ララランドを観たよの話
ララランド、観ましたよ。公開前から家族と観たいね~とは言ってたんですが、祖父母の喜寿のお祝いも兼ねてみんなで見に行ったらいいのでは?ということで行ってきました。アカデミー賞も獲ったことだし(老人はわかりやすい評価基準に弱いため誘いやすい)
考えてみれば祖父母と一緒に、一家総出で映画なんて行けるのもそうそうないし。祖父はレンタルでブルーレイをよく借りる映画好きなのだが、祖母は新婚以来一度くらいしか映画は見ていないそうだった。祖母はTVの前に1分も座っていられないマグロの如き女である。
食事してからチンタラ行ったので冒頭数分見逃してしまったがまあ渋滞シーン…だと思うから…大丈夫だろう。
(以下、ネタバレあり感想)
グ、グワ~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!うわあ~~~~~~!!!!!なんっ…うわあ~~~~!!!!!セブ~~~~ッッ!!!!!!!
現実……は残酷だ…(君の知らない物語)♪って感じでした。
全編夢追い人の話に終始してるんですけど、夢って見てるうちに本当に負担になることが多いよな~と。「やっぱり夢ってステキ!大切~~!せーの、夢、最高!(映画のCM女)」という“夢賛歌”ってのはこの世にたくさんあって、確かにそれは大切なんですけど夢で疲弊することのほうが圧倒的に「現実」なんですよね。
ミアのように「自分よりも可愛くて才能がある人が世の中に溢れてる」、「自分には才能がない」という夢を見るうえで向き合わなくてはいけない、かつそれに絶望してはいけないという矛盾した事実にぶちあたること。
セブのように夢のためにお金を稼ぐ必要があって、そのために遠回りをしている中で何をしてんだかわかんなくなること。
夢にまつわるストーリーにはだいたい付きまとう問題ですが、それはまあ永遠のテーマだからなのでしょう。ワナビぶち死に!!くらえ!!!!って感じでした。
あの「こうなったらよかったのにねハイパープロアクションリプレイパート」、本当に辛すぎてもうヤメローーーーーーーーーーッ”!!!なんでこんな…ことを…!!!!!!!!!!!ってなっちゃったね。
あの時こうしてたらよかったのにね~、お客さんが満員で、セブも来てて、擦れ違いもおこんなくって、結婚して子供ができてさ~…でバーまであの「幻覚」が来ちゃったとき怖すぎてひえ~ってなっちゃったもんな。
私はTVとか見てても「そんなんすなや!!!!」って言っちゃうタイプなんで、セブとミアがケンカした時も「そんなんお前のためやろ!!話きかんかい!!!!」と怒っていたんですが、実際に「こうしていたら…」というのを見せられるともう辛ポョだ…。
幻覚セブと幻覚ミアがジャズバーに入って、舞台上の現実セブと目が合うのでは……と思ったけどそこまでは行かなくて助かった。いや一歩手前までいったか…?
「この世界の片隅に」で選ばなかった道は覚めてしまった夢と同じって言ってましたけどまさにって感じですね。超タイムリーに実例提示されたみたいな…。監督はパンフレットで「すべてが幻ではなく、これもまた現実だった」と言っているんですがまあ幻や気持ちなどの具体的な形をもっていないものだって現実の世界に存在しているものですからね。
映画や物語の世界でなにものにも勝るものとしてしばしば扱われるのが愛だが、ミアとセブは愛ではなくあくまで一時並んで走った夢追い人同士だったんだな~と思います。
何度も繰り返される歌の中で「夢へ連れて行ってくれる人が現れる」と歌っていたのをなんとなくお~前そんな他力本願なよォ…って思ってたんですけどミアにとってそれはある意味でセブだったんですね。セブは夢へ連れてってくれる人であり愛する(家庭を築く)人ではない…………彼氏→セブ→旦那の素晴らしい経由、どれも別にクズ男ではないのがミアの凄いところです。やっぱミアはすげェよ。
ロマンチックの何が悪い!と言いながら現実を見ていたセブ、現実の障害に怯えながら夢を掴んだ狂人のミア。おもしろかった~~~~~~~~~~。祖父も喜んでました。やっぱミュージカルはいいですね。
好きなシーンはレストランでスピーカーから聞こえるジャズに知らず集中してしまうミアのシーン。出た!カクテルパーティー効果だ!同人ゼミでやったところだ!!!!!
辛すぎシーン大賞は料理がこげたところです。壊れてしまった夜の象徴にたべものが犠牲になるのが地雷すぎる(博士の愛した数式)
でも二人とも夢が形になってるのは本当に救いと言うか、物語からのやさしさだよね……………………。
映画の全体から、なんとなく槇原敬之の「おさらばだ」を連想しました。
万物を槇原敬之に結び付ける悪癖のある私ですが、今回ばかりは…まさにじゃないですか!?!!?「ちょうど複雑に入り組んだジャンクションさ」とか…。
http://www.uta-net.com/song/97274/
兄は「外国の映画なのに(外国ではあまり一般的でない)エクスペリアが出ていた。操作音でオッと思ったが……感動した。」と言っていました。
どこ見てんだお前。
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