無題
長い髪を切りたくなったのは
誰かのせいじゃなくて
水たまりの中で揺れる陽炎
飛び越す影はきっと
日差しの切れ間を探して
たどり着いたビルの屋上で
とっくにぬるいサイダーひとつ
君と飲んで 少し笑って
麦わら帽はどこかに飛んでいった
真っ青な空と入道雲
体ごと心ごと
夏に飲み込まれそう
そのままわたし行方不明
少しずつ長くなる夜
君が時計を見る前に
水たまりの中へはねるビーチサンダル
浮かれた熱はきっと
あせまみれのTシャツを脱いで
その胸の匂いを吸い込んで
体ごと心ごと
夏に飲み込まれよう
そのままわたし行方不明
歌詞にならない詩を載せています。詩の供養。
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