通夜と葬儀を控えて

日曜日、婚家の伯父が死んだ。今夜が峠と知らされたその夜を待たず昼下がりに去ってしまった。

去年の夏、道で倒れているところを通行人に発見され救急搬送、その後入院しっぱなしだった。

急な脳梗塞だった。搬送後、伯父は意識を取り戻し、手術もし、テレビ通販で見た電気シェーバーを買ってこいと息子に連絡してくるほど元気もあったが、身体に部分的な麻痺が残った。食事を飲み込むのが難しくなってしまった。

リハビリを続けていたが嚥下の機能が回復せず、経口摂取での栄養補給がままならない状態が続き、点滴によって長らえていた。死因としては老衰になるらしい。

コロナ対策で見舞いはできなかった。重篤となってからは見舞いが許されたが人数に制約があり、私の夫は甥であるので、伯父の息子たちや伯父の兄弟たちを優先して自分は遠慮する方を選んだ。

私は葬儀の打ち合わせを兼ねて昨日伯父の家を訪ねた。伯父の家は自転車で行ける距離にある。死んでようやく自宅に戻った伯父の顔を見ると、丸顔だった伯父の面影はどこにもなく痩せこけていた。一瞬、即身仏のミイラを連想してしまった。

伯父の息子たちの、一旦は家に連れて帰ってやりたいし葬儀は友引を避けたいという二重の意向があって明後日木曜日に通夜、金曜日に葬儀と決まった。

夫は仕事に行っていたので伯父の顔をまだ見ていない。義父も義母もまだ見ていないはずだ。

私はこどものころからそこそこの数の通夜や葬儀に参列してきたが、死亡から葬儀までこんなに日が開くのは初めてだ。

葬儀のあと続け様に初七日法要まで行なう事になったが、ほぼ正味初七日だ。

一日一日がとても長い。

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