることが多いので、駐在する機会は(そういう部署であれば)多いと言えます。

僕は少しだけ海外で勉強していたこともあったので「絶対に海外勤務したろ!」と思って就職活動をしていました。

理由3:建築系社員が少なそうだから

これはどのプラントかによるのですが、僕が主に狙ったのは電力系ですので、建築系の社員は全くもってメインストリームではありません。

‥が、非主流であることが志望動機だったのです。

大学のクラスでトップクラスのやつらが、めちゃくちゃ大層なポートフォリオを持ち込んで応募しては落選していたゼネコンや建築事務所に、僕は到底入れる気もしませんでしたし、入ってから幸せに生きていける気もしませんでした。

「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」って四字熟語知ってます? 僕もよくわかってないんですけど「大きな集団のビリでいるよりも小さい集団でいいからトップになろう」みたいな意味です。

僕は、偏差値40台の工業高校に入学して以降、ずーっとそんな道を選んできました。苦手なんですよ。ライバルとしのぎを削って‥みたいなの。

僕はね、ちやほやされたいんです!

でも残念ながらそんな圧倒的な実力は無いんです!

となれば「ライバルが少ない、勝てそうなフィールドで勝負しよう!」となったのは必然だったのです。

我ながら書いていて情けなくなってきたな。

理由4:大学の講義で発電に興味を持ったから

ようやく理由っぽい理由になりました。

数あるプラント企業の中でなぜ電力系に興味がわいたのか。

もともと大きいものが好きで、家よりはビル、ビルよりは都市開発、都市開発よりは発電(都市の血液という意味で)と、より大きなものより大きなもの‥と考えていった結果なんですが

建築学科の講義で環境工学というものがありまして、そこで各種発電方法について学ぶ機会があったのが大きかったですね。

教授の口ぶりから原子力発電にやや否定的なスタンスだったのは伝わったのですが「とは言え今は必要なものなんだから、誰かがそれをやらなくちゃいけないじゃん」「あ、オレやってみたいな」と思いまして、電力系‥の中でも原子力に行きたい!と決めたのです。

まあ当時は「原子力ルネサンス」とも呼ばれたイケイケの時代でして、そうした空気感も後押ししてくれましたね。

理由5:就職先が採用してくれたから

当たり前じゃん! って感じなんですけど、最後はこれに尽きますよ。

いくら何を志望していようが、採用されなきゃ意味ないわけで。

僕は実力も大学のネームバリューも無いし、建築学科というプラント業の非メインストリーム出身だったのに採用してくれたわけです。本当にありがたいことですよ。

入社後

そして僕はピカピカの一年生として入社し、無事大きな会社の小さな部署に10年ぶりの新人として配属され、蝶よ花よと可愛がって(育成して)もらいました。

建築系の学生はレアでしたから一級建築士取得まで我慢強くサポートもしてもらえましたし、当時原子力事業部には英語が使える人材がレアだったため海外勤務も早めに体験させてもらいました。

10年ほどお世話になり、一時期は漫画家になるため無職になったりしましたが、今は外資系のプラント企業に縁あってお呼ばれしています。

非常に上手く行き過ぎていて、正直書いていて「結果論だな」とも思うのですが、建築系の学生さんでエネルギーに興味があってお給料もある程度稼ぎたいと思うのであれば、強くおすすめしたい業界です。


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