『ストーンオーシャン』(『ジョジョの奇妙な冒険』第6部)についてを話数ごとにあれこれ。その2

↓「その1」はこちらのサイト様にお世話になりました。

第2回めは、漫画『ストーンオーシャン』の「囚人番号FE40536空条徐倫その①」から「その③」までの注目したい箇所についてお話させて頂きたいと思います。
(『ストーンオーシャン』単行本第1巻 第4話から第6話まで)

※漫画『ストーンオーシャン』及び、『ジョジョ』の他の部のネタバレが含まれる記事となりますので、「それじゃ困る」という方はご注意下さいませ。

『囚人番号FE40536空条徐倫 その①』から『その③』までの簡単なあらすじ

刑務所での暮らしが始まった徐倫は、収容された監房で『グェス』という女性と同室になる。
グェスの謎の能力で体を小さくされた徐倫は、その姿を利用しての脱獄を持ちかけられるが…。

『囚人番号FE40536空条徐倫 その①』について

扉絵はこちらを向いて立っている徐倫。
軽く背を丸めて立っているだけなのになんだかカッコイイです。

この回から本格的に徐倫の刑務所での暮らしが始まることになります。
規則のために髪を切られそうになったところを、涙を流してまで拒否している徐倫が可愛いですね。

グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の所長『ロッコバロッコ』は、アシスタントとしてリボンのついたワニのシャーロットちゃんを手に用意して、徐倫ら囚人に刑務所での生活について心構えを説明します。
ファッションブランドから名前を拝借されたキャラクターが『ストーンオーシャン』には多く登場しますが、『ロッコバロッコ』もファッションブランドの名前のようですね。
「耳にピアスしていいですか?」という徐倫の質問が、なんか緊張感なくていい感じです。

この回ではグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の全貌が描かれているのですが、「島全体が敷地であること」「フェンスの端っこが見えない」などという表現や、大ゴマを使って描かれた刑務所の中の様子から、その広さを一気に窺うことが出来るのがスゴいです。
荒木先生のご手腕によるものですなぁ…。

愛想が良いと思えば次の瞬間には怒鳴り散らしているという、情緒が不安定気味のキャラクター・グェスはこの回から登場します。
グェスのヘアバンドは荒木先生もお気に入りと申されておりましたね。
グェスも独特でお洒落なカッコをしていますよね…ズボンの上にニーハイの長い版?のようなものか、尻まで繋がっているかのようなロングロングブーツを履いているのか?
このグェスが徐倫の投げ捨てたペンダント(お守り)を持っていたり、中から人の手が出て来る小鳥を飼っていたりするのだから、そりゃ徐倫も動揺を隠せないことでしょう。
この小鳥に関しては「中の人などいないッ!」というセリフも通用しないワケで…ハイ。

ペンダントを返して欲しいのなら…と、グェスが徐倫に請求した200ドルは、こちらで調べたところ、日本円で2万円くらいでしょうかね?(間違えてたらすみません…。)
そりゃ徐倫も「何だってェェェー!!」なんて叫んでしまいますわ…。
ただでさえムショに入ったばっかで資金も少ないでしょうに…。


ところで、承太郎が寄越して来た差し入れのお守りはペンダントだったのですね。鎖がないのでパッと見じゃあそうだとはわかりにくい~。「邪魔だから」って鎖を外したというのなら非常に承太郎らしいですが。自分はファッションに鎖を取り入れているクセに…。しかし、よく見たら、第3部では承太郎は鎖を身につけていますが、第4部と第5部では取り外している。で、第6部では再び身に纏っている。
やっぱり鎖がある方がしっくり来ると思ったんでしょうか。こういう考察って、承太郎のファッション感覚を覗けるような気がしてなんか楽しいですね。


『囚人番号FE40536空条徐倫 その②』について

拘束されて以来、あまりにも色々ありすぎたことを思い返して徐倫が涙を浮かべています。
『歴代ジョジョの中で一番タフ!』なんて言われている徐倫ですが、やはり繊細な一面も持つ女の子なんですよね…。
徐倫は19歳ですが、19歳のことを「女の子」と呼ぶ言い方はあっているのかわからないですけど…。
徐倫は複雑に編み込まれているお団子頭のまま眠るんですね。漫画のキャラクターにはありがちなことですが…。
今更かも知れませんが、改めて徐倫の髪型ってどうなっているのでしょう?
大きなお団子二つに細かいみつあみを巻きつけ、後ろは大きなみつあみを垂らしている…。
徐倫にすごい似合っている可愛い髪型ですよね。
みつあみと言えば、第5部のジョルノもそうでしたね。こんな所に歴代ジョジョの共通点が…。

グェスがペット(?)のピーちゃんを「よぉ~しよしよし…」と褒めちぎるシーンには、デジャブを感じた読者さんも少なくはないと思います。
第5部でチョコラータがペット(?)にしていたのと同じようなヤツですよね、コレ…。
(チョコラータ先生は「良ぉお~~しッ!」と漢字を使用してご自身のペットを撫で繰り回されておられましたが…)

「もうだめだ 限界だな おまえとはよォ~~~」と言っているコマ付近のグェスの顔がものすごくカッコ良くて、思わず惚れそうになるんですけど…。めちゃくちゃ漢前な顔をしていると思いませんか?


『囚人番号FE40536空条徐倫 その③』について
この回の中で、グェスには「人を小さくする能力」があることが明かされます。
あっという間に小鳥ほどのサイズにまで小さくされてしまう徐倫ですが、この時の徐倫をひっつかみながら部屋まで走るグェスの移動の仕方が面白いです。
徐倫の名前を繰り返し呼んでいるのですが、気分が高揚しきってしまったのか、「ジョッ リィヒヒーィィ~~~ン!」なんて叫びながら走っています。首の角度もなんかおかしいです。
どうやらこの奇怪な部分にも元ネタが存在するようで、それはアメリカの歌手『ドリー・パートン』の楽曲である『ジョリーン』からであるとのことです。
この『ジョリーン』のサビ部分の歌い方が「ジョッリィヒヒーィィ~~~ン!」と、こぶしがきいているんだそうですね。
これは私も聞いて確かめたくなってきました。この箇所がアニメになった際には、この『ジョリーン』という楽曲が世間で再び話題になっているかもしれませんね。

となれば、グェスは単に『ジョリーン』という歌を歌っていただけで、特別に変なところは何もないと…。
「ヒヒィィーン」って、つい馬の鳴き声を連想してしまい、『グェスプリティダービー』などという謎の言葉を頭の中に駆け巡らせてしまいました。ごめんグェス。


グェスの能力は、自分自身を小さくすることは出来ません。
愛すべきジョジョラー諸兄姉の皆様方は常識としてご存知であると思いますが、『ジョジョ』には第6部以前にも「物体を小さくする」スタンド能力を持つキャラクターがいましたね。
そう、第5部『黄金の風』に登場するキャラクター『ホルマジオ』です。
ホルマジオはスタンドの『リトル・フィート』で自分自身もガンガン小さくしていました。
小さくなったその体でネズミを乗りこなす姿は、まさに『ホルマジオの奇妙な冒険』でした…。
自分を小さく出来るホルマジオと出来ないグェス…この差が『ギャング組織に入団出来た者』と『ムショ行きになってしまった者』という二人の真逆の生き様に現れていたりするのでしょうかね?
しかし、グェスの能力が発覚したのは刑務所に入ってからのことなので、仮に入所前にグェスが能力を手にしていたというのなら、刑務所入りはわからなかったと思いますが…。
(能力を駆使しておまわりさんを撒けたかも?)

グェスから、共に脱獄する話を持ちかけられた徐倫。小さな体で脱獄するためには力が必要ということで、筋トレを強いられることになります。
ネズミの皮を着せられ、回り車(ハム太郎とかが飼育箱の中でカラカラ回してるヤツ)の中に押し込まれますが、この回し車はマッチ棒で作られていますね。グェスが作ったのかな?器用だなぁ…。

この回の中で気になる台詞の言い回しが二つありまして、一つ目がグェスが徐倫に自分の能力を説明した時に言った「心を動かすだけで『人を小さく出来る』この能力!」というものです。
恐らく「念じることで人を小さく出来る」ということだと思うのですが、それを「心を動かす」という言い方にしてるのがなんかいいなぁ。
もう一つの気になる言い回しは、「(脱獄するための扉のスイッチは)きっとトイレのレバーより重いかもしれない」という、これまたグェスの台詞。これぞ『荒木節』の台詞だなぁと思います。


まとめ

ということで、今回は『ストーンオーシャン』の『囚人番号FE40536空条徐倫 その①』から『その③』までの見どころをチェック致しました。
徐倫のグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所での本格的な暮らしが始まり、グェスに小さくされて脱獄の話を持ちかけられる部分でしたね。
刑務所に収容されていきなりスタンド使いに遭遇してしまう展開なんて、なんともはや、『ジョジョ』にはありがちな展開で嬉しくなりますね。

それでは、次の「『ストーンオーシャン』見どころチェック!」でもお会い出来ることをお祈りして…
さようなら~!
←To be continued…

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