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あの頃の未来に僕らは立っているのかな/男性育休1年後

この日記を書いていたおかげでマジで体感2週間前と言っていいほど当時をありありと覚えているが「育休を取ったきっかけになった次男(ヨシスケ)が1歳になった」つまり1年経ったし、なんなら歩く。えっもう?
とりま、当時と現在を比較しながら振り返りたい。

妻の育休の終わり

妻の育休が終わる。
我が家はこのタイミングで3歳児を幼稚園から保育園への転園、そして0歳児つうか1歳児になったのだが、とにかく次男もこのタイミングで同じ園にブチこもうとした。が、そんなに何もかも上手くいかない。ヨシタロウ3歳の転園は無事決まったが、ヨシスケ0歳を年度の途中で受け入れる先が極端に無いし、いや、あるっちゃあるが兄弟別園はきつい。何の罰ゲームなんだよという2か所送迎をこなすメンタルも時間も我々には無い。
でまあ、いろいろ模索したが、ヨシタロウは保育園へ、ヨシスケは今のところは「一時保育とかでどうにかする」という荒い青写真しかない。どうにかなるのかな。

幼稚園のお友達との断絶

皮肉なもので、いざ妻の復職に合わせて転園しようと決めてから、妻はママ友と、ヨシタロウは園児の中で急速に人間関係を拡大していった。
ヨシタロウは、リュウくんともっとも仲が良い。
リュウくん、やや暴力的なところがあり、他の園児を噛み付いたりする。もちろん噛み付くことは、良くないことだ。だが、そういうトラブルがあったことの申し送りがリュウくんち側に無いまま、噛まれた側のママにリュウ君ママがめちゃくちゃに責められる事件などあり、リュウくんママは「えっ何の話なの?」となって謝罪が後手になり、それを契機に幼稚園側への信頼を失ったり、そんなことがここ最近あった。

ビジネス界隈に限らず、報連相は大事なんだな。

ところでリュウくんのママは妻を超えるジャニオタである。妻ともとっても意気投合したようで、文字通り家族ぐるみの付き合いをしている。

そこで、リュウくんちも、うちも、同時に転園を狙った。
だが悲しいかな、いくら趣味が合っても、子ども同士が仲良くても、正社員の私の妻と、現在も月48時間以下しか働いてないリュウくんママでは、「持ち点が違う」のだ。

だからヨシタロウは転園ができたが、リュウくんは失敗した。こんな切ないこと有るだろうか。

3歳児の2人はそれぞれの尺度で別れを理解しているが、いつかは「持ち点」などといったクソみたいな仕組みを理解するのだろうか。

心の友であり、精神安定剤でもあったヨシタロウを失ったリュウくんは、これから幼稚園でますます荒れるのが確定していて、なんとも言えない気持ちになる。

父とヨシタロウ

一年前の日記を覚えている方はいるのだろうか。私は彼を甘やかそうと思って、とにかく抱っこと言われれば抱っこを繰り返して、継続は力なり、一年が過ぎて彼の「抱っこマン」ぶりはすさまじい。

妻は、最近で言うとヨシスケの夜泣き、そして日中は「保活」の煩雑さでメンタルがやられていて常時機嫌が悪い。そうすると、何かにつけて妻に怒られるヨシタロウの心の拠り所は父こと私である。ヨシタロウから私の依存度は着実に上がっており、どこに移動するにも「パパだっこしてー」だ。

毎日のように、夕方ごろ「パパーコンビニでアイスかいにいこー チョコチップアイスー」と、まず、毎日のようにのたまう。
これはハーゲンダッツのミニカップ クリスプチップチョコレートのことを指しており、ちなみにメーカー希望小売価格は税抜295円、である。

そして、もう、まあ、じゃあ、コンビニ行くか、と思うと「だっこしてー」「ちゃんとだっこしてー」となり、「ヨッくん、靴下履かないと」と私が言うと「パパだっこして、ヨッくんあるかないから、くつしたはかない」と、なるほど合理的な返答がくる。

そして、「じゃあせめてベビーカー乗ってくれ」の要求は呑んでくれるが、そこまでの移動はフル抱っこサポートを所望するので結局は靴下も、靴も履かないまま移動、そしてコンビニではハーゲンダッツ以外にもアポロチョコレートとか食玩を買わされる。私も何も抵抗せず、買う。

そして帰ってきてそれらを食い、結果夕飯をろくに食わずにまた妻に怒られる。

どこに出しても恥ずかしさ満載、恥ずかしさ全部乗せのフルスペックドラ息子が爆誕して、父は嬉しい限りである。

父の仕事

フルリモート、いける。そういうお誘いで転職して、早半年が経つ。

しかしどうだろうか、全社的には「商談が成立したら訪問する」スタイルでそれ以外はリモートという感じなのだが、私は成立してしまくるので外出もしまくっている。「こんなに働く人をこれまで見たことがない」「千手観音なんですか」「なんで会議で発表しながらチャットもメールもできるんですか」「スケジュールの組み方どうやってんすか」「マジ神」などと周囲からほとんど引かれている八面六臂の活躍のせいで、10月でいうと家に居た(本来の意味でリモート勤務できた)日は1日しかなく、あとは客先に出ずっぱりか移動途中のコメダとか、バッテリが持てば公園のベンチとかでも働きつづけ、全然家に居なかった。
それなりの社員数がいる上場企業なのだが、私のいる部署だけが異常な成績を上げているという確変状態が続いており、私が決めてきた案件の事務処理を、部下だけでなく上司も総動員してフォローしているというカオスな状況だ。

出張も多くて10月の交通費は20万を超え、ヨシタロウの甘やかしはおろか寝かしつけさえなかなかできていなくて、妻にもヨシタロウヨシスケにも申し訳ない。「話が違うじゃないか」妻の機嫌も悪い。「たしかに話が違う」私もそう思いながら、今日もまた仕事が決まっていく。仕事が増えていく。この仕事はとても向いている。このままだと偉くなってしまう。偉くなったら仕事がもっと増える。ああ。あああ。お金ももらっているが、でも、「話が違うじゃないか」。出張に行くとサウナに泊まるのでその時はサウナに入れることは嬉しい。でもヨシタロウと一緒にお風呂に入れない、それは嬉しくない。

私がしたかったのは本当にこれなのか?

禁断のお風呂遊戯「ホース」

ヨシタロウが私を求める心は出張頻度と比例して高まり、居る時は間違いなく妻ではなく私を風呂の相手として指名するようになった。

ところで最近流行っている?のか知らないが、ゲーセンのクレーンゲームで取ったおもちゃがある。

「蛇腹のやつ」「ホースのやつ」とか呼んでいるが正式名称は知らん。

エアコンのホースの縮小版みたいなもんである。


ヨシタロウがこれが大好きで、お風呂に持ち込んで遊んでいる。

「パパー、おしりにかけて」

全然意味がわからないが、ヨシタロウは浴槽の淵に器用にしゃがみ込んだ上で、いわゆる「M字開脚」を私に向けてしてくる。

息子のこんな、なんていうか、「全部」を間近で見ることになるとは。

そして、頼まれたからには、ヨシタロウの期待に応えたい。

例の蛇腹の銃口をヨシタロウの股間に向ける。湯船のぎりぎり水中から銃口を向けるのがミソだ。蛇腹をホルン奏者のように両手で抱えて、もう片方の口は私の口と繋がっている。

大きく息を吸い込む。

「ブフフフフッー!!」

空気と湯が入り混じったスプラッシュが、ヨシタロウの股間に一点集中する。

人力のウォシュレットである。


「きゃあああああ!」

大絶叫してから悶絶し、気をつけの姿勢で着水(着湯)してからなぜか両手を広げて私に抱きついてくるヨシタロウ。

息を整えてから「もっかいやって!」ふたたびM字でスタンバイ。

ブフフフフッー

きゃああああ!

もっかい!

ブフフフフッー

きゃああああ!

もっかい!

私がしたかったのは、これはこれで、なんか、また、違う気がする。

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