時間をかけても執筆が進まないと悩んでいる方の10分解決法
たまに小説の書き方の悩みについて相談を受けます。
特に多いのが、小説を書きたいと思っているのに、全然文字数が増えない(書けない)というものです。
別にサボっているわけではなく、スランプというわけでもないのだけれど、「毎日1時間とか2時間とかかかって、数百字書けたら多い方」という方が案外多かったりします。
どうして自分はこんなにも書くのが遅いんだろう、と深刻に悩んでいるわけですね。
で、そういう方に何度も話を聞いてみると、共通したパターンがあることが分かりました。
それは、一文を書いては、気に入らないからと何度も消して書き直すということです。
時には執筆に取り掛かって、最初の一文ができるのに五分とか十分とかかかってしまっているんですね。
どうしてこういうことが起きるのかと考えていたところ、
最初から一発で完成形を目指している
理想の文章を書こうとする気持ちが強い
ただ自分の理想の文章がよく分かっていない
のではないかなあ、と思うようになりました。
特に最初から完成形を目指すのは、文字書きの人に多いように思います。
これが絵描きさんや彫刻などの分野であれば、最初から理想の形を目指す前に、まずはアタリをつけて、ざっくり大枠を見定める人が多いでしょう。
ところが、プリンターで完成原稿を印刷するように、頭から理想の文章を書こうとする人はちょこちょこいるんですね。
で、そういう人に「まずざ~っと書いてみなよ、後から直したらいいから」とアドバイスするんですが、頭で納得しても、実際に執筆するとどうしても上手くできないみたいなんです。
そもそも、自分の文章を批判的に見る能力って、文章力を高めるために必須ですから、悪い能力じゃない。
ただ、ブレーキを全力でかけながら、アクセルを踏もうとしてる状態です。
まずは脳のブレーキを緩めてあげる必要がありました。
これって、極端なケースではなく、大なり小なりその人のコンディションによって、同じような状況に陥る人はいると思うんですね。
私も同じ様なことになったことはあります。
では、じっさいにはどうやって緩めれば良いのか。私の場合は、この状況に明確な対策を用意していまして。
それは、決めた時間は文章を直さず、とにかく次から次に思い浮かんだ文章を書き続けるというものです。
時間は10分ぐらいが多いです。
キッチンタイマーみたいな、アナログの時計(デジタルはあまり推奨しません)を用意しておいて、決めた時間はひたすら書きます。
文章を直したい欲求は当然湧いてくるんですが、この時間だけは無視します。
誤変換とかも多くなるんですが、とにかく脳に浮かんだものを吐きだす。
修正はタイマーが鳴ったら始めます。それまでは我慢する。
そうすると、自己批判する余裕がなくなるので、どんどん文章は進むわけです。
もちろん、クオリティは多少落ちますが、後から直せば良い、と腹をくくってしまえば、かなりスピードは上がります。
ポイントは、あまり長い時間に設定しすぎないこと。
もともと気になってしまう人がいきなり長時間に挑戦すると、途中で諦めてしまったり、強いストレスがかかってしまうようです。
適度にこれができるようになると、頭の中の淀みが消えるみたいにめちゃくちゃ気持ちいいです。
締め切り間際に猛烈に文章を書く作家さんは、意図せずにか、追い込まれることで自己批判を減らして一気に書くのでしょう。というか、過去にそれで1日で四万字ぐらい書いたことがあります。あの時は頭おかしくなるかと思いました。
悩んでいる人は参考にするだけじゃなく、実践してみてください。
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