見出し画像

どう生き~~~!!

君たちはどう生きるか、初日に観てきました。

そんなに絶対見たい!!というわけではなかったんですけど、初日に何の情報もなしにジブリを見れるのって最後かも…と思って、父と母と映画館で待ち合わせて鑑賞。

そういえば父と母と映画来るのも久し振りだなーつって。
それこそ千と千尋は一緒に観に来た気がするけど。
昔は小学○年生に千と千尋の公開前特集とか載ってたよな。
あの数カットだけを見て妄想を膨らませたりしていたな…。

感想としては、どれだけ観客が宮崎アニメというか、
宮崎駿について想っているかによって持ち帰るものがかなり違うだろうなあ…ということ。

劇場内に(それこそ22年前の私のように)パパママと一緒に来た小さいお子さんが来ていたのを見て
「………………大丈夫かい…………」 と思った。
いいのか、人勢初劇場宮崎がポニョみたいに表面的な覆いもないどう生きで…。

私は幼少期からジブリを見て育ったし(ディズニー派の家かジブリ派の家かでけっこう文化って別れるんじゃないだろうか)、
父はナウシカ以前から知っている筋金入りのオタクで、監督のように兵器マニアである。
風立ちぬも父のモデルグラフィックスを拝借して映画前から読んでいたし、もののけ姫の製作日誌も愛読していたし、
私はまあまあ監督が好きで肩入れしている方だと言えるだろう。

一番好きなのは魔女の宅急便だが、次に好きなのは風立ちぬだ。
ストーリーが好きなのではなく、監督の好きなもの、伝えたいことの濃縮っぷりが好きなのだ。
飛行機が好きだ、戦争が嫌いだ。そしてあなたたちはどう生きるんですか…という。

映画館のイスに腰掛けて映画が始まるのを待ちながら、それこそ10年前に風立ちぬを見てぼろっと涙がこぼれたことを思い出していた。
創造的人生の持ち時間である10年!!
監督は私が物心ついたころからずっと偏屈なアニメおじいちゃんなのに、
何十年経っても創造的人生に立ち続けていて…俺はその間何も変わらず一体…何をしてきたのだろう…。



真人さんはジブリ男子で一番好きかもしれない。
美少年、精神力、戦闘力、機動力、何をとってもSランクだ。
都会の坊ちゃんがいじめられっちゃうよ~!!と思ったら瞬時にやり返した(しかもそんなに食らってねえ)上にそれを生かして狂言自傷までこなすその不安定さもたまりません。
この辺の複雑な感情を説明しすぎない、観客が目に映るものからわかれ!!という姿勢は好きです。
こちらの力量をある程度見てくれているというか…。

それにしてもさ、なんか見ていて普段もう普通の会話から振り落とされて行っちゃった美しい日本語ってあるなあと思った。

×タバコ吸う人→ ◎たばこのみ
×こないだ → ◎せん(前)に

みたいな……。こういうのをサラッと出せるのってもう難しいかもね…。
時代という意味でも、クリエーターが持っている語彙力という意味でも…。
妻の妹を後妻にとかもさ、「あーこの当時はそんなんよねー」と思うけど説明ないと「????キモ~~」なりそうだし…。
風習的には当時普通だけど、息子がキモい!!嫌だ!と思う感情は別に今も当時もそりゃ同じでしょうねってのがうまい。キスシーン決定的には描いてなくてありがたいね。子供にはショックすぎるよね。

それにしても真人さん戦闘力ありすぎワロタ
青鷺がうろついてる→殺すか となって弓矢を自分で製作するスピード感。
そうだよね。作れるんだよね。買うばかりじゃないんだよな武器って。
このあたりの「無ければ自作しよう」というのも何というか、それができていた時代の生きる力を感じた。

母親の美しさ、後妻のなまめかしさ、ババアのコミカルさと嫌さ、そして父親の鈍感だけどエネルギッシュで押しつけがましくもある愛情。
嫌な父親だけど嫌いにはなり切れないよな。家長って感じ。キムタクの声がハウルから時を経てここにぴったり合うのもなんか、年月の積み重ねを感じるよ。キムタクはキムタク的人生を送ってきている人だし。

てかオウムの殿様が橋壊したときにさ、絶対どっかに真人さん捕まってるよ!と思ったら普通に落下してたwwww
嘘だろwwwwでも真人さまだ!!なんともないぜ!!

それにしても青鷺の中身が出だしたときは「Twitterの奴ら、どう生きバードであんなに遊んでたのにこんなチンクルみたいなのが出てきちゃって…」と思いました。
サギきもい→いいやつかも
ペリカンこわい→切ないかも
インコ怖すぎる→天国だあ~😿ご先祖様だ~💦愛嬌あるやん
「(インコ)かわいい~!」←え、あ、そうかな………………………………………………………………………

で鳥類に対する感情のアップダウンが激しい映画だった。


映画を見ていて「ポニョじゃん、ハウルじゃん、千と千尋じゃん…」となるのは当たり前というか、
下の世界が丸ごと宮崎アニメの軌跡で、大おじ様は駿で…誰かに引き継ぎたいけどそれはできなくて、崩壊!
駿…。
駿のアニメだからよっ、疎開もするし、突然デカイ屋敷に飛行機のパーツも出てくるし、キリコさんはかっけー女だけどカワイイ洋風のおうちに住むし、
ヒロインはお母さんだし、自分を生むことを肯定してくれるし、お婆さんも出てくるぜ!!!!!!
は、駿……。豚も出しなよこの際。
でももうこれってそのまま「私は好きにした、君らも好きにしろ」なのかもね…。

全体的に「小学校の図書館の棚にあった、有名なハリーポッターでもデルトラでも○○でも××でもない、まだ学校の誰も気づいてない、名前も聞いたこともないファンタジー冒険活劇の厚い本を手に取った」
ような感覚だった。

俺だけがこの本に出合って、このメッセージを受け取ったのだ…みたいな。
(それは錯覚で実際は全国でみんなが駿!俺はわかってるよ。という顔をしている)

風立ちぬ→君たちはどう生きるか で駿の「それで、どう生きるんですか?」がめちゃくちゃストレートになったことに、ストレートに再呼びかけをさせてしまったことに切なさも寂しさも感じる。
嫌だ駿…ずっとそばにいてくれ……。

EDが米津さんなのはなんかちょっと浮いてるような気もしたかな。母もここは言及していた。
米津さんの力量はそれは当然申し分ないし素晴らしい歌だと思うけど、このハチャメチャでエネルギッシュな映画を締めくくるには「今の音楽シーン」すぎる、という気もするし、それはそれで「今」に帰ってきたな…みたいな感じもするし。
ディズニーのアトラクション終わってスマホいじりながら出口に向かってるような。難しいですね。

関係ないけど上映前にエレメントの予告があったせいでお母さんの悪夢のシーンで「ポニョで水のエレメントのお母さん出したから今回は火のエレメントのお母さんかー」と思った(アホ)

帰りに3人でお寿司を食べて感想を言い合った。
「あれは駿の話だよ」と私が言うと、父が「じゃあ青鷺は鈴木敏夫?!?!?」と言い出して3人でガハハ!!と笑った。
楽しかったです。

追記:まひとさんの名前眞人さんだったらしい 旧字かーっ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?