手記
あんなに思ったあの人だったのに自分でも驚くくらいに冷めていた。
「好き」とか「可愛い」とか言われても、しれっとしていた。でも言わなきゃ殴ろうと思っていた。
夏よりも普通に喋れた。成長したんだ、時間が経ったんだ、凌駕する存在ができたんだ__背徳感はなかった。
「またね」って言われて
「またね」って返す私は何なのでしょう
こういうところなのです
帰った後に突然、ブワーッと、「裏切った」とする思い出たちが浮かぶ。でも、後悔はしなかったし罪悪感は巻き上がってこなかった。
なぜなら改めて、私は「好きな人」の存在を確信したから。
これからその「好きな人」と過ごす時間に嘘が紛れていく。決して告白してはならない。彼の幸せとともに自分の幸せも願う我儘な私のために。どうか一度の過ちを赦してください。
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