6年来の親友たちが、念願だったカフェをオープンしたお話(ひより保育園)
2018年にひより保育園が開園した時、0歳のクラスに入園してくれたえっちゃんと すーちゃん。
双子のようにいつもいつも仲良しで、保育園に遊びにいくたびに話しかけてくれる2人です。
こどもたちの、「親友」でありたい。
ーこどもたちの、「親友」でありたいー
このフレーズをいつどんなタイミングで思い付いたのかはもう忘れてしまったけど、保育園を作ってみようと決心し、純平と一緒に 保育の素人である私たちがあえて保育園を作るのであれば、どんな園を作るべきだろうと来る日も来る日も考えてたどり着いたメッセージ。
実績どころか、園舎すら(園舎の引き渡しは開園の直前だったので、それまでは我が家の2階を開園準備室として解放し、入園面談も採用面談も全てそこで行なっていました)なかったひより保育園が、たくさんの園児とたくさんの職員で第1回入園式を迎えられたのも、スピッカートさんの作ってくれた素敵なロゴと、このメッセージの存在があったからじゃないかなと思います。
りささん、えすカフェ来る?
2022年12月のある日、ひより保育園に出勤したら、えっちゃんとすーちゃんが職員室に来て「ねぇりささん、えすカフェくる?」と誘ってくれました。
「えすカフェ?なにそれ」
「えっちゃんと、すーちゃんでカフェするからえすカフェだよ。」
「えー!いくいく。絶対くるからね!」
仲良しだけど、食の好みが違う2人。どんなメニューにするか、それぞれのメニューにどんな食材を使うかなど、対話と試行錯誤を繰り返しながら1つ1つ決めていきます。
粘り強く伴走してくれる先生たちはまさに「親友」。
その丁寧かつ、こどもたちの主体性を最大限に尊重し続ける姿勢に頭が下がります。
1月12日 12:00えすカフェオープン
大好きな2人の晴れ舞台。
感謝とか、感慨深さとか、憧れとか、もうすぐ卒園してしまうのかという少しの寂しさとか。いろんな気持ちが入り混じります。
ここまで辿り着いた2人へ、心ばかりのちいさな花束を持ってひよりの門をくぐると、(時間通りには進んでないだろうと思っていたのに)料理はきれいに盛り付けが終わっていて、私を見つけたえっちゃんとすーちゃんが両手を引いて席まで案内してくれました。
小さいけど、温かくて、やさしくて、たくましい2人の手は自信に満ち溢れていて眩しかった。
実は、ひよりの先生たちに協力してもらい、2人は一度リハーサル(試作)をしたのだとか。その時に料理の提供が予定より1時間押したので、今回はそれを見越して早めに調理に入り、「調理中は喋らない」と自分達で決めて20人分を作り上げたのだそう。
えっちゃん、すーちゃん。これを20人分って大人でも簡単じゃないよ。
ひより保育園の味
園児たちが作る料理は、「薄味」じゃなくて「やさしい味」がします。大人のわたしたちよりもずっと鋭い味覚を持っている彼女たちが作るので、それは当たり前かもしれないんですが、無駄な雑味がなく、なにも多すぎず、なにも少なすぎないやさしい味。
限定20のチケットにありつけた大人たちがスープを食べて言った一言「あ、ひよりの味がする」
ほんとうだ。これ、ひよりの味だ。
どう説明していいかわからないけど、確かにそれはひよりの味でした。
まだ0歳の赤ちゃんだった2人が毎日食べてきたひよりの味。いつの間にかそれを再現できるようになった2人。
食を通して、愛された記憶を残したい。開園当初に給食室長の高橋が言った言葉が思い出されます。
何人かはポロポロと泣きながら。
二人が赤ちゃんだった頃のいろんな思い出が口々に溢れます。
すっかり大きくなった2人。ごちそうさまのあとは、大人たちにべったり。もしかしたら、抱っこさせて欲しかったのは大人の方で、2人はそれに付き合ってくれたのかもしれません。
4時間立ちっぱなしで調理して疲れたはずなのに、お客さんたちが帰った後全ての片付けと床の拭き掃除までちゃんとやった二人。最高にかっこよかったです。
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