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ピアノ

和声の際立つピアノは
七色に音色をくゆらせ
聴く者を絵画の世界へ誘う

甘やかな貴婦人のピアノは
燭台のゆらぐ火影を映し
繊細な郷愁を沸き上がらせる

私のピアノは
絶品の和音も珠玉の艶めきも
持ち合わせてはいないが
極小の響板いっぱい
奏でることを謳歌して
凛とした深みと
小気味良さが愛しい

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2021年2月16日 Twitter投稿詩『ピアノ』

名だたる世界の名器は、それはそれは美しい音を奏でます。
ぽろんと一音。ただそれだけでもう、繊細なシャボン玉のような、透明水彩絵具なような、光の透過する音の重なり。
あるいは、なよやかな絹のような艶めきが、時間の流れが緩やかだった頃を思わせる、懐かしいような、ずっと身を任せたくなる優しさ。

長い付き合いになる愛器は、そんな代名詞のようなものも持ち合わせず、小花のようなさりげないのですが。
小さなボディいっぱいに、鳴ることが楽しくてならないと言った風情。私と共に歩んできた人生の伴侶。湯捏ねされた音色が美しく、いつか飴色になる日まで。

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謝辞:画像作成には『SS名刺メーカー』sscard.monokakitoolz.net/ を使わせていただきました。

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