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黄色い帽子のおじさん 男性育休記38/68

私が幼稚園のときは、毎月薄っぺらい絵本をもらって、それをもらって読むのがけっこう好きだった。テレビは教育テレビをリアルタイムで見るしかないのに(ビデオ普及前だった)、テレビの調子はしょっちゅう悪くなり、見れたり見れなかったりした。
そこでいうと、絵本は安定のデバイスだった。電波も機械の調子も関係ない。けっこう好き、じゃなくて大好きだったのかも知らない。まだ何冊も内容を覚えている。

いま、うちの2歳児はYouTubeをよく観ている。ネトフリもアマプラも観る。テレビの録画も観る。ほとんど無限に思えるコンテンツがある。現代のキッズは永遠に増殖するコンテンツから、取捨選択をするセンスを問われるようになるのだろう。羨ましいような、そうでも無いような。

そんな風に思っていたので、自己満足で軽く揃えておいた絵本に突然2歳児が覚醒して驚いた。絵本を読んでくれとせがみ、5冊くらいを、4周くらい読まされた。大変だが、嬉しい。このコンテンツ飽和の時代に、きっと読書は「葉巻を吸う」くらい珍しい趣味になっていくんじゃ無いかと思っているが、本を好きな子どもになって欲しいなと思う。絵本でも漫画でもなんでもいいから。色々な主人公の人生に触れ、人間の多様性に触れてほしい。

今現在、私と2歳児のお気に入りは「おさるのジョージ」シリーズである。絵本がオリジナルだがアニメシリーズも有名だ。

おさるのジョージの相方である、「黄色い帽子のおじさん」がとにかくヤバい。

まず、主役級なのに名前の設定がない。クレジットでも「黄色い帽子のおじさん」だ。他の人間も、犬も、牛だって名前があるのにおじさんだけ、無い。
そしておさるのジョージの飼い主というわけでも無い。「おともだち」なのだ。衣食住をジョージに無償提供しているだけでなく、2話に1回くらいは家屋の破壊などをされ、経済的被害を受けているのにも関わらず、黄色い帽子のおじさんがジョージに怒ることは絶対にない。さすがにこれはキレるだろ、という局面でもキレない。窓を壊されても壁を壊されても怒らない。ギターを風呂に沈められて破壊されても怒らない。部屋中水浸しにされても怒らない。アンガーマネジメントは6秒がどうとか言ってないでみんな黄色い帽子のおじさんに学べばいいと思う。
聖人君子のような性格をしているが、外見は「黄色い帽子のおじさん」である。黄色い帽子を無数に持ち、その他、黄色いシャツ、黄色いタキシード、黄色いコート、黄色いネクタイ、黄色い…すべて黄色でクローゼットを埋めている静かな狂気がある。宇宙に行くときはもちほん黄色い宇宙服を着ている。

と、ここで公式チャンネルの第一話「たこたこ、あがれ!」を紹介したい。

劇中、おさるのジョージはなんだかんだあって凧に持ち上げられてしまい、そのまま上空をたゆたうことになる。

それを助けに来てくれるのが、我らが黄色い帽子のおじさんである。お時間のある方は9:40くらいから見てほしい。

黄色い帽子のおじさん on ハンググライダー

なんとハンググライダーで登場するのだ。もちろんカラーリングは黄色である。こんなの操る人、怪盗キッドとルパン三世しか私は知らない。黄色い帽子のおじさんはじゃあ、泥棒なんだろうか。疑問は尽きない。

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