「劇場版遊☆戯☆王 THE DARKSIDE OF DIMENSIONS」を観たぞの話

観てきました。

「劇場版遊☆戯☆王 THE DARKSIDE OF DIMENSIONS」です。

私自身は遊戯王のアニメはハンパにしか観ておらず(たぶんマリク編とかバクラ編のあたりは連続で観てた)、原作もパラ~っとしか読んだことないクソハンパ野郎です。

しかし先日敬愛するイタル先生(性欲を失った天才腐女子)と新宿で飲んだ際に

「劇場版遊戯王を絶対に観たほうがいい。私の枯渇した性欲も一気にドバドバ、独裁者の漲るエネルギーにはただただ涙が流れるのッ!!観なきゃダメ!!!!観ないと踏んづけてやるッッ!!!!!」とおすぎのモノマネを交えながら熱弁されたため、じゃあ…観なきゃダメかなあ……?と流された次第です。(危うくその足でバルトのレイトに連れ込まれかけましたが、いい時間がなかったためお流れ)

キンプリ以降「絶対に観て!」とか「絶対読んで!」というアプローチにめちゃくちゃ弱くなってしまいました。


上映開始後、即「受精のしくみ」のようなDNAの流れのようなドラマティックなCGを見せられたかと思うとカメラは宇宙へ。そこに浮かんでいたのは宇宙エレベーターを尾のように引いた…

「KC」、海馬コーポレーションの形を模している宇宙ステーション。

「あ……!もう絶対にこの映画は最高なんだ…!」と確信した瞬間です。

壮大な宇宙から突如海馬コーポレーションの金とエネルギーが剛速球で飛んできて怯む間もなく海馬社長は己の記憶から構成したアテムと大暴れの大デュエル。(よく知らないんですけどあの荘厳な空間は何ですか?式場?)

あんなに元気に「ドウゥォオオオオオオオォルォ!!!!」と叫んでいたのに「生意気な態度こそ再現できていたが所詮作り物よ、チッ」と突如賢者タイムに突入し去っていく様は見る者の涙を誘います。一応新作デュエルディスクシステムの開発という名目はあるので部下に全ダメ出ししてやり直しを要求するというわけではないのが海馬社長の優しいところですね。

一転、遊戯達のドキドキハツラツ青春パート。「そーいうの、流行んないんだよー!」と顔を赤らめる遊戯。セリフの90年代ぽさに胸の高鳴りを抑えられません。はやんないんだよ~!って。風間君声優めちゃうまくなったな…。

城之内くんは相変わらず頭の中心にデュエルしかないようで心配です。チャリのカゴにちゃんとカバンあったかどうかよく見てなかったんですけど、デュエルディスクだけしか入ってなかったことない?大丈夫かな?

屋上のみんなの夢を語らっちゃおうよ!みたいなシーン本当に寒々しくて(褒めてます)、今時こんなやり取りを堂々とできるアニメは希少ではないでしょうか?(褒めてます)遊戯の作ったゲーム、みんなでやろうぜ!そうだそうだ!ステキ!………宗教のビデオみたいで最高!(褒めてます)

まあこんなとこで宗教の匂いを感じ取ったところで中盤以降はずっと宗教の話をしているようなものなので大丈夫でしょう。

藍神くんがいつからクラスにいたか覚えてないよね?という話から突如城之内くんが「でも大事な仲間の記憶は、失いたくねえよな……」とか言い出してびっくりしました。まあ…デュエルに負ければ精神を蝕まれることもある世界なので、デュエリストたるものそれくらいの危機感は常に抱きながら暮らしていた方がいいのかもね…。


全然本編まじめに見てなかったので童実野町が海馬コーポレーションの城下町であるということも全然知らず、デッキの登録なくば住民票も作れないという事実には驚愕しっぱなしです。まあカードアニメではおかしくもないことですが…。とりあえずで構築したクソデッキだと満足な公共サービスも受けられない恐れがありますがその辺は大丈夫なのかな?


藍神くんの言う高次の世界に行くとかファラオの復活を阻止するとか集合意識がどーたらという話は私の頭が悪いので完全には飲み込めませんでした。

とりあえず各デュエリストの言い分としては

・海馬社長「アテムを復活させ真の決着をつける」

・藍神くん「アテム復活したら俺ら選ばれし者が次ステージに行かれんだろうが!あとバクラは個人的に恨みがあるから消す!」

・遊戯「バクラくんを消すな!許せん!あとアテムに負けるなって言われたから負けられない!」

といったところでしょうか。海馬社長の一念がシンプルであるが故に誰よりも強固なのかもしれません。あんなに一緒だった遊戯ですら「もうパズルにアテムはいないんだよ」と言っているのに自分が消えゆく瞬間までアテムの復活を信じぬいていた社長には劇場の全デュエリストが落涙したことでしょう。

それにしても海馬社長の「社長ならなんとかしてくれるだろう」というカリスマ性はなんということか!本当に海馬瀬人という人間の精神力、行動力は最高で、見るもの全てに安心感を与えてくれますね。

だって藍神くんが「このデュエルではモンスターの攻撃力はデュエリストの精神力に比例する」みたいなこと言った瞬間「そんなぁ…!」って思った人、いる!?私は「えっ…!社長の独壇場だけど大丈夫かな…?」って思いましたけど。実際社長も遊戯も常にフルパワーでモンスター召喚してるし、形骸化甚だしいって感じ。

デュエルに関してはもう超次元デュエルになってるので細かいことはいいでしょう。個人的には遊戯が結構ドローしたあとちょっとカードを見てる間があるのがよかったです。あっ今テキスト読んでる、コイツ…。って。

そして遊戯が手放したカードが「死者蘇生」、それを海馬社長が使うのがうますぎて本当に唸りました。遊戯の諦めと海馬社長の諦めない姿がカード一枚で表現されるなんて、う、うますぎる~~~~!!!痺れる~~!!やっぱり遊戯王デュエルモンスターズは天下を獲ったカードゲームですね。デッキも持ってない人間に人権がなくとも当然でしょう。

満を持してアテムが現れた時はもう感無量すぎて息が止まりました。クソニワカの私ですら震えてたのですから熱心なファンの方なんかショック死したのでは、と心配です。あそこでアテムが喋らずに、ただただ静寂と厳かな強さを持って現れたのが最高に最高に最高に最高に痺れました!!!!!!!!!!

どぼじで社長が今いないのぉお゛おお゛おおおお~~~!!!!!酷い~~!!!!まあ海馬社長は「え!俺が消えてる間に来たの…!」とか仰る人ではないのでこればっかりは一介の塵芥たる私が嘆いてもしょうがないですね。むしろアテムが現れたことで海馬社長はますます奮起されたという感じで頼もしさしか稚内です。本当に逆境に強い人だな。


そして海馬社長の「アテムとの決着をつけに行く」という満願はついに果てなき信念の果てに達成されたわけですが。

「あーーーっ…!瀬人様!良うございました…!」と号泣する気持ちも「モクバを泣かせないで~~!!(私はモクバが大好き)」という気持ちも、「アテムとの決着がついたその時、海馬社長はどうなるんだろう?」という恐れもないまぜのすごい複雑な気持ちになりました。

これってアカギの鷲巣麻雀を読んでいる時の気持ちと非常に似てます。突然に福本伸行作品を持ち出して申し訳ない。

アカギくんは生まれてから19年間、自の命までも顧みない全身全霊の勝負がしたくて満たされない日々を過ごしていて、自分が生きてなかったとまで言ってるわけですが鷲巣巌という人生最高のライバルを今得たわけです。

鷲巣様との勝負が楽しすぎてウヒョー!俺今生きてる~!!死んでらんね~~!!鷲巣も失血死なんてしてる場合じゃねえぞ俺ともっと勝負してくれ~~!!!!と鷲巣様を地獄から生還させるアカギくん、いつか来る鷲巣麻雀決着の瞬間にはどうなるんでしょうか。喜ぶかな。喪失感でいっぱいになるでしょうか。アッサリ「じゃーな鷲巣」と去るでしょうか。全然まだ予想がつきません。

海馬社長は…どうなんでしょう。「モクバ、あとは頼んだぞ」と遺言めいたことまで残してアテムとの勝負に向かう社長は……。金も時間も頭脳も、果ては自分の命まで注ぎ込んで迎えた勝負の果てにあるものってなんなんでしょう。

でもそれは海馬社長にしかわからないんでしょうね。


映画の構成としてうまいのが、遊戯達は映画の冒頭で未来の話をしてるのに海馬社長だけは過去、しかも古代エジプトへと突き進んでるところ。社長、モクバのためにも海馬コーポレーション全社員のためにもそろそろ未来にも目を向けてほしいところです。アテムが社長の心を奪ったままいなくなっちゃうから悪いんだぞ。


とにかく、「劇場版遊☆戯☆王 THE DARKSIDE OF DIMENSIONS」、2時間10分退屈もせず終始製作陣のサービス精神と愛、そしてエネルギーに満ち溢れた大作で本当に最高でした!あ~っ、こんなことなら遊戯王ちゃんと見とけばよかったよ~トホホ~!とも思いましたが全然遊戯王を知らない人が見ても「とにかくネバーエンドレス海馬コーポレーションエネルギーがスゲエ」ということは十二分に理解できると思います。


兄と一緒に見に行ったのですが「千年パズル組立システムが一々海馬様ヨイショを挟んでくる」ところで耐えきれなくなったと言っていました。

ところで藍神くんが撮られかけた「痛み」がテーマのビデオって、AV以外に何かありますか?AV以外だと思う人、教えて下さい。



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