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4歳男児へのおちんちん教育

4歳児、ヨシタロウは年中に進級したのに、相変わらず凄まじい甘えん坊だ。

私がいると「だっこしてよぅ」「ごはんたべさせて」「パパにすわりたいの」となってしまい、一向に進歩が見えない。

抱っこについては、先般も書いたが基本的にはよほどのときでないとしないようにはしている。

「パパは、いざというときは、ヨッくんを抱っこして走るけど、そうじゃなければ抱っこせんよ」

「いざ、ってなに?」

「南海トラフ…ってわからんか、地震が来たときとか」

「じしんかぁ」

それらの問題とは別に、あらたな懸念がある。

最近。

めちゃくちゃおちんちんを触る。

受験生がシャーペンを回すくらいのフランクさで、暇さえあれば触る。パンツに手ェつっこんで。


妻がキレる。

「ヨっくん!触ったらダメって言ってるでしょ!病気になるよ!」

「ヨッくん!そんなところ触ってたらみんなヨッくんのこと嫌いになるよ!」

どちらも完全に間違ってるとは思わないが、「おちんちんを触ったら病気になる」のであれば男児はトイレでおしっこをするときも触れなくなる。

「みんな聞いてくれ、僕は今、トイレでおちんちんをめちゃくちゃ触ってきた」といちいち言うやつがいたら確かにみんなそいつのことを嫌いになる可能性が高いが、そんなやつはいない。

何が言いたいのかというと、妻の怒り方は間違ってはいないが、芯を食ってないように思える。

それはせんなきことだ。

妻に、おちんちんはないのだから。

ここは1発、おちんちんホルダー歴40年を超える私から、おちんちんとの向き合い方をご指導ご鞭撻するべきなのではないか。

妻がたまたまいない週末、例によって私を椅子にした上で仮面ライダーギーツを見ている4歳児が、おもむろにパンツの中に手を突っ込みはじめた。

チャンスだ。

「ヨッくんどうしたの、おちんちんをそんなに触ったらいかんよ」

ホルダー歴を活かしてロジカルな説得を試みるつもりだったが、理由も述べずにただ否定してしまった。いかん。

「ていうか、なんでそんなに触るの」

まずは彼のロジックを理解しよう。

「だって、きになるんだもん」

なるほどね。気になるのね。

全然ロジックじゃないのね。フィーリングよね。

いやまあ、わかるよ。 

指とか足とか顔とかを触ってるんと違う、サムシング・ストレンジな感触になることは父もわかる。

でも、だめなのよ。

「ヨッくん、こないだ、ゴードンのプラレール壊れたじゃん」

「うん」

「長く使ってると、大切なものも壊れちゃうのよ」

「また、かいたい」

「いや、こないだ仮面ライダーギーツのベルト買ったっしょ、買わんよ、そうじゃなくて、おちんちんの話よ」

「きになるの」

「きになるよね、変な感じするもんね。でも、おちんちんはとっても大事なものだから。そんなにしょっちゅう触ったらダメよ。おしっこするだけじゃないんだぜ」

「えっ?おしっこでしょ?」

「おしっこのときも使うけど、いざというときに、使うのよ」

「いざ、というとき?」

そのいざを経て、ヨッくんが現存するのだが、さすがにそこまで4歳児に仕込んで良いのか判断に迷う。

ていうか、いざ、という語彙は4歳にあるのか?

「いざって、じしんとときとか?」

あった。

そういえば、そのときも「いざ」って言ったな。

いつか大地震が来たら、妻がヨシスケを、私がヨシタロウを抱えてダッシュ。

ヨシタロウの両手は、パンツにイン。

「うん。その、いざ。地震のときはおちんちん触って良いよ」

「やったぁ」

遠くに着地したが、今日のところは、これでいっか。



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