おいしさの秘密。
ひより保育園、そらのまちほいくえんの給食、そして、そらのまち総菜店、日当山無垢食堂の作る料理はおいしいです。
理由は、関わるみんなが「おいしいものを食べてもらいたい」と心から思っているから。
どんなにいい材料を使い、どんなに整備されたキッチンで作っても、この部分がグラついていたら「おいしい」ごはんはできません。
しかし「思っているだけ」でもおいしいものは作れない。
そこで、私たちがやっている工夫をご紹介しようと思います。
いろんな場面で応用ができると思うので、ぜひぜひご活用ください。
1)表から見ても、裏から見ても。
まずは、なんと言っても調味料と食材です。
本当は100%オーガニックで、美味しいものをご提供できるともっと素晴らしいと思っていますが、まだまだ道半ばです。
オーガニックでありさえすれば、安全かつおいしいかというと、そこにはまだまだ疑問が残ることと、年間通じて全食材をオーガニックで安定的に仕入れられるだけのルートが確立できていない点などなど、他にも様々な理由がありますが、それよりも先に大事にしたいことは「作り手の顔が見えること」、そして「旬であること」です。
私たちは、食材を仕入れる際に相見積もりを取りません。信頼できる取引先や生産者の方々が提示なさった価格で買わせていただいています。もちろん、価格を聞いた時に、予算オーバーだなということもあります。その時は身の丈に合わないと判断して、別なものを買わせていただくか、他の部分で調整するか。
とにかく、比較して安い方を買うとか、「これだけ買うんだからもっと安くしてください」という交渉はしないようにしています。
調味料は、味噌に関しては100%自家製。その他の調味料は添加物を使わずに昔ながらの製法で丁寧に作られたものを使っています。
先日お客さんが「ここの料理はどれもおいしい」とおっしゃっていたのに対して、厨房で働くメンバーが「ここは、お塩から違うんです。本当にいい材料を使ってる」と話していました。レシピを知りたいとおっしゃる方には、厨房のレシピをそのままお見せしています。
いい材料を使って、材料を切るところから提供するところまで、ぜんぶ自分たちが責任を持ってやっているという自信や、どこを見られても恥ずかしくないという思いが味にも接客にも現れる気がします。
2)お互いの料理を見せ合う
4拠点の厨房関係者全員で、facebookの秘密グループが作ってあり毎日そこに今日作った料理の写真をアップしてもらっています。
ただ共有するだけ。コメント欄に「おいしそう!」とか、「これどうやったの?」とかのコメントがつくことがありますが、基本的にこのグループはお互いがそれぞれの拠点で今日も頑張ってるな!ということが共有できればそれでいいと思っています。
ひより保育園とそらのまちほいくえんの献立は基本的には同じものなんですが、作り手が違うと雰囲気がガラッと変わることもあったりして面白いです。
3)レシピはどんどん共有する
2)の今日作った料理の写真を共有するグループとは別に、新しい料理のレシピを共有するための別グループもあります。参加しているメンバーは共通ですが、グループを分けることで情報にアクセスしやすいように工夫しています。
他にも業務連絡グループや、今日の売り上げを共有するグループなど。構成メンバーは同じだけど内容によって投稿先をいくつかに分けています。
調理中はスマホを取り出して確認するのは不衛生かつ面倒なので、これよりももっと簡潔にまとめられたレシピをプリントアウトして掲示してあります。
ちなみにメニューはみんなで考えます。
いろんな世代(20代〜60代)が、あれもおいしい これもいいんじゃないか?とざっくばらんにアイディアを出し合ってくれるおかげで、幅広い層のお客さんが飽きずに通ってくださるのかなとも思っています。
4)外の人にも見てもらう
身内内での共有の他に、Instagramを使って保護者さんやお客さんをはじめとする組織外の人にも見ていただく場をそれぞれが持っています。
たとえば、これ↑はひより保育園の給食室のインスタ。そらのまちほいくえん、総菜店、無垢食堂それぞれにインスタでの発信をしていて、多くの方から「いいね!」と評価していただくことで励みになりますし、きれいに盛り付けよう、彩よく作ろうという気持ちが無意識に高まります。
5)こんなのいいよね!を共有しておく
まだ形になっていないアイディアをみんなで共有するのにはpinterestのシークレットボード機能を使っています。
これが本当に優れもので、料理のイメージ共有だけでなく、あたらしい拠点を作る時には、建築や内装のイメージ共有のために使ったり、ラッピングやデザインのアイディア共有のために使ったりと重宝しています。
「なんとなくこんな感じ」がビジュアルでどんどん溜まっていくと、それらの共通点が見えてきて「つまりこういうことだよね?」という感覚の共有ができるので便利です。
6)作る人と、食べる人の物理的距離を短くする
最後はこれ。
写真はそらのまちほいくえんのダイニングと、厨房(黒い壁の向こう)です。作っている人が食べる人を、食べる人が作っている人を見えるようになっています。ひより保育園は、上から下までガラス張り。
それはそらのまち総菜店や、日当山無垢食堂でも同じです。
食べる人が「おいしいおいしい」といって残さず食べてくれる様子を毎日見ることで、そして自分もその料理を食べることで「もっと大きく切ろうかな」とか「もう少し歯応えを残そうかな」などと、毎日改善につながりますし、なによりも「明日もおいしいものを作ろう」という気持ちになるのだと思います。
食は人の天なり。
毎日おいしいものを作って、みんなを笑顔にしている厨房チームはこんなふうに日々切磋琢磨しあっているのでした。
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