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男性育休、その後に/うんちを固める薬

2度の育休を経て、新しい職場に来て2ヶ月ちょっと。専業主夫を離れて2ヶ月でもある。一度立ち止まって振り返ってみようと思う。

相変わらず、平日の夕食は妻の母が作っている。結局、老夫婦2人分だけの料理を作るのは逆にめんどくさいのか、なんだか分からないが、とにかく作ってくれる。

「こんなに作ってくれるなら、ちゃんとお金を払った方がいいんじゃないか」

私はそう妻を経由して提言したのだが、妻の母は「対価を受け取ると義務になるからそれは嫌」と言っているらしい。

そんなこんなで平日の夕飯は妻の母メイドが5品くらい(いつ見ても、彩りも品数もすごいと驚く)、それに加えて2日に1回くらい妻の謎料理が1品混ざっている。

では妻の生活が楽かというと、そうでもなさそうだ。「夫の夕飯」なんて、究極食べてこさすか買ってこさすかできる些事である。それより、私が働きに出るようになってから3歳児も0歳児も甘えがすごく、それに困っている。3歳児は「ママがいいの」と、私のことも妻の母のことも拒むことが増えたし、ハイハイをマスターした6歳児は妻を自動追尾するか、それか3歳児がころがした小さなおもちゃを飲み込もうとしたりして目が離せない。

そして寝かしつけ。私が居ても苦労するのに、私が仕事で遅いときはどうやって1対2の戦いを妻が制しているのか、聞いてみたいが「そう思うなら早く帰ってこいよ」と逆ギレされるだけな気がするので聞かない。私にできることは、帰りに駅前のコンビニで新作スイーツを買ってくることくらいだ。

7月も中盤から、幼稚園は午前保育になるらしい。第七波も来るし、どうなることやらだが、最近同じジャニオタと判明したママ友ができたこと、凝っているガーデニングなどが妻の心の支えになってくれればいい。私も平日夜と土日は引き続きがんばろう。

3歳児

4歳が見えてきた彼は、心身共に成長著しい。

最近、スイミングとヤマハ音楽教室を始めた。 

スイミングは、土曜に小一時間あるのだが、私がプールサイドから眺める限りは誰も友だちがおらずただ苦悶の表情を浮かべながら言われるがまま動いており、全然楽しそうで無かったのだが、妻の時はご機嫌らしい。彼が辞めると言うまでは、「HPを削るためにも」継続したい。

ヤマハの方は平日午後のためまったく同行したことがないのでよく分からないが、紙を切り貼りする宿題を持ち帰っては妻と良くやっている。「それは音楽ではなく図工では」と思わなくもない。当日に「今日はヤマハどうだったの?」と聞くと「ピアノを無視してブレイクダンスみたいなことをしていた」と妻から情報が入ってきたりして、ますます混乱だけが増している。

それらのおかげかは知らんが、わんぱく度がここ2ヶ月で150%に強化されたし、語彙も増えた。

「まだこどもだからできないよ」とか

「パンチするぞ」とか

「ぎゃくたいだよ!」

など、非常にしゃらくさいこを言うようになった。ちなみに最後のは妻の父が教えたらしく、妻が激怒していた。

後述するが、私は結果的に忙しく働くようになってしまったため、平日朝はまず彼と話せず、夜も寝た後に帰ってくることが増えた。

おのずと距離が生まれてしまい、ごはん食べさすのも、寝室から居間に抱っこして下ろすのも、「ママじゃないといやだ!」と激ギレするようになったので、土日でも私が戦力になれない局面が生じるようになった。ただ、結局そのことでイラついた妻が3歳児に激ギレし返し、3歳児ギャン泣き。私に向かって「ママにおこられた!」とヘルプを求めるので、私がただ抱っこしてあやすことになる。

不毛なスパイラルである。いま3歳児が通っている幼稚園が「感情のコントロールを学ぶことができる」という売りであると、1年前、私が単身説明会に行った際に聞いた話はなんだったんだろうかと思わなくもない。寝不足から来る苛立ちで毎日欠かさずキレている妻も卒業生だ。3歳児が片づけない煎餅のせいでソファに蟻が湧いたと今日も元気にキレている。甘くない煎餅に蟻は寄らないし、蟻も無から生まれる訳ではない。窓から入ってきただけだ。そんなことを私は黙って考えるが、言葉にはしない。巻き添えを食ってよりキレさせても誰も得しない。

誰もコントロールしてない。幼稚園、てめえ訴えるぞ。

0歳児

8ヶ月を超え、めちゃくちゃプリプリモチモチしている。私が魔物ならこの赤ちゃんを食べると思う。すごく美味そうだ。

最近ハイハイが上達したので、転がしておけば良いので楽、と言いたいところだが、3歳児が遊び散らかした小おもちゃのせいで全く目が離せなくなった。特にシルバニアファミリーの小物が飲み込みそうで怖い。

基本ご機嫌なのだが、ここ最近お腹の調子が良くない。下痢をしているのだ。

なので土曜日、妻は3歳児とスイミングへ、私は0歳児と医者にいった。前にも薬をもらったがあまり改善せず下したままなのだと訴えると「では離乳食を辞めてミルクにして、またこちらの薬を飲んでください。うんちを固める薬です」

おばあちゃん医師にそう言われ、胃腸薬的なやつと別に「うんちを固める薬」を出された。

と、いう情報を申し送ると、さっそく妻が「離乳食食べないと寝るわけないじゃん!」と私の向こうにいる、おばあちゃん医師にキレている。「おかゆは食べさそ」と、さっそく医師の指示をガン無視する構えだ。じゃあ、なんであの医者に行かせたん?思わなくもないのだが、私から見ても何より「うんちを固める薬」が不気味である。整腸剤の一種と思いたいが、整腸剤は別で処方されているので違う。薬袋に手書きで書かれた薬品名は達筆すぎて解読できない。うんちを固める…寒天とかゼラチンとかそんなイメージをしてしまう。そこまでして固形にしなくても良いのでは?つるんと食べるの?などと思ってしまい、また「うんちを固める薬」はご丁寧に茶色い粉末、率直に言ってうんちの色味をしていることもあり、「なんかヤダ」というロジカルでない妻の意見があったが、これについては心から同意し、とりあえず1日だけこれらの薬を与えて様子をみようということで我々は合意した。

うんちはまだ固まっていない。ただ、本人はとても元気である。じゃあ別にいいんじゃないか。うんちが緩い。出ないより良いじゃん。


リモート勤務ができる上場企業の管理職として仕事を始めて2ヶ月ちょっと経った。

新たな職場、新たな人間関係にさらされて痛感したのだが、どうも私はコミュニケーション能力が突出している。

同じ部署のメンバーはもちろんのこと、研修で一緒になった人、交通費のことで話しかけた人事、ただ同い年であるというだけの人など、気が付いたら息をするように籠絡してしまい、毎日誰かと昼メシを食うことになるほどに社内で交友関係を築いてしまった。率いているサウナ部もあっという間に10人を超えている。

部下からの信頼のされ方も尋常でなくあらゆる商談に私を同席させたがるし、上司からもさっそくいくつかのトラブル対応を振られても難なくこなすので重用され、他部署ともそんな感じで、上から下から他部署から、ありとあらゆる会議への出席依頼があり、スケジュールがパンパンである。

つまり、めちゃくちゃ忙しい。在宅でリモート勤務しても良いのだが、オンライン会議が発達した会社なので、家にいても会社にいても忙しさは全く変わらない。であれば、空調の効かない自宅の仕事部屋より、出社した方が快適だし、直接話して解決することも多くて楽だったりするし、在宅の日だと「忙しそう」が伝わらず次から次へタスクが降ってくることもあるので、むしろ積極的にほぼ出社している。

私はこれまでの社会人キャリアをほぼフル活用できることもあり満足しているのだが、転職前より忙しそうにして平日遅い私に妻はとても不満そうである。リモートじゃなかったのか?思っているだろう。

冬の賞与までには恐らく結果を出して、どんと増収する見通しはあるのだがそれまで妻のご機嫌は持つだろうか。今はただ、コンビニスイーツに頼るしかない。

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