2022.12.8 神田陽子一門講談会に行った話
神田陽子一門会に行く
私の最推しの一人である講談師の神田桜子さんが、初めて師匠と一緒に仙台で講談会をやる。これは行くしかない。桜子さんと布教したいと常々思っていた私は、最近周囲に講談の良さをプレゼンしていた。講談に興味を持ってくれた私の最愛の友人が、一緒に会に行ってくれることとなった。この友人、感受性が非常に高く、いつも面白い感想を言ってくれるので一緒に行くのが非常に楽しみだった。
あおばさん
今日は前座さんの高座から始まるのか、全員でのトークから始まるのか。二番太鼓が鳴っている間にどちらなのか想像する時間がとても好きだ。ワクワクする中で、幕が開く。出てきたのは私服の陽子先生と、師匠よりちょっと年上くらいの女性だった。誰だ。チラシにいない隠れキャラなのか、なんなのか。その女性はあおばさんという、陽子師匠の講談教室に20年以上仙台から通っている方。その女性の高座も披露してくれるという。
ちなみに陽子先生が私服だったのは、受付でいろんな方とお話していたら着替える時間が無くなってしまったのだそう。葡萄色の綺麗なニットと黒のパンツでお洒落だった。ただし靴下は黒の5本指ソックスだった。この抜け感が良すぎて、もう好きだった。
あおばさんが演じたのは「白虎隊」
私の住む宮城県県南の小学生は必ず福島県の會津藩校 日新館へ行き、白虎隊について学ぶ。非常に身近な題材を取り上げてもらえて嬉しかった。木曜の夜の花座にしてはかなり客の多い日だったのに、堂々と読み上げる姿がたいへん素敵だった。
神田陽菜さん
次に出てきたのは、前座の神田陽菜さん。12月18日より二つ目に昇進し、陽乃丸さんとなる予定とのこと。びっくりしたのが、これまでに出会ったことがないような美人。なんて華やかで品のある顔なんだ。一生見ていたい。顔が良すぎて、目が釘付けになっていたけど、講談もたいへん良かった。
陽菜さんの「大名花屋 序開き」
お花さんがひたすらに美しい。可憐だ。それなのに伝助がしっかりと屈強すぎる大男になっていて、めっちゃ強い。かなり訛りは強いけど、聞き取りやすい。上手。好き。前座のうちに会えて良かった。前座のころから私は応援していたんだと、古参ぶって応援したい。二つ目昇進をきっかけに、花座にたくさん来てほしい。二つ目なりたてだから、今から推せば古参ぶれるので、皆さん今なら間に合います。
友人が陽菜さんに「めっちゃくちゃ美人ですね」って言いたかったのに言えなかったそうなので、また一緒に行きたい。
神田桜子さん
我らが神田桜子がやってきた。江戸に上方、新作の三刀流の桜子さん。今日はどっちだって考えるのが、いつも楽しみ。
桜子さんの「般若のお作」
人の善意の集合体みたいな桜子さんなのに、毒婦のお話を結構やってくれる。初めて聴いたときは、桜子さんが…毒婦の話を?って気分にもなったけど、上手いのと普段とのギャップでつい聴き入ってしまう。「女の鼻声は金になる」という名言をいつも胸に抱いて生きていたい。
桂小すみさん
サクラジでもコムソウでもお馴染みの小すみさん。講談会でお目にかかれるだなんて、なんとも贅沢だ。
歌は七・七・七・五のリズムがあれば、良い感じにまとまるといって、マライアキャリーは木遣りでできるといって、名前は忘れちゃったけど、ある民謡と木遣りをミックスして、マライアキャリーを歌い上げる。面白すぎた。
超絶技巧の三味線に「薄暗き 櫓太鼓や 隅田川」の歌やカエルの歌、「負けるな一茶 これにあり」を織り交ぜて歌い上げるのが素晴らしかった。友人が「こんなんもう、フレディ・マーキュリーじゃん」って言いながらちょっと泣いていた。
神田陽子先生
登場時から、華やかで明るくて、ちょっと押しの強い感じのする陽子先生。友人曰く「お日様っていうよりは、太陽のようにじりじりとくる熱い感じがする」とのこと。とにかく濃い。
講談の歴史、古典と新作について語ってくれ、どっちをやってくれるのかと思いきや、まさかどっちもやってくれるというサービス精神。
「与謝野晶子」
私は歴史にかなり疎いほうであるが、さすがに聞いたことがある。歌集をたくさん出しているのは知っているが、どんな人か良く分かっていなかったので、聴いてびっくり。こんなに情熱的で波乱万丈な人生を送っていたのか。ちゃんと歌集読んでみたくなった。
「赤穂浪士銘々伝 赤垣源蔵 徳利の別れ」
ちょっともう言葉では説明しきれないというくらい良かった。友人も泣いていた。陽子先生の講談が聴けて本当に良かった。
先生が講談を語る中で、これは私たちに講談をやれと言っているのでは?って気分になり、講談をもっと学びたいと思った。そんなタイミングで、陽子先生が来年から仙台で講談教室をやるという話を聞いた。なんとしてでも行きたい。
本当に行けてよかった一門会。次いらっしゃるときはぜひ休みを取って、何回も行きたいと思う。
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