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大和芋の襲来 男性育休記46/68

大和芋である。長芋より粘り気が強い、あの大和芋である。
いま、それが目の前に2箱ある。

「たまに途轍もない量の食糧を送りつけてくる」ことで、私の中で有名な私の祖母の仕業だ。過去には段ボールにギッチギチの餅が、2箱届いたことがある。全て食べるのに1年以上かかった。あれは辛かった。

今回はそれが大和芋である。この攻撃をくらうのは10年以上ぶりで完全に油断していた。

とりあえす、隣の義実家に1箱スルーパスした。義母がリアルな悲鳴を上げていた。「こんなに食べられない」そうでしょうね、うちもです。大和芋は餅と違って日持ちもしないしヤバい。

ともあれ、まず祖母にお礼の電話をかける。「母乳が出るからいいだろ、食べれるだろ」みたいなことを言っているが、もう耳が遠いのでこちらの話はほとんど聞こえない。一方通行である。とりあえずただでかい声を捻り出し、お礼だけを伝えた。受話器の遠くでおじさんの返事が聞こえた気がするのでヨシとしよう。

さて、大和芋である。どうにかしないとならない。

まず、すりおろして、お好み焼きのように焼く、をやる。こんなもんでは全然減らないので、短冊切りにして豚肉と…めんつゆで漬けて…どうしよう。

嫌いなわけではないのだが、嫌いになりそうだ。だが、食べ物を粗末にしてはならないと私はこの祖母から叩き込まれたのだ。これは主夫の試練なのだ。やるしかない。

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