所信表明

 初めまして。脾臓と申します。平日は仕事をし、休日は趣味を楽しみ、Twitterでは動物の雑貨とお菓子を愛す女児として、ごく平均的な人生を歩んでいる人間です。

 私はえずこシアターという住民劇団に所属している。メンバーは十代から六十代まで幅広い年齢層であり、職業も様々。当劇団は山の手事情社という劇団の倉品淳子さんが演出をしている。山の手メゾットと呼ばれる手法を用いて、その様々な手法を組み合わせて作る構成演劇という演劇をやっている。自分の周囲で起こっていることを基に作るショートストーリー、生活上での衝動や感情を踊りに変えるルパム、日常で起こったことを話していく一人語りや漫才などを組み合わせて、一つの作品を作り上げていく。
 プロの舞台俳優と比べると技術面で劣るところはもちろんあるけれど、当劇団の強みは、学生や主婦、会社員として日常生活を送っている中で起こった出来事を敏感なアンテナで察知し、大切に磨き上げ、芸術へと昇華させていく。当劇団の舞台は、団員それぞれのこれまでの生活や生き様を感じる。何とも言えない味があり、プロでも簡単に真似できないような魅力がある。私はそんなえずこシアターが本当に大好きだ。 

 ここ数年、私はえずこシアターでの活動を休んでいた。演劇が嫌いになったわけではない。仕事が忙しくなり、少し稽古を休む期間があったのだが、その間にどんどん成長していく周りの団員。増えていく魅力的な新メンバー。演技が上手いわけでも、身体能力に優れているわけでもない私が、皆と肩を並べて舞台に立つのが怖くなってしまった。一緒に稽古するのが辛くなってしまい、ずるずると休み続けてしまっている。

 稽古を休んでいる期間に、仕事に没頭してみたり、寄席通いをしてみたりと、日常生活を楽しんでいた。仕事をすると、うちの上司は癖が強いのでモノマネできれば皆笑ってくれるかもしれない。寄席へ行くと、私ならこういうまくらを挟んで喋りたい。困ったことに、舞台を離れて日常生活を送って程に、構成演劇がこっちに近づいてくる。

 先日、INDEPENDENT:SNDという、オーディションを勝ちぬいた7チームがそれぞれ一人芝居をやるという舞台を観に行った。「い し」という舞台は当劇団のメンバーが主演・演出、χ梨ライヒさんが脚本を担当していた。たいへん良い舞台で、こんな上手い人と一緒に立てないという恐怖ではなく、ただただ「私もやりたいな」と思ったし、ライヒさんみたいに何か書いてみたいと思った。
 「25歳」という舞台は、「私もできる」と励ましてくれた。

 私は変わった人への遭遇率が他の人より高いらしく、遭遇した時のエピソードトークを劇の幕間にすることが多かった。

 とりあえず、リハビリがてら昔した話を載せたり、舞台でやる程ではないけど誰かにしたい話を載せたりしていきたいと思う。もしよかったら、たまに読んでやってください。


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